雨夜恒一郎

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    2018年6月11日
    G7事実上決裂で貿易戦争激化?FOMC利上げで材料出尽くしのドル売りも[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年6月11日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、米国雇用統計の好結果を受けた株高やイタリアの政局リスク後退を好感した円売りが先行し、一時110.27円まで上昇。しかし週後半はカナダ・シャルルボアで開催される日米欧主要7か国首脳会議(G7サミット)での通商問題紛糾を警戒したリスク回避の動きが強まり、109.20円まで押し戻された。 米国と「G6」の溝 G7サミットは9日午後、2日間の日程を終えて閉幕した。通商政策をめぐる米国と他の6カ国の隔たりは大きく、前週に行われたG7財務相・中銀総裁会談に続いて「共同声明」が採択されない異例の事態となった。議長国カナダのトルドー首相は、共同声明の代わりに「首脳宣言」を採択し、一定の成果を挙げられたと強調したが、トランプ大統領はサミットを途中退席してシンガポールに向かったうえ、「首脳宣言を承認しない」とツイートし、宣言を採択したトルドー首相を批判した。首脳宣言がトランプ大統領の出発後に採択され、米国の意に沿わない「保護主義と闘う」などの文言が盛り込まれたためだ。米国と「G6」の溝はサミット前よ…
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    2018年6月4日
    米国雇用統計は好結果だがドルの上値は重い[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年6月4日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、イタリアの政局混乱や株安を背景としたリスク回避型の円買いと、米国債利回り低下の流れを背景としたドル売りが先行し、一時108.11円まで下落した。しかし週後半はイタリアの政局懸念が後退し、買い戻しの流れに。金曜日には、米国5月の雇用統計が予想を上回ったこともあり、109.73円まで反発した。 米国雇用統計の結果は利上げを後押しするか? 米国雇用統計は、失業率が3.8%と2000年4月以来の水準へ低下するとともに、非農業部門雇用者数は+22.3万人と予想+19.0万人を上回った。今月12-13日に開催されるFOMCでの利上げを後押しする内容といえるだろう。FF金利先物はすでに今月の利上げを90%以上織り込んでいる。 一方、注目の平均時給は、前月比+0.3%、前年比+2.7%と予想(+0.2%、+2.6%)を上回ったものの、2016年10月につけた2.8%のピークを越えられずにいる。当時から失業率は1%低下し、ほぼ完全雇用状態となっているにもかかわらず、賃金の伸びが加速しないという「謎」…
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    2018年5月28日
    米国債利回り上昇・ドル高の流れに転機?[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年5月28日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、前週からの流れを引き継ぎ、週初に111.40円と1月以来4か月ぶりの高値をつけたが、その後は利益確定の売りに押される展開に。トランプ大統領が米朝首脳会談延期の可能性を示したことから110円台を割り込み、実際会談の中止が伝わると、一時108.96円まで下落した。週足ベースでは、ドル円が3月に104円台で底を打って以降初めての陰線となった。 市場ではリスク回避ムードが広がる 米国10年債利回りも前週には一時3.12%と7年ぶりの高値を付けていたが、先週は3%台を割り込み2.92%まで大幅低下。原油相場も6月のOPEC総会で増産が決定されるとの見方が広がり急落した。原油高・米国債利回り上昇・ドル高という流れに冷や水をかけられた形だ。日米株式市場でも、NYダウ平均2万5千ドル、日経平均2万3千円という壁を突破し切れず反落。欧州でもイタリアやスペインで政局不透明感が浮上しており、市場ではリスク回避ムードがジワリと広がってきた。 市場がリスクオフモードにある局面で最も買われやすい通貨は円(と…
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    2018年5月21日
