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FX特集

イギリス総選挙2017はメイ首相率いる与党辛勝で過半数割れ、FXへの影響は?

イギリスの総選挙が6月8日(木)に行われます。EU離脱を決めた国民投票から約1年、この選挙はFX相場にどのような影響を与えるのでしょうか。

阪谷直人によるイギリス総選挙2017 まとめ

8日投開票の英総選挙(下院、定数650)の最終結果は、メイ首相率いる与党・保守党が318議席、最大野党の労働党が262議席となり、過半数326議席を獲得した政党はありませんでした。

市場への影響は、与党・保守党が予想外の過半数割れという事態が、ハングパーラメント(絶対多数の政党のない議会)となり、EU離脱交渉に不透明感が広がり、ハードブレグジット懸念が再燃。政局不透明感も英国経済を圧迫、英中銀による利上げ観測も後退、9日だけで300pipsの下落となりましたが、今後もポンドの上値は重たくなると見るべきでしょう。

メイ英首相は、9日先ずエリザベス女王に組閣の許可を要請し、その許諾に基づいて組閣を表明、EU離脱(ブレグジット)交渉を成功に導く旨を述べ、

1.民主統一党(DUP)の協力を得て組閣する計画である事、
2.EU離脱交渉は10日以内に開始する事、
3.主要閣僚に変更はなく、ハモンド財務相、ジョンソン外相、デービスEU離脱担当相、ラッド内相、ファロン国防相はいずれも続投する事、

を明らかにしました。

市場・投資家の反応は、アジア時間に既に300bp売られていたポンドは、ホームグラウンドの海外時間に入ってからは、米株は続伸、米長期債利回りも上昇、ドル円は110.81まで上伸し、リスク・オフは加速しませんでした。
米10年債利回りは前日の2.18%台から2.20%台に上昇し、米株はハイテク株は急落するもNYダウは3日続伸、史上最高値を更新しました。
300pipsの下落で一応乗り越えたと見ますが、今後のEU離脱交渉(以下に述べますが)への懸念から、英中銀の利上げは後退、英国経済を圧迫、となれば市場・投資家からの英国への資金流入は先細る一方でしょう。

EU離脱交渉をどう見るか。
メイ英首相の発言によれば、早くは6月中に本格交渉が始まります。ただ、これまで伝わってきているEU側の要求内容が、英国にとってかなり厳しい条件で、交渉はかなりハードなものになると想定すべきでしょう。
EU側の条件とは主に、「(1)1600億ユーロとも1000億ユーロとも言われる離脱清算金問題の解決」と「英国に住むEU市民、EU圏に暮らす英国民の権利や地位の保護」の2つです。

(1)の清算金に関しては、英国の会計士協会の試算では、EU当局の言う金額の10分の1~4分の1との試算で、かなり金額に差があり、早期に交渉で決着する金額なのかどうか、市場は懸念しています。
(2)の条件に関しては、英国のEU離脱の元々の理由が移民制限問題であったことから、 これらの人の動きに関する条件・交渉はまず難航するでしょう。

ポイントは、EU側は、英国との交渉に関して、上の2つの問題の解決が先ずありきとしている事です。つまり英国が大きく譲歩しない限り、英国が望む形での自由貿易協定(FTA)交渉は始まらないのです。
メイ英首相は、このEU相手の難しい交渉に加えて、英国内の議会との交渉という内政の政治問題も背負う事になった訳です。
このような状況を、市場・投資家が楽観する訳がなく、どう見ても英国とポンドの先行きは相当に難しいものがあると想定します。

阪谷直人氏「与党は過半数を割り込み、ポンド下落も本当のトレンド判断はこれから」6月9日 17:30

8日投票の英国議会下院総選挙の結果が出ました。

英国BBCによれば定数650議席に対して、

●メイ英首相率いる与党・保守党:313議席(改選前330)

●最大野党・労働党は:260議席(改選前229)

