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週刊FXシナリオ|ジャクソンホールでのトラギ総裁の講演はどうだった?(8/27 9:45)[阪谷直人]

ジャクソンホールでのトラギ総裁の講演はどうだった?(8/27 9:45)

米ワイオミング州、ジャクソンホールで昨日始まった米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでのドラギ総裁の講演は、日本時間26日(土)の早朝4:00から行われました。

1. 講演内容

ECBの超緩和的な金融政策は成功していて、効果を発揮していて、ユーロ圏経済の回復は根付きつつあるとの考えを示しました。一方で、インフレ率がECBの目標に向け、物価目標達成まで、引き続き忍耐強さが必要との見方も示しました。

ユーロ圏の産出が、潜在能力に向け増加していくにつれ、インフレ率はECBの目標に向けて収束していくと確信しているものの、自立的に収束していく動きはまだ見られていないとし、このため、大規模な金融緩和はなお正当化されると説明しました。

2.市場の反応

日本時間25日(金)の23:00からのイエレンFRB議長講演では、米利上げペースや金融緩和の引き締めを示唆するような言及がなく、年内米追加利上げ観測が後退し、市場は米長期金利が低下、ドル安で反応しました。ドル円が109台後半から109.11まで下振れ、ユーロドルが1.17台後半から4日以来の高値1.1884まで上昇しました。

その後、日本時間26日(土)の早朝4:00からのドラギ総裁講演では、市場の一部予想に反し、ユーロ高に懸念を示さなかったことを受け、NY終盤ユーロドルは約2年ぶり高値水準 1.1940と、2015年1月6日以来の高値水準を付けました。先のECB理事会議事要旨で、過度のユーロ高への懸念が浮上したので、ドラギ総裁のユーロ高けん制発言が予想されていました。市場で期待されていたテーパリング計画を示唆しかなったものの、ユーロ高けん制もなく、引き続きテーパリング観測を受けたユーロ買いが継続しています。

3.今後、相場はどうなる?

先週末のジャクソンホールでは、ドラギ総裁の講演で、市場が期待していた「テーパリング計画」への言及がなかったものの、市場が恐れていた「ユーロ高けん制発言」もありませんでした。

市場は、なので引き続き、ECBによるテーパリング観測を背景に、ユーロ買いが継続すると想定します。

テクニカルには、7月下旬からの1.17〜1.18台でのもみ合い相場の後、先週末の25日に、前回高値8月2日の1.1910を上抜け、しかも1.1923という高値で引けています。これは、7月下旬からのもみ合い相場を、上に放れたと見るべきでしょう。 

その場合の上値目途は、2014年高値からの下落後の1.00〜1.10台のレンジに入る前の高値圏にまで戻ってしまうのですから、

2015年高値の1月2日高値の1.2107

その上は、

2014年5月8日高値の1.3993から2017年年初来安値1月3日安値の1.0339までの下げの、

50.0%上値戻しの、1.2167
61.8%上値戻しの、1.2598

そして、

2014年5月8日高値の1.3993となります。

ジャクソンホールでのイエレン議長の講演はどうだった?(8/27 9:30)

米ワイオミング州、ジャクソンホールで昨日始まった米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでの、イエレン議長の講演は、日本時間25日(金)の23:00から行われました。

1.講演内容

イエレン議長は、

「金融規制緩和に関して、緩やかにすべき」
「経済がFRBの2つの責務で、目標達成に向けて著しく進展した」
「物価安定に向けて進展している」
「最大雇用に向けて、著しく前進した」

との見解を示したものの、金融政策については、米利上げペースや金融緩和の巻き戻しを示唆する内容はなく、金融政策への直接的な言及はありませんでした。

2.市場の反応

ドル円は失速。一時前日比100ドル超上昇のNYダウの上昇に伴う買いが先行し、一時109.84まで上伸するも、イエレン議長の講演原稿の内容が伝わると下げに転じ、24時過ぎに一時109.11と昨日安値を付けて109.31で引けました。

