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達人が教えてくれる簡単ではないけれど身に付けば一生モノのスキャルピング技術|第5回 スキャルの実践的テクニック[為替鬼]

スキャルピングのスペシャリストである為替鬼さんに、その基本から応用までをレクチャーいただいている当企画。前回の基本ルール解説に引き続き、今回は実践的テクニックを詳解してもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2016年12月号の記事を転載・再編集したものです

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より踏み込んだスキャルピングテクニック

過去4回にわたり、短期トレードを始めてみようという方を対象に、私が日々実践しているスキャルピング手法について、一からご説明してきました。前回はスキャルピングの基本売買ロジックである、エントリーや決済のタイミングを中心に、エッジのある手法とは何かを解説いたしました。

そして今回の記事では、前回の基本ルールを一歩進めて、実践的なテクニックのいくつかをご紹介していきたいと思います。

<今回解説する内容>

・ボラティリティを加味したエントリーテクニック
・「米ドル/円」のボラティリティ
・インジケーターの役割

エントリータイミングの注意点

今までの記事でもご説明したように、私のスキャルピングの大半は、急騰、急落時などのプライスが行き過ぎた場面で、その戻りを狙って逆張りでエントリーする手法です。

値動きの行き過ぎを判断するためには、1分足チャートにエンベロープというインジケーターを表示します。これは、現在のプライスが移動平均線からどれだけ離れているかを数値化したテクニカル指標で、「移動平均に対する価格の乖離は、近い将来修正される」というアイデアに基づき、移動平均線からの離れ具合で「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」を判断します。

具体的には、エンベロープの上下のラインのいずれかを、終値で明確に外側へ抜けた場合をプライスが行き過ぎたものと判断し、リバウンドを狙って逆張りで仕掛けるのです。

画像①は、真ん中の移動平均線(赤ライン)から一定割合の乖離を表す、エンベロープ(青ライン)を表示しています。今までこの手法で何万回もスキャルピングをして感じたことですが、この例のように、いつもエンベロープのラインに到達したポイント(紫丸)で、すぐに値動きが反転するとは限りません。

実際には値動きがエンベロープを外抜けてもすぐには内側には戻らず、そのライン上をズルズルとバンドウォークすることがあります。このような現象はトレンドが出やすい時間帯に多く、欧州勢が相場に参入してくる午後4時以降は、エントリータイミングを慎重に見極める必要があります。

具体的には画像②で示したように、値動きがエンベロープを最初に外側へ抜け出たローソク足Aではなく、2度目のBか3度目のCの終値、あるいは値動きが特に激しいときは4度目のDや5度目のEでエントリーするのが良いという印象です。

私は値動きが反転するまでに、エンベロープを何回外側へ抜けるかを、時間帯別にデータ収集してきました。その結果分かったことは、トレンドが出やすい時間帯にAやBのタイミングで仕掛けると、苦戦する可能性が高いということです。

したがって、トレンドが出やすい時間帯のエントリーは、Cのタイミングまで待って、引き付けてエントリーした方が良いと感じます。ただし、毎回Cのタイミングでエントリーしようと待っていると、AやBの時点で反転を開始し、機会損失することも多いので、時間帯に加えてその時々の値動きの勢いを注視する必要があります。

エントリーを見送った方が良いケース

一方、エントリーをしない方が良い局面というのもあります。例えば、為替相場に強いトレンドが出ているときや、相場が大荒れで値動きが乱高下しているときには、大負けする可能性があります。したがって、このような相場状況の場合には、逆張りスキャルピングでエントリーするのは得策ではありません。

トレンドの発生や相場の乱高下の見極めに、私は値動きのボラティリティ(変動率)を重視しています。トレンドが出ている場合や、相場が乱高下している際というのは、通常よりもボラティリティが高い場合が多いからです。

具体的には、「米ドル/円」の場合、直近の1時間の高値と安値の値幅(ボラティリティ)が、30pips以上の場合は、エントリーを見合わせた方が良いでしょう。

平均的な「米ドル/円」の1時間のボラティリティは、大半が20pips以下ですが、一日に何回かは1時間に30pips以上動くときがあります。このようなときに通常ルールで逆張りで仕掛けると、大半がロスカットに終わります。

画像③のチャート(「米ドル/円」1分足)では、チャート下部にある赤いラインが直近1時間のボラティリティを表しています。黄色い横ラインが30pipsを表し、赤ラインが黄色ラインを上回っている星印以降の時間帯が、ボラティリティが30pipsの基準を超えている「注意ゾーン」となります。