●EU残留派の自由民主党:12議席(改選前9)

●野党・スコットランド民族党:35議席(改選前54)

●グリーン:1議席(改選前1)

●ウェールズ党:4議席(改選前3)

●民主統一党:10議席(改選前8)

●シン・フェイン党:7議席(改選前4)

という結果でした。

メイ英首相率いる与党・保守党は

(1)第1党は維持

(2)しかし議席を17議席も落とす

安定政権運営に必要な過半数326議席を割り込んでしまいました。

今後のEU離脱交渉を有利に運ぼうと、「EU離脱の信を問う」と掲げ、圧倒的な勝利を予想して今回解散・総選挙としたメイ英首相にとって、全くの予想外の展開のはずです。

正直なところ、保守党内から責任問題との声も上がっていて今後の政局が不透明になってしまいました。

取敢えずBBCの伝えたところでは、「メイ首相はきょう辞任を表明する意向はない」としていますが、明日、またその後の動向は不透明です。

ポイントは、英国政府はもう既に今年3月末にEUに対してEUからの離脱を通告済で、交渉期間の2年というタイムリミットは待ってくれないのです。

誰が首相で、どの党がリーダーシップを取ろうと、誰かが交渉を始め進めてゆかねばならないのです。

予想としては、どの党も過半数を獲得できなかったので、新政権発足に向け、各党間での連立を組もうという動きが活発化するでしょう。英国の場合、首相に任命されるのは第1党の党首ではなく、新国会で行われる英国女王陛下の演説の後に行われる採決で、過半数を得る人が信任されます。

なのでまずは女王陛下の演説での支持を得るための過半数を確保しなければならないのです。
選挙後の新議会の招集日、女王陛下の演説日、等の日程に要注意です。各党間での連立協議がうまくゆかない場合には、再選挙という可能性も出てきます。

市場では、ポンドドルが英選挙の影響で東京時間に乱高下した後、本日安値1.2635手前の1.2695前後、ポンド円は本日安値139.54手前の139.85前後と上値が重い展開です。

いずれにせよポンドのホームグラウンドである欧州時間を経てみないと、本当のトレンドは見えてきません。

最後に、一部英国報道によれば、本日9日現地時間午前10時(日本時間9日午後6時)にメイ英首相が声明を出すとの事です。

ポンド円 1時間足(17:44)

ポンドドル 1時間足(17:44)

阪谷直人氏「首相交代? ポンド円、ポンドドルは大幅下落」6月9日 7:30

「EU離脱、ブレグジットを行うリーダーは誰か」

と問い、前倒しにした今回の下院の総選挙はメイ英首相の思惑に反して今のところBBCによれば

・与党・保守党が314議席
・野党・労働党が266議席

と予想されていて、650総議席中、過半数326議席は難しそうです。

つまり、メイ英首相率いる与党・保守党は、

(1)第1党ではあるものの
(2)議会議席の過半数を割り込む

展開となりそうで、そうなればブレグジットの交渉どころではなくなります。
英国政治は暗礁に乗り上げ英国経済は混乱、混迷化してしまします。

今後予想されるシナリオは、

(1)与党・保守党が他の党と連立政権を組む
ただ、依然連立を組んでいた自由民主党は今回
連立を組むことに否定的で、他の野党を説得しないといけません

(2)過半数割れのままで

(3)コービン氏の労働党そのものと連立を組む
ただこの場言、労働党が主導権を取るのではと懸念されています

の3つです。

その結果起こるであろう事は、

(1)今回の選挙の不首尾の責任を取る形でメイ党首の交代

それでも議会運営が混迷するならば、

(2)総選挙のやり直しへと展開し英国首相の交代

と予想されます

いずれにせよ「大変なことになった」「英国は政治・経済が混乱」と市場には受け止められ、ポンドドルは、1.2953から1.2714へ、ポンド円は、142.50水準から139.60水準へ急落しています。

ポンド円 1時間足(7:30)

ポンドドル 1時間足(7:30)

阪谷直人氏「出口調査では保守党苦戦で過半数割れか」6月9日 7:00

東京時間6時を過ぎ、英国総選挙の投票が締め切られBBCによる出口調査が発表されました。

「与党・保守党は314議席を獲得する見通し」です。

大変な展開になっています!