タカ派的な発言を期待していた向きからの失望売りが出た格好で、米長期金利の低下とともにドルが全面安になりました。

米10年物国債利回りは低下に転じ、前日比0.03%低い2.16%前後まで低下。

市場ではイエレン議長が金融政策に関して、コメントはしないとの見方が大勢でしたが、一部には米利上げ見通し、バランスシート縮小を巡り何らかの示唆の可能性があるとして注目されていました。ですがイエレン議長が講演で金融政策に言及しなかったことから、年内追加米利上げ観測は後退し、CMEのフェドウォッチによると、年内12月の追加利上げの可能性は一時32.5%へと下げましたが引けは39.9%。それでも1か月前の47.4%の織り込みからすると後退しています。

因みに、NYダウは3営業日ぶりに反発、前日比30ドル超高の21813.67ドル、NASDAQ指数は3日続落し、同5ポイント超安の6265.64ポイントと、まちまちで引けました。

3.今後、相場はどうなる?

先週末25日のレンジは109.10〜109.84とやや広めでしたが、上値の目途である横ばい推移の日足転換線109.77を上抜いての引けには至らず109.31で引けている事から、強気サイクルに入ったとは言えません。

下値は目途を8月18日安値の108.59と見ていましたが、ここを下抜けてもいません。ですので現状は108.59〜109.77のレンジの中と見るべきです。

上値はとにかく横ばい推移の日足転換線109.77を上抜いての引けにならなければ方向感は出ません。上抜けた場合は「中心値111.50」を回復できるかどうかです。

下値は18日安値の108.59、4月17日安値の108.12、そして節目の108.00です。この支持水準をして抜けない内は弱気サイクルに入ったとは言えません。

ただ、この価格帯を下抜けると、中程度の下げを予期すべきで、一気に105〜106、場合によっては100.00の方向への下落も考えられます。ただ、実需としての買いも108以下、特に105近辺では厚いので、一旦は止まるとは思うのですが、それも他のマーケット、つまり米国株、米10年債利回り等の動向次第でもあり、要注意です。

ポイントは、引続き「政治」「経済」「地政学リスク」の3すくみのまま、大荒れの9月に突入という事です。

特に注意すべきは、「9月の3つのリスク」です。

(1)9月29日が期限の米連邦債務上限問題、米国債がデフォルトの可能性
(2)9月30日が期限の米2018年度歳出法案、米国政府が閉鎖の可能性
(3)この2018年度歳出法案の前に、税制改革法案を通す必要があり

これらの急務を、夏季休暇明け9月4日の米レイバーデ−翌日から審議入りとなる米議会の動向に注意です。

見方としては、「安定の米経済」に対して、「不安定な米政治」の構図です。

これが綱引きをしながらドル売りとドル買いが交互にやってきている状況です。

ジャクソンホールでの講演待ち(8/25 8:22)

米ワイオミング州、ジャクソンホールで昨日始まった米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムでの、イエレン議長やトラギ総裁の講演に、市場・投資家の注目が集まっています。

先進国の各中央銀行は、経済活動が回復する中、長期化する「低インフレ率」への対応に苦慮している中、各国中央銀行の総裁がジャクソンホールの講演で、明確な金融政策の大幅な変更を示す可能性は少ないと想定します。

例えばFRBは、緩和策を縮小する軌道にあるものの速やかな実施には警戒姿勢を維持すると見るからです。

イエレン議長は予てより、米労働市場の拡大は継続していて、FRBの目標である最大雇用に近づいている、インフレ率も2%というFRBの目標達成に向けて改善中でとの見解を示していて、基本的なシナリオは年あと一回の利上げであると確認すると同時に、先の7月FOMCの議事録でも示されたように、低インフレ率の長期化への懸念を表明すると想定します。その意味ではドルの上値は限定的となるでしょう。

そんな中昨日、2人の連銀総裁が追加利上げに関して異なる見方を示したことで、市場・投資家はイエレン議長の講演待ちで様子見地合いを強めました。ダラス連銀のカプラン総裁は、年内の利上げには「辛抱強くなるべきだ」と慎重な姿勢を繰り返した一方で、タカ派として知られるカンザスシティー連銀のジョージ総裁は依然、「年内の利上げが正当化される」との持論を繰り返し強調しました。

