元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第4回 チャートの未来空間を活かそう![浅野敏郎]

為替ブローカー出身の浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる当企画。今回は、ダマシに遭わないための、相場との向き合い方についてレクチャーしてもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望

ダマシを避けるには

ここまでの3回で、大枠の相場観(方向感)と、取引の開始タイミングとしてもみ合いを放れるポイントが大切であることをお伝えして参りました。ならばもみ合い放れのタイミングだけに集中すれば良いのではないか、というご意見も聞こえそうですが、それでは売買タイミングだけを取り上げている昨今のチャート分析と同じになってしまう上に、その後の対応ができていないため、結局はダマシという相場のアヤに捕まりやすくなります。ダマシに極力遭わないためには、もう少し先を見据えたプランを策定する必要がありそうです。

私のプラン作りは非常にオーソドック

私は必ず将来の空間も活用することにしていて、チャートの現行足は右端に置きません。そうすれば、我々にとって最も重要な将来の値動きに対して、明確なチェックポイントを作ることができ、それを一種の予想として応用できるからです。

将来の空間を活用する最も初歩的な手法として、過去の相場に刻まれた重要な高値や安値をそのまま将来へ引き延ばす分析方法があり、こうした高値や安値は半永久的に相場に影響を与えるという考えに基づいています。

上にあるチャート①は、1993年5月以降のドル円月足です。ご覧のように大きなもみ合いが継続しているように見えます。一つずつの波動値幅が大きいため、各波動を一つのトレンドとして把握することはできますが、いずれにしても、こうした上下を繰り返してつけてきた過去の高値や安値は、将来的にも注目に値することが分かります。

例えば1999年末につけた101円台前半の安値Cは、6年後の2005年末安値Eをサポートし、さらにはCから14、5年が経過した2013年と2014年には、アベノミクスによる強い上昇の大相場G〜Hでさえも、一旦は中段でもみ合った水準を演出していることが分かります。

一番近いところでは2015年から2016年にかけての反落相場H〜Iでも、底値もみ合いの中心になり、結局サポートになりました。

このように、ざっくりした過去の重要な高値や安値を知る手段として、私はフィルターが効いている月足をよく使います。もちろんこれだけでは、売買の直接的な手掛かりとしてはあまりに大雑把で、行動に移す根拠としては不十分ですが、今後もし下落が強まってC〜E水準の101円台に迫ったとしても、底値叩きに陥る可能性があるこの水準を、積極的に売り込むことはせずに済むでしょう。

もちろん、そのまま一気に下抜ける可能性もありますから、反発を前提に押し目買いを入れるのは危険ですが、少なくともいったんはもみ合う可能性をあらかじめ想定でき、そこから売買タイミングをうかがうことは十分に可能です。そしてもし、全くもみ合わずに陰線1本で通過するようならそれこそ、もう一段下げを想定する根拠にも十分なり得るわけです。

111円前後で推移している現在、期間高値Bや期間安値Gは取引の参考に全くなりませんが、だから無意味なのではなく、単に水準が遠すぎる上に、その間にも多くのチャートポイントが存在しているため、それらを通過しない限りは、いま取り合う必要がないだけなのです。こうした過去の重要な高値・安値は、時間が経過しても変動しません。したがって、備忘録のように数値だけでも記録しておけば、いずれ救われる局面が必ず来るでしょう。

短期売買は一長一短

昨今の相場取引は、短期売買がすっかり主流になりました。もちろん、短期売買を否定しませんし、実績が上がるなら、それはそれで一つの方法です。ただ、5分足を200本表示させても日足の1本にも満たない時間枠の中で、たとえその期間の高値や安値をチェックしたところで、重要性はどれも低く、本当に重要な高値や安値を知る機会がないままの売買には、やはり違和感は隠せません。

つまり、短い期間だけの高値安値は、容易に突破されやすい反面で、狭い値幅で数時間もみ合うだけでは、その先の値幅も期待薄なのです。それにもかかわらず、元に戻ってしまい「ダマシ」として処理する傾向には、やはり納得がいきません。

一方で、まれに大きく動くこともありますが、それは例えば日足での重要な水準と重なっていた可能性が高く、この事実さえ把握していれば、伸びるブレイクと伸びないブレイクとの違いを予想することも十分可能でしょう。

チャートによっては、引いたラインが足の時間を変えても表示されるものもありますので、備忘録的に活用されても効果は十分あると思います。

※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望

浅野敏郎の写真

浅野敏郎(あさの・としろう)

東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。

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