雨夜恒一郎

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    2014年2月3日
    新興国懸念、株安連鎖、米国金利低下で「米ドル/円」100円割れも?[雨夜恒一郎]
    先週は、アルゼンチンペソなど新興国通貨の混乱が続くなか、日米の株式市場は昨年11月以来の安値へ下落。 米国10年債利回りも2.7%台を割り込み、昨年11月以来の水準へ低下した。 リスク回避型の円買いと、米国金利の低下を受けたドル売りが同時進行し、「米ドル/円」は101円台へ下落した。 もっとも、先週の当コラムでも述べたとおり、今回の株安・円高の流れは1月10日に発表された米国12月の雇用統計が起点となっている。 非農業部門雇用者数(NFP)の大幅下振れは悪天候が原因であることは間違いないが、1月に入っても寒波は衰えておらず、雇用は引き続き影響を受けた可能性が高い。 今週金曜日にはその1月の雇用統計が発表される。 NFPの予想は+17.5万人と前回(+7.4万人)ほど悪くない数字となっているが、果たしてその程度で済むかどうか。 もし2カ月連続でNFPが大幅下振れとなれば、個人消費や住宅着工など幅広い経済活動に影響が波及することは避けられず、特殊要因によるものとはいえ看過できなくなってくる。 また今週は雇用統計に先立ってISM製造業・非製造業景況指数やADP雇用報告など重要指標の発表が目白…
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    2014年1月27日
    日銀追加緩和への期待が剥落!株安・円高の負の連鎖に備えよ[雨夜恒一郎]
    先週後半は、HSBC発表の中国PMIが好不況の分岐点である50を半年ぶりに割り込んだことをきっかけにリスク回避の動きが広がり、円ショートが急激に巻き戻される展開。 アルゼンチンペソなど新興国通貨が急落したことや、株式市場が連日の大幅安を記録したことから、「米ドル/円」は一時102.00円と12月上旬以来の安値へ下落した。 また、「ユーロ/円」が140円台を割り込み、「豪ドル/円」が90円台を割り込むなど、クロスでも安全通貨の円が独歩高の展開となった。 中国景気指標の悪化や、「伏兵」アルゼンチンの出現はもちろん大きなネガティブサプライズであったが、実は円高の伏線は水曜日の日銀金融政策決定会合にあった。 日銀は今年と来年の物価上昇率見通しをそれぞれ+1.3%、+1.9%に据え置き、「消費税引き上げ前の駆け込み需要の反動の影響を受けながらも、景気は緩やかな回復続ける」と楽観的な見通しを示した。 さらに、黒田総裁は会見で「14年度後半から15年度にかけて物価は目標の2%に達する可能性が高い」と物価目標達成に自信を示したのだ。 海外投機筋の間では、4月からの消費税引き上げに対応して日銀が追加緩和…
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    2014年1月20日
    豪ドルの下落が止まらない![雨夜恒一郎]
    先週発表された豪州12月の雇用者数は、予想の+1.0万人に対して-2.26万人と大幅な下振れとなった。 これをきっかけに豪ドル売りが加速し、対ドルは0.8765ドル付近と2010年以来の安値を更新。「豪ドル/円」も91.40円付近と1か月ぶりの安値をつけた。 豪雇用統計は毎回振れの大きい数値ではあるが、一旦は後退していた追加緩和観測が再燃する可能性があり、今後の景気指標を注視していく必要がある。 今週は水曜日に発表される第4四半期の消費者物価指数(前回+1.2%、予想+0.5%:前期比)が要注意だ。 また、豪ドルは昨年秋から米QE縮小観測を受けて大幅に下落してきた。QE縮小は異例の金融緩和からの出口への第一歩であり、ドル安に歯止めをかけるとの見方が強まっている。QE縮小によりペーパーマネーであるドルの信認が回復すれば、その対極にある資源国通貨の価値は相対的に低下する。 実は筆者は、米FOMCがQE縮小を決定したことで材料出尽くしとなり、豪ドルは当面の底を入れると考えていた。豪ドル相場はすでにQE縮小を十分先取りしていたし、当初の縮小ペースは月100億ドルと予想よりも緩やかだった。FRB…
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    2014年1月13日
    米国雇用統計が大幅下振れ!金融政策への影響は?[雨夜恒一郎]
    先週金曜日に発表された米国12月の雇用統計は驚愕の結果となった。+19.5万人前後と予想されていた非農業部門雇用者数(NFP)がわずか+7.4万人と約3年ぶりの低水準にとどまったのだ。11月分は+20.3万人から+24.1万人に上方修正されたが、それを勘案しても弱すぎる数字である。 一方、失業率は前回の7.0%から一気に6.7%へ低下し、FRBがゼロ金利維持の基準として掲げる6.5%まであと0.2%に迫った。2008年10月以来5年2か月ぶりの低水準である。 雇用の急ブレーキと失業率の大幅改善、この一見相反する結果をどう受け止めるべきだろうか。 NFPの下振れはおそらく先月米国を襲った大寒波の影響と思われる。家計調査によると、悪天候による自宅待機は27.3万人にのぼり、1977年以来最多となった。この要因は統計手法の相違から先に発表されたADP雇用報告(+23.8万人)には反映されなかったようだ。今回のNFPの悪化は必ずしも新たな雇用減少トレンドの始まりではなく、一時的な下振れにとどまるとの見方が多い。 ただし、FRBの金融政策がまったく影響を受けないとは言い切れない。 ナイアガラの滝…
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    2014年1月6日