ここでイエレン議長が、今回の議題「金融の安定」のように、「インフレ率は上昇基調にある」との見方を強調する場合には、ここ暫くのドル下落が下げ止まると想定します。

また市場・投資家は、ECBが近く資産買い入れ規模縮小に着手するのかに関して、少しでも何がしかの手掛かりを得ようと注目してます。 ただドラギ総裁は、政策について新たなメッセージは発しないとの見方が強いのも事実です。

さらにドラギ総裁が、最近のユーロ高をけん制するとの観測が浮上しているものの、ドラギ総裁の講演は、これまで発信してきたメッセージから外れる内容にはならないだろうと想定します。

特に市場・投資家の注目度が高いドラギ総裁の講演、

(1) 現在足元での堅調なユーロ圏経済指標が強調される可能性は高いと想定します
(2) 同時に2018年の緩和策縮小の計画を発表する可能性もあります
(3)同時に、前回の理事会の議事要旨で指摘されたように、インフレ率が目標に向けて改善しているという確かな証拠に欠け、何人かの委員が示したように、ユーロの過剰な上昇に懸念を表明する可能性も有りです

このため、ECBも緩和策を縮小する軌道にあるものの、性急な実施にはならないだろうと考えます。市場・投資家は、ECBのテーパリングを見越したユーロ買いを進め、強めているので、結果次第では失望売りから、ユーロが大きく下げやすいという事に要警戒です。

イエレン議長の講演は、日本時間25日(金)の23:00からです。ドラギ総裁の講演は、日本時間26日(土)の早朝4:00からです。

9月の3つのリスク(8/24 9:40)

「9月の3つのリスク」とは、

(1)9月29日が期限の連邦債務上限問題、米国債がデフォルトの可能性
(2)9月30日が期限の2018年度歳出法案、米国政府が閉鎖の可能性
(3)この2018年度歳出法案の前に、税制改革法案を通す必要

この3つの急務の事を言います。

この内の(1)が昨日早くも市場で問題になっています。

トランプ大統領が、メキシコ国境の壁建設予算確保のため、政府閉鎖も辞さない構えをみせたからです。

フィッチ・レーティングスは、米連邦債務上限が適時に引き上げられなければ、米国 の「AAA」格付けを見直す可能性を示し、マイナス方向の評価を行う可能性も示唆しました。

これに付き、ライアン下院議長は「政府機関の閉鎖は不要で、議員も望んでいない」と述べ、マコネル共和党上院院内総務は「米デフォルト回避へトランプ大統領と協力している」と述べましたが、トランプ大統領の発言で不透明感が強まっています。

この米政権に対する警戒感が嫌気され、

・米国株式は下落
・NYダウは、前日比87.80ドル超安の21812.09
・NASDAQ指数も、前日比19ポイント超安の6278.41

この米国株の軟調地合いから、

・米国債利回りは低下
・米10年債利回りは2.21%から2.16%

トランプ大統領が、メキシコの壁発言の他に、北米自由貿易協定(NAFTA)破棄の可能性に言及した事を受けて、リスク・オフのムードが広がり、ドルは下落しています。

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安定する米経済と、不安定な米政治の狭間で、コーン氏次第(8/23 10:10)

24〜26日イエレン議長講演、注目ポイントは?

足元の米国経済は底固いと見ています、米金利は低下し、ドル安も追い風に働いていて、少なくとも大きく減速する懸念は無いと、市場も想定しています。

そんな中で24〜26日のジャクソンホールでの、イエレン議長の講演に注目です。

先週17日に公表された7月FOMCの議事要旨によれば、FRBの懸念はインフレ率が上昇してこない事であり、米利上げはあくまで慎重なペースであるべきとの姿勢が示されました。

とはいえ、足元のドル安は間違いなく米輸入物価を押し上げ、完全雇用と見られている米労働市場では、早晩賃金は上昇してくると想定され、いずれインフレ率はFRBの目標値2%を達成してくるでしょう。

例えば、FOMCナンバー3のダドリーNY連銀総裁は先週も、9月のFRBによるバランスシート縮小計画の発表は有り、年内にもう1回の利上げも有りと、持論を繰り返しています。