チャートでも分かるように、ボラティリティが基準値を超えると、値動きがエンベロープを外抜けても簡単には戻らず下落を続け、この場面での逆張りエントリーは勝つのが難しいと分かります。

だからといって、30pipsの基準を超えているときには順張り方向に仕掛ければ良いかというと、そう単純なものではありません。1時間に30pips以上動く局面というのは、ノイズで乱高下することが多いので、たとえ順張りで入っても、切らされることが多い印象です。

以上のことを考慮すると、「米ドル/円」で直近の1時間のボラティリティが、30pipsを超えているような場合には、無理してエントリーをしない方が良いでしょう。

インジケーターに頼り過ぎずに値動きの癖をつかむ

私は上述の通り、チャート上にエンベロープというインジケーターを表示してトレードしていますが、これを未来の値動きを予想する万能ツールと考えると、為替相場で痛い目に遭います。

なぜならエンベロープに限らず、インジケーターのほとんどは、過去の一定期間のレートを基に、計算によって算出されるものに過ぎないからです。その意味では、インジケーターとは過去から現在までの相場の状況を反映したもので、それ以上でもそれ以下でもありません。

だからこそ、相場の状況に応じて、エントリータイミングを少し遅らせてみたり、エントリーを見逃したりして、リアルタイムの相場の動きに対応するべく、日々、工夫しているのです。

また、例えばエンベロープで買いエントリーの基準を満たしたとしても、そのすぐ下に目立った安値がある場合には、しばらく様子を見ることにしています。なぜなら、このようなケースでは直近の安値を割ろうとする圧力が強まり、実際に安値をブレイクするとしばらく上昇が望めないからです。

加えて、注目度の高い経済指標発表の直前にエントリーシグナルが発生しても、指標発表後はインジケーターとは全く無関係の値動きとなるので、その売買シグナルにエッジはありません。

上記以外にも、相場の時間帯別のボラティリティも、私にとって極めて重要な情報です。例えば今の時間帯には1時間に何pipsくらい動く可能性があるのか、この時間帯はレンジ相場になりやすいのか、それともトレンドが発生しやすいのか。

このようなさまざまな局面における値動きの癖、言い換えれば特徴的な値動きパターンを把握しておくことは、私のスキャルピングには不可欠です。インジケーターが出す売買シグナルを参考にしつつも、それだけに頼ることなく、さまざまな情報を基に相場を総合的に判断することで、初めて為替の値動きを的確に読むことができると感じています。

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プライスアクションと直感的なトレード

前項で述べた値動きの癖を利用してトレードすることを、プライスアクション・トレードと呼ぶことがあります。複雑なテクニカル指標に依存せず、相場のリアルな値動きだけで判断していく売買手法ですが、初心者がやりがちな闇雲な直感トレードとは大きく異なります。

膨大な数の短期トレードを繰り返すと、「チャートやローソク足がこうなると、次にこうなることが多い」という感覚が、自然と身についてくるのです。

例えば、上昇トレンドが発生していると推測されるときに、移動平均線まで価格が下がってきたとします。これを絶好の押し目と判断してロングで入るか、逆に上昇トレンドが終わった兆候と判断してショートで入るか。こういった局面での判断には、インジケーターの類はほとんど参考にならず、ローソク足の実体やヒゲの長さ、値動きの勢い、直近の高値や安値の位置などが鍵となります。

そして短期トレードの上手な人というのは、しっかりとした売買ルールを土台としながらも、その時々の相場の状況を感じ取り、値動きに対する極めて感覚的な判断力が優れているように感じます。だからこそ、たくさんの人に同じ売買ロジックを教えても、それぞれのトレーダーによってパフォーマンスが大きく異なるのは、結局のところ、この直感的な値動きに対する対応力の優劣ではないでしょうか。

スキャルピングをマスターするにはいくつかの段階を踏む必要がありますが、最初に基本売買ロジックをしっかりマスターすること。そしてその次には、少しずつ実践的なテクニックを磨いていき、最終的には直感的な対応力を身に付けていくことになります。

次回の記事ではスキャルピング手法解説の総仕上げとして、プライスアクション・トレードとはどのようなものなのか、紹介していきたいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2016年12月号の記事を転載・再編集したものです

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