    悪い金利上昇ならドル上昇余地も限定的[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向  2018年5月21日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、米国債利回りの上昇を背景にじり高の展開となり、一時1月以来の高値となる111.08円まで上昇した。米国10年債利回りは一時3.12%まで上昇し、2011年7月以来の水準へ、政策金利動向に敏感な2年債利回りも2.59%に達し、2008年8月以来約10年ぶりの高値をつけた。 この金利上昇が好調な米国経済と利上げ期待のおかげであることは間違いないが、ほかにもあまり歓迎できない材料が寄与していることを見逃してはならない。それは「原油高」と「国債発行増」だ。 原油相場は先週72ドル台へ上昇 原油高に関しては、明らかに中東の地政学リスクが影響を及ぼしている。トランプ大統領は5月8日、イラン核合意から離脱することを発表。イラン核合意とは2015年に米欧とイランが合意した「包括的共同行動計画」で、イランが核開発を大幅に制限する見返りに、米欧は金融制裁やイラン産原油の取引制限を緩和するというもの。トランプ大統領は「合意には致命的な欠陥がある」とし、大統領選中から離脱を公約にしていた。今後米国がイ…
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    2018年5月14日
    M&Aがらみのフローはあまり気にしないこと[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年5月14日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、米国債利回りの上昇を背景としたドル買い圧力が再び強まり、一時110.02円と前回高値に顔合わせした。米国10年債利回りは、中東情勢悪化を背景とした原油高を受けて一時3%台へ上昇。米国の利上げ期待を背景に、政策金利動向に敏感な2年債利回りも2.5%台をキープしている。 ドル円の上昇に寄与したもう一つの要因は、本邦企業による海外M&Aの報道だ。かねて観測されていた通り、武田薬品工業はアイルランドの製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(約6.8兆円)で買収することで合意したと発表。またリクルートホールディングスは米オンライン求人サービス大手のグラスドアを12億ドルで完全子会社にすると発表した。 中長期の相場を決めるのはフローではなくファンダメンタルズ こうした大型M&A案件があると、巨額の円売り・外貨買いのフローが発生し円安が進行するとの観測が強まるのも無理はない。実際、2016年にソフトバンクによる英アーム買収(約240億ポンド)の際には、この案件にかかわるポンド…
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    2018年5月12日
    「マーケットの語り部」雨夜恒一郎 8000文字インタビュー「外銀時代の荒くれ者列伝と今後のFX業界」
    聞き手:鹿内武蔵(編集部)  為替の黎明期に外銀で感覚を鍛える 鹿内 雨夜さんといえば、大手外資系銀行を渡り歩いたという経歴をお持ちですが、なぜ大学卒業後に外資系銀行で働こうと思ったんですか。 雨夜 もともと、都銀の就職試験を受けましたが落ちてしまって。外資系も挑戦してみようと思ったのが最初のきっかけですね。で、受けてみたらそっちの方が面白そうだと分かったんです。 私が就職活動していた1985年当時は、まだJPモルガンやチェース・マンハッタンといった外銀が、やっと日本の学生の間で認知され始めた時期でした。バブルに突入する直前の時期で、就職活動は結構大変でしたね。いくつか外資系銀行を受けた結果、英語ができるということもあってファーストシカゴ銀行に進むことにしました。 鹿内 当時、外資系銀行に就職する人は結構珍しかったですか? 雨夜 会社名をいっても知っている人はあまりいませんでしたね。新卒で入社した同期も10名程度。ただ、ファーストシカゴは当時、業界ではダントツの存在感でした。また、円高に突入していく時代だったので、大きく儲けることができましたね。今みたいにコンプライアンスも厳しくなかっ…
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    2018年5月7日
    米国金利上昇とドル高は正当化されず?![雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年5月7日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、米国債利回りの上昇を受けたドル買いが継続し、一時110.04円と2月以来の高値を示現した。しかしその後は利益確定の売りが優勢となり、109円台割れまで押し戻された。2年債利回り2.5%、10年債利回り3.0%、ドル円110円という節目にタッチしたことで達成感が広がったようだ。 FOMCは予想通り政策金利を現行の1.50-1.75%に据え置き、「インフレ率は2%に近付いた」と評価を一段引き上げたものの、「経済見通しへのリスクはおおむね均衡」「経済状況はFF金利の一段の緩やかな引き上げを正当化する形で進むと予測」といった主要なフレーズを据え置き、より利上げに積極的な文言を期待した向きにとっては物足りないものとなった。 さらに金曜日に発表された米国4月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が+16.4万人(予想+19.2万人)、平均時給が前年比+2.6%(予想+2.7%)と弱い結果となったことから一時108.65円まで下落した。ただ過去2か月分が計3万人上方修正されたことや、失業率が3.9%と…