なので、もし今回ジャクソンホールでの講演で、イエレン議長が「低インフレ率への懸念」や「米利上げへの慎重姿勢」を強調したとしても、米国経済は安定している事には間違いなく、その意味で瞬間の反応はドル売りでも最終的にはドルは買いです。

そのイエレン議長の任期は来年2018年1月末です。その後任人事でイエレン議長の続投以外で最有力候補とされていたのがコーンNEC(国家経済会議)委員長です。ですが先日のバノン更迭で、コーンFRB議長説は無くなったと見るべきでしょう。なぜならば、コーン委員長をトランプ政権から追い出そうとして、バノン氏が政治サイトに流したのがコーンFRB議長説とされているからです。その2人の対立にトランプ大統領は、先日バノン氏を更迭しホワイトハウス内部の対立抗争を収めたからです。

不安定な状況な状況が続く米国政治

と言うように、トランプ大統領の元、政権人事は定まらず、しかも議会との不協和音から法案が成立できない日々が続いています。米国政治は極めて不安定な状況が続いていて、先行きも不透明です。その意味ではドルは売りです。

懸案であったオバマケア代替法案につまずき、「9月の3つのリスク」に解決の目途はたっていません。

トランプ・リスク、朝鮮半島情勢の地政学リスク、ロシアゲートへの見通しは依然不透明な中、引続き混乱し、迷走を続けるトランプ大統領のホワイトハウスが今後、「安定している米経済」に悪影響を及ぼし、「不安定な米政治」が「安定している米経済」を駆逐してしまうのかに注目です。

1月の大統領就任時の47%から35%まで下げている支持率、今回のバノン氏更迭でトランプ大統領を最後まで支持してきたコアな白人労働者層の支持離れが懸念され、35%を底抜けていくようだとトランプ政策は維持不可能になってくるかもしれません。

一方で、バノン氏が政権を離れた事で、今までの過度の過激な政策、例えば保護主義貿易政策、米議会との関係が穏健化する事で、各問題が解決に向かい、今までになかった支持層が増加してくるかも知れません。バノン氏を更迭に追い込んだコーンNEC委員長が、バノン氏に代わってどうトランプ政権を仕切って行くのかにすべてがかかっている様に思えます。

8月21日からの相場見通し(8/20 10:10)

ドルの目線で見た場合には、注目は24~26日のジャクソンホールでのイエレン議長の講演。

9月のFOMCでバランスシートの縮小開始時期を決定し表明されると、市場は織り込んでいますが、インフレへの懸念から追加利上げについては見方が分かれているので、イエレン議長から早期の米追加利上げを示唆する発言があればドル買い。

ただし、インフレ鈍化を理由に、バランスシート正常化プログラム開始を、10月のFOMC以降に先送りする可能性を示唆した場合はドル売り。

一方、トランプ政権の政策運営に対する不透明感と市場の懸念が強まっている中で、先週末金曜日のバノン主席戦略官の解任で、トランプ政権の混乱が鎮静化するか否かも不透明であり、トランプ政権の経済政策遂行能力への懐疑的な見方を払しょくするには至らないでしょうから、ドルの上値は足元の地合いでは限定的と見るべきでしょう。

特に注意すべきは、9月の3つのリスクです。

(1)9月29日が期限の米連邦債務上限問題、米国債がデフォルトの可能性
(2)9月30日が期限の米2018年度歳出法案、米国政府が閉鎖の可能性
(3)この2018年度歳出法案の前に、税制改革法案を通す必要があり

これらの急務を、夏季休暇明け9月4日米レイバーデ-翌日から審議入りとなる米議会の動向に注意です。

また、ユーロの目線で見た場合にも、やはり注目は24~26日のジャクソンホールでのドラギ総裁の講演。

先週既にECBスポークスマンが、「ドラギ総裁はジャクソンホールで新たな政策メッセージを出さない」としているものの、金融政策などについての言及があればユーロが動くでしょう。9月のECB理事会で、テーパリングを表明するとの思惑は市場の一部に強いので、そうなればユーロは買いです。

また、昨今のユーロ高をけん制する発言があれば、ユーロ売りです。ECB議事要旨でも示されたように、ユーロ高はユーロ圏のディスインフレ懸念や景況感悪化につながるので、ユーロ高けん制が強まる可能性が高いと見ています。

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