    新年相場は波乱の幕開け!米国株式市場は金利上昇に耐えられるか?[雨夜恒一郎]
    先週は、日本勢が正月休みで薄商いのなか、ドル円は105円台ミドルから104.08円まで急落。特にこれといった悪材料は出ていなかったが、NYダウが昨年末記録した史上最高値から反落したことで、株高・円安の流れが逆回転するとの不安感が浮上した。 前回の当コラムでも指摘したが、QE縮小を控えた米国市場では、景気回復期待が強まると、金利が急上昇し、株式市場のセンチメントを冷やすリスクが高まっている。 これまで円売りのエネルギーの源泉だった株高トレンドが変調をきたせば、円安トレンドも調整は避けられないだろう。 今週金曜日には米国12月の雇用統計が発表される。 非農業部門雇用者数(NFP)の予想コンセンサスは、+19.3万人(前回+20.3万人)。それに先立って水曜日に発表されるADP全国雇用調査の予想コンセンサスは+19.8万人(前回+21.5万人)となっている。 これらが予想を大きく上回れば、景気回復期待が一段と強まり、金利上昇が加速する可能性がある。 また失業率が7%を下回るようだと、ゼロ金利解除の観測すら浮上してくるかもしれない。米国金利の上昇は通常ドル高材料だが、株式市場が金利上昇を嫌って…
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    2012年11月19日
    「安倍トレード」の巻戻しに注意 ただし趨勢はすでに円安か?[雨夜恒一郎]
    先週は、野田首相がついに衆院解散を決意。 新政権による金融緩和期待が高まり、「ドル/円」は80円台を回復。さらに、次期総理の椅子にもっとも近いと見られる安倍・自民党総裁が「無制限の金融緩和」や「マイナス金利」をぶち上げたことから、一気に81円台に乗せ、4月以来7カ月ぶりの高値をつけた。 安倍氏は金融緩和論者であるだけでなく、積極財政・反増税を掲げる「上げ潮派」であることから、市場では早くも「日銀が政府アコード(政策協定)を結び、積極的な金融緩和に踏み切る。また、公共投資など大型の財政措置が発動される」との見方が強まっている。 いうまでもなく、金融緩和と財政緩和の組み合わせは通貨が最も下落するポリシーミックスだ。海外勢、特にヘッジファンド勢はこうしたマクロシナリオを非常に重視する。ただし、仮に自民党が政権を奪回したとしても、政府とのアコードや無制限の金融緩和、マイナス金利など異例の措置が簡単に実現するとは考えにくい。「中央銀行の独立性を無視した金融緩和の強要」には日銀側の反発だけでなく、他政党からの批判も強まるだろう。安倍氏の一連の発言は選挙前だけに威勢が良いが、選挙後に急にトーンダウン…
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    2012年11月12日
    マーケットは財政の崖に過剰反応?リスク回避の円高は長続きしない[雨夜恒一郎]
    先週行われた米国大統領選挙では、大方の予想通り現職のオバマ大統領が共和党のロムニー候補を破り再選を決めた。 為替市場では、安堵感から「ドル/円」が一時80.40円付近まで上昇するなどリスク選好型の円売りが先行したが、NYダウが二日間で400ドル超下落し、13000ドルを割り込むと、リスク回避ムードが広がり、79円台前半まで急反落した。 米国株が下落したのは、ねじれ議会(民主党が上院、共和党が下院のそれぞれ多数派を占める状態)が解消されなかったことで、「財政の崖」への対応が難航するとの懸念が広がったためだ。 財政の崖とは、2012年末から2013年にかけてブッシュ減税の失効や連邦予算の強制削減措置の開始などで最大6000億ドルあまりの財政緊縮が行われることを指す。 もし、このまま何も手が打たれず、米国経済が財政の崖を転落すると、GDPが2.9%押し下げられ、来年はマイナス成長に転落すると予想されている。もし、これが現実となれば、金融危機からようやく立ち直りかけた米国および世界経済は、再び奈落の底に突き落とされるだろう。 しかし、考えてみると、米国が財政の崖に直面するのは以前からわかってい…
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    2012年11月5日
    「ドル/円」相場が強気局面入りしたと考えるこれだけの理由[雨夜恒一郎]
    先週の「ドル/円」相場は一時80.68円まで上昇し、4月27日以来約半年ぶりの高値をつけた。筆者は先々週以来、円安トレンド入りの可能性を指摘してきたが、その見方は徐々に確信に変わりつつある。今週は80円台を値固めし、81円台をうかがう展開となりそうだ。 先週はまず、日銀が追加緩和に踏み切った。資産等買入基金の増額が11兆円程度とほぼ事前の予想通りだったため、直後の市場の反応は芳しくなかったが、それでも「ドル/円」が大きく下げなかったのは、日銀が「デフレ脱却への取り組み」と題した政府との共同文書を発表したためだ。白川日銀総裁は、この共同文書について「政府との共通理解にすぎない」とそっけないが、その白川氏も来年4月には任期切れを迎える。速水・福井・白川と三代続いて日銀プロパー総裁が続いていることもあり、次は非・日銀出身者で金融緩和に積極的な人物が指名されるとの見方が多い。 2014年度のデフレ脱却が見通せなくなるなか、来年には日銀が新総裁のもとで政府とアコード(政策協定)を結び、いよいよ積極的な緩和姿勢に転換するとの観測が広がっているのだ。今回の共同文書は、そのアコードに向けた「礎」という…
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