保守党は第1党にはなるとはみられてはいるものの、650議席中、選挙前の現有過半数から議席を減らす結果となりました。
この意味は、これからブレグジットの交渉を始めるにあたり、絶対的な安定政権を目指したのですが、メイシ首相はその信任を得られなかったという事でしょう。

これを受けて今後考えられる事は、ブレグジットの交渉は間違いなく難航します。
今回の選挙結果の責任を問われ、メイ英首相の保守党党首交代もあり得ます。
結果、保守党の内部、英国議会、英国政治、これらは不安定化し、英国経済へ良い影響を与えるとは思えません。

保守党の地盤の強い地域の開票はまだなので今後の開票結果に引き続き要注目です。

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阪谷直人氏「メイ首相率いる保守党が過半数を確保できるか」6月8日 15:00

市場では、本日8日に実施される英国総選挙に注目が集まっています。
この後、日本時間の16:00から投票開始となり、日本時間で9日の朝6:00に投票が締め切られ、その直後から選挙速報としてヘッドラインニュースに注目です。
明日のNY引け後の薄い時間帯には要注意です。

メイ英首相率いる与党・保守党の勝利は先ず間違いないでしょう。
ポイントは、その与党・保守党が過半数議席を維持できるかどうかです。
何故ならば、与党・保守党が過半数議席を維持出来れば、メイ英首相がリーダーシップを発揮して、英国のEU離脱(ブレグジット)の交渉がスムーズに進められると想定され
市場はその展開を好感するでしょう。

一方で、メイ英首相のブレグジット交渉は、移民問題に関して、譲歩する余地がないという意味で、市場ではハード・ブレグジットになるとの見方もあります。

ただ、ブレグジットの交渉は、与党・保守党が行おうと、野党・労働党が行おうと極めて難航するであろうと想定されるので、どちらが勝ったとしてもポンド、ユーロの上値は重たくなると予測します。

因みに、最新の世論調査ではメイ首相率いる与党・保守党の、野党・労働党に対するリードが7%ポイントに拡大しました。

保守党の支持率は42%と、3日時点からは変わらずです。一方、労働党の支持率は3ポイント低下し、35%となりました。
保守党が議席数を上積みして過半数を維持するとの見方も浮上していて、投票結果を見るまで、予断を許さない状況です。

イギリス総選挙のポイント

 

1.選挙の日程

 

6月8日(木)16時 投票開始
6月9日(金)6時 投票終了 即日開票
6月9日(金)お昼〜午後 選挙結果が確定
※すべて日本時間

金曜日の午後から夕方までには、体勢が決するはずです。

2.主な政党

 

【保守党】テリーザ・メイ氏(首相)60歳

【労働党】ジェレミー・コービン氏 68歳

【スコットランド民族党】ニコラ・スタージョン氏 46歳

【自由民主党】ティム・ファロン氏 47歳

【イギリス独立党】ポール・ナットル氏 40歳

3.主な争点

 

3-1.EU離脱に対するスタンス

 

■ハード・ブレグジット(強硬姿勢) → 与党の方針

・EUの単一市場に参加できるメリットを捨てることを辞さない

■ソフト・ブレグジット(穏健姿勢) → 主な野党の方針

・EUの単一市場にアクセスできることを優先

3-2.移民に対するスタンス

 

■移民を制限 → 与党の方針

・移民増加を年間で100万人以下に抑える

■移民に寛容 → 主な野党の方針

・移民受け入れ上限なし

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