元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第10回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析③[浅野敏郎]

浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。

※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①
第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②

高値⑥を更新したのでトレンドラインを修正

前回記事「元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②[浅野敏郎]」より

先月号の段階で、ドル円相場の焦点は「⑥の高値を越えるかどうか?」ということでした。結果的にはその後⑥を僅かに越えたものの、日足で1本それも上ヒゲで達成しただけにとどまり、以降は現在まで一貫して下落圧力がかかる展開です。2017年は、高値Jをつけた後の2番天井から始まりましたが、この分ですと結局ドル円は108.00〜114.00をコア・レンジとした、長期間のもみ合いで本年の幕を閉じそうですね。

先月号で⑥の高値を更新しても追随せず、地道に押し目を拾いたいとしたプランは、想定通りだったのは不幸中の幸いでしたが、下押しが深目に入り、若干の修正を余儀なくされました。目先の相場観を考えるのに重要なポイントは、依然としてH−Imid(112.40)とI−Jmid(108.95)の価格水準で、現在の111円台中盤の水準はその間に位置していますが、今月はまず週足で各ポイントを確認したいと思います。

こちらが今回の記事のチャート①です

その前に、前月のチャートからトレンドラインなど修正点がいくつかありますのでチャート①をご覧ください。まず9月上旬に更新した安値をこれまで⑦としてきましたが、先月に直近高値⑥を更新したことでJ以降の下落を目先は否定できたことから、この下落波動の安値として⑦をKとしました。これを受けて、ここまで暫定的なサポートラインとして破線で引いていたI−⑦trendlineを実線のI−K trendlineとしています。

また、先月更新した高値は⑧とせずK以降初めての高値として①(青)とし、J−⑥のtrendlineをJ−①(青)として引き直したところ、このレジスタンスラインを後ろへ延長してみると実は高値Hから引けていたレジスタンスラインだったことが分かりました。逆にいえば、H−J trendlineを引けていれば①(青)の限界をあらかじめ示唆できていたことになり、残念です。したがって、これまで破線で引いていたJ−⑥のトレンドラインは今回から消滅し、H−J trendlineをレジスタンスラインとします。

H・Iを起点とした三角もち合いを形成

さて、I−Jの半値水準以上でほとんどの推移を維持できており、この上昇力を残したままもみ合っているのが現状である一方、下落波動H−Iの半値水準を再び割り込んだことで、諸手を挙げて上昇期待が持てなくなった格好です。ただ、先月に④と⑥の高値水準を越えたことで、目先は安値Kからの上昇波動が判断材料として加わり、I−J以外の上昇基準ができたことは上昇目線にとって明るい材料です。

K−①(青)midはしばらくの間、基準線を見れば良く、先週の安値が111.03前後の基準線でサポートされたのは、まだK−①(青)の上昇力を維持できているからです。今月の修正で目先のトレンドラインH−JとI−Kが明確になりましたが、大きくはH−Iの下落波動に収まる三角もち合いを昨年6月安値から継続していることが分かり、なおかつそのもみ合いの水準はちょうどその半値水準だった、ということです。

また、レジスタンスラインのH−JとサポートラインのI−Kは2018年5月前後で交差し、その頂点はおおむねH−Imidの水準であることも分かり、このもち合い放れを判断すれば良さそうです。

安値Kをつけたステージでは売り戦略で失敗しましたが、次週の反発は③や⑤の安値をしっかり越えるような大幅で強い上昇だったことから、すぐにレンジ相場再開をイメージできていればK−①(青)の上昇を捉えられた可能性はありました。

実はこの波動は4月につけた安値③以降で最大の値幅がありました。これが今年最大の上昇トレンドだったというのは寂しい限りですが、見方を変えればJ以降で3度あった上昇で最大の連続性を発揮できたわけです。この上昇が否定されるまでは、最も信頼できる相場観の中心にできるでしょう。

112円台中盤で押し目買いを狙う

日足で詳細を確認した場合、先週の安値は10月中盤の安値を割り込みましたが、前出の通り週足基準線でいったんは下値を支えられ、反発の兆しを見せています。今月のプランとして、慎重に取り組む場合、日足一目均衡表の転換線は相場が急騰しない限り、すぐに好転できない状態ですから、いったんはH−Imidを最低でも上抜けするまで我慢した方が良さそうです。できればもう一度112円台中盤を押し目買いの水準とし、111円台終盤の水準をストップとするイメージです。

もし先月号で示したプランを実行せず踏みとどまることができた場合は、仕切り直しとして積極的に111円台を買い場とし、111円台を割り込んだ水準を資金力に応じてストップとするのも一手です。このままK−①(青)の半値押しで踏みとどまれば、①(青)からの下落を第二波動とした上昇の再開も想定したいところです。押し目買いの指値が成立するためには目前の相場が下落する必要があり、一時的に危険な逆張りになります。できれば下げ止まりを確認後、逆指値でつかまえる方がより安全でしょう。

※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①
第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②

浅野敏郎の写真

浅野敏郎(あさの・としろう)

東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。

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