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    2018年4月30日
    米国雇用統計で金利上昇・ドル高が正当化されるか[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年4月30日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、米国債利回りの上昇を背景としたドル買いが継続し、2か月半ぶりに109円を突破。米国第1四半期GDPが予想の+2.0%を上回る+2.3%となったことから一時109.54円まで上昇した。米国10年債利回りは一時3%台に乗せ、政策金利動向に敏感な2年債利回りも2.5%を上回った。好調な米国経済を背景とした利上げ期待に加えて、大型減税により国債発行が増加し需給が悪化するとの見方から、債券利回りは上昇傾向となっている。 先週の当コラムでは、米国の金利観が重要な転換期に差し掛かった可能性があり、「弱気局面終了・強気局面入りの可能性をにらみつつ、この金利上昇が本物・持続的かどうかを見極めたい」としたが、その可能性は一段と高まったと見ている。 「昇給なき景気回復」を抜けたか 先週発表された1-3月期の米雇用コスト指数は前期比+0.8%上昇し前回の+0.6%、予想の+0.7%を上回った。前年比では+2.7%と金融危機直後の2008年第3四半期以来約11年ぶりの伸びを示している。労働市場の逼迫を背景…
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    2018年4月23日
    米国金利上昇は本物か?[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年4月23日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場は、日米首脳会談が無難に終わったことや、米国債利回りが上昇に転じたことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、金曜日には107.86円まで上昇した。 日米首脳会談では、米国をTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に復帰させることはできず、通商問題での隔たりを埋められなかったが、トランプ大統領から保護主義的な圧力はなく、厳しい言葉の応酬を警戒していた向きにとっては肩透かしとなった。またシリア問題に関しては新たな進展がなく、市場の関心の圏外となった。  政治は経済より予想が難しい。楽観していると青天の霹靂に打たれたり、警戒していると今回のように杞憂に終わったりする。今週も朝鮮半島で南北首脳会談が行われ、その先には米朝首脳会談が控えているが、相場の材料として取り上げるには時期尚早だろう。国内でもいくつかの政治スキャンダルで安倍政権が揺れているが、これも展開が予想しづらく、是々非々で対応するしかない。 市場の関心は米国金利動向へ そこで市場の関心は、当面一番わかりやすい米国金利動向に向かうこと…
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    2018年4月16日
    日米首脳会談、シリア問題…潜在的なダウンサイドリスク大きい[雨夜恒一郎]
    FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年4月16日号 先週のドル円相場 先週のドル円相場はおおむね107円台で底堅い動きとなった。中国の習近平国家主席のフォーラムでのスピーチでは、米中貿易摩擦に関する直接的な強硬発言はなく、市場の安堵を誘った。また化学兵器使用疑惑があるシリアに対して、「48時間以内に重大決断」と警告していたトランプ米大統領が、ひとまずミサイル攻撃を実施しなかったことが安心感につながった。 日米首脳会談の影響は 米中の貿易摩擦については、両陣営とも全面的な衝突や報復措置の応酬は望んでおらず、水面下での落としどころを探る戦略のようだ。ただ交渉はまだ始まったばかりであり、今後何度も暗礁に乗り上げることは目に見えている。また明日から日米首脳がフロリダで会談を行うが、日米自由貿易協定(FTA)締結に意欲を示すトランプ大統領が強硬姿勢を示せば、市場は大きく動揺するだろう。少なくともトランプ大統領の任期中は、為替市場は潜在的なドル安・円高圧力から逃れられない。 新たなドル安円高材料となるシリア問題 シリアをめぐる米ロの軍事的対立は、「遠くの戦争は買い・近くの戦争は売…