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今、ビットコインを買う理由(佐々木徹)

仮想通貨 佐々木徹 2016-05-18 11:00

「詐欺」や「犯罪通貨」と呼ばれたビットコインも黎明期を過ぎ、今ではブロックチェーン(ビットコインの基幹技術)を扱う株式銘柄がストップ高になる時代になりました。では、なぜ元々はデータでしかない「仮想(暗号)通貨」がこれほどまで注目を浴びるのでしょう? そして、なぜ今のうちに保有資産の一部に入れておくことがスマートな選択になり得るのかを書いてみたいと思います。

著者紹介

佐々木徹(ささきとおる)。
米国テクニカルアナリスト協会公認資格CMT検定1級を保持。米オンライン教育No.1のユーデミーにて1,800名を超す受講生をもち、2014年には日本人初のトップ15講師入り。欧米式のトレード方法を紹介する「ココスタ」運営責任者であり、現役トレーダー、起業家、マーケティング・ストラテジストでもある。株式会社ファム代表取締役。

仮想通貨市場の中で「米ドル+ユーロ」のシェアを持つ

過去の記事で「FX分析=米ドル分析」と書きました。なぜなら世界の中で取引される通貨の6割以上が米ドルという事実があるからです。

一方で仮想通貨の市場は、小さなものまで合わせると700種類近くも乱立しており、全体の時価総額は約9000億円(2016年3月14日現在)となっています。この中でビットコイン時価総額は7240億円と、シェア換算で80%を占めます。とはいえ、この額でさえ東証一部上場の住友金属鉱山(5713)と同程度の規模でしかありません。

それでも比率で見れば、外為市場における米ドルとユーロを足した存在感であり、「仮想通貨」=「ビットコイン」と言っても差し支えない状況だといえます。

世界中への送金が圧倒的な低コストと速度で可能になる

仮想通貨が最も期待されている強みは、何といっても取引が素早く圧倒的に小さなコストで完結できる点にあるでしょう。

Skypeでテレビ会話をしている相手に、カメラを通じて2次元バーコードを見せたら、その場で会話しながら送金を完了させることさえできるわけです。

この、インターネット接続さえあれば、国境を気にせず自由に素早く送金できる仮想通貨のインパクトは、世の中を揺るがすメガトン級です。なぜならネットへアクセスできる世界人口は2015年で30億人。間もなく地球上の半数に至ります。

この流れは止まらず、フェイスブックなどはアフリカ大陸のサハラ地帯に向けて人工衛星から無料のネット接続電波を照射する計画を、2015年にぶち上げています。つまりネット接続の人口カバー率が増えることはあっても、減ることはありません。

そうしたネット接続された人たちが、ビットコインで一度でも安価で迅速なお金のやり取りを経験してしまうと、高コスト&遅い&面倒な旧来の方法に戻れなくなることは、自明の理だともいえるでしょう。

発行体リスクがない

私たちが普段「お金」と呼んでいるものは、実は日本銀行が法定通貨であると宣言した「紙」であり、その信用力を除いたときに残る価値は、再生紙としての買取価格くらいでしょう。とはいえ日本は何だかんだ言われても、国際資金の逃避先になるくらいで、国としての信用力はある方です。

ところが国民から信用されていない国に住む人なら、その通貨は最低限しか保有されず、他の資産に変換されるのが市場原理です。そうした発行体(国やユーロ式連合体)などがデフォルトすることになっても、価値が変わらず手元に残しておける財の機能を持つものは何でしょう?

世界中の最も多くの人が納得する行き先は、現時点では金(ゴールド)をおいて他にありません。地金として持っていれば、仮に溶けたとしても価値は変わらないですからね。

参考までに、ビットコインと時価総額で近い住友金属鉱山は、日本の金産出でフラッグシップ的な存在である菱刈金山を保有しています。何だか不思議な縁を感じますね。

以上は余談ですが、なぜ金がそこまで価値の保有機能を持っているかといえば、それは地球上に住む人たちが共通して価値を認めているからに過ぎません。

産業の用途需要では説明できない価格で取引されていることからも、金(ゴールド)が価値の保有という点で、他に選択肢がないほどの地位を過去から現在まで保ち続けていることは疑いがないでしょう。

同じく、ビットコインもなぜ値段がついて取引されているかといえば、その通貨に価値を見いだす人が少なからずいるからです。

ビットコインの価値そのものが自由な市場参加者で決められており、国などの発行体の影響が無いことも、参加者が惹きつけられている理由の一つだといえるでしょう。

さらに重たい金属の塊であるゴールドはネット上で送ったり、100円の飴を買ったりするのには不便極まりありません。

こうした金の限界をクリアした上で、発行体のリスクがないというところに、ビットコインのインパクトがあるのかもしれません。

発行の上限数が決まっている

モノでもサービスでも、値段が決まる最大の要素は「需要と供給」です。先ほど挙げた金(ゴールド)の事例でいけば、世の中に流通および産出される総量はおよそ確定しており、そうした上限が決まっている点も価値の保有に向いています。

同じくビットコインは発行(採掘)の上限数が2100万とすでに決まっています。2016年では7割程度が掘り出されており、あとは3割程度しか供給が増えません。先述のように、今のビットコイン時価総額は7000億円程度しかありませんから、世界の経済規模と比べれば、毛の先ほどもないサイズですね。

ところが、仮にインターネットを使う30億人の1%(3億人)でも利便性に気付き、全員が0.1ビットコイン(約4500円)を購入したとしたら、それだけで7000億円の市場に1兆3500億円の資金が流れ込みます。

この規模は今のビットコイン時価総額の2倍にあたり、理屈でいえばそれだけで値段は3倍になるわけです。これで発行総量も3倍に増刷されれば値は動きませんが、上限が確定している以上、値が上がるしかないわけですね。

有効な投資戦略は?

ここまで良いことだけを書いてきましたが、もちろんビットコインが明日には夢のごとく消えて、価格がゼロになる可能性も否定はできません。原油や金属は私たちが生活する上で絶対に必要な資源ですが、別に暗号の塊であるビットコインはなくても、今の世界は回ります。

それでも、先ほど述べたような世の中の向かう先を見ていけば、値段が大いに上がる可能性は否定できないというのが、私が思う正直なところです。では有効なビットコインの投資戦略とは、どのようなものでしょうか?

お勧めできるとすれば、全額をなくしたとしても「良い夢を見た」と思える程度の金額、具体的には宝くじに投じて良いと思える程度の資金分を購入して、安全に保管をしたら、後は放っておくということかもしれません。

またご要望があればビットコインの価格分析についても書いてみたいと思いますので、雑誌に付属のアンケートにて編集部へお知らせくださいね。

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※この記事は、FX攻略.com2016年6月号を転載したものです

佐々木徹(代表取締役)

株式会社ファム

米国テクニカルアナリスト協会公認資格CMT検定一級を保持。米オンライン教育ナンバーワンのユーデミーにて、1600名を越える受講生を持ち、2014年には日本人初のトップ15講師入り。欧米式のトレード手法を紹介する「FX為替チャート」運営責任者であり、現役トレーダー、起業家、マーケティングストラテジストでもある。

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