元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方|第13回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑥[浅野敏郎]

浅野敏郎さんが、自身の経験と知識に裏打ちされた売買手法や相場観構築のノウハウを余すところなく教えてくれる本企画。今回も引き続き、直近と今後のドル円相場を読み解いてもらい、その上で最適な売買プランを提示していただきます。

※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです

【元為替ブローカーから学ぶFXの売買プランの作り方[浅野敏郎]】
第1回 イントロダクション
第2回 潜在的な相場の方向
第3回 トレンド相場でフォローすべきタイミング
第4回 チャートの未来空間を活かそう!
第5回 値幅の半値ラインに着目したチャート分析法
第6回 これまでのまとめ
第7回 直近のドル円相場展望
第8回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析①
第9回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析②
第10回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析③
第11回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析④
第12回 三波動の考え方を取り入れたドル円相場分析⑤

新たな展開に合わせ注目箇所を修正

今回はドル円相場に、久しぶりに新たな動きが確定しました。これまで、直近の安値と高値を作っていた、K以降の上昇波動をどちらかに抜けない限り、明確な方向は示されないという立場をしばらくの間続けてきました。言い換えれば、そうなるまではKからの上昇をリスペクトするしかなかったわけですが、先月号から今月号までの間に、とうとうKを割り込んでしまい、先月号で示した下落目線のプランが発動する展開となっています。

その結果、相場を説明する上で必要だった、細かい高値や安値を指す記号などが相当整理されますので、まずは今月以降の修正点を説明します。先月号のチャートと見比べると説明がより明確になるかと思います。

まず、戻り高値として目安になっていた、前号時点での青①ですが、Kを割り込んだことで戻り高値として確定しましたので今月号ではLとしました。L以降の下落波動を見ていく上でも、これまでの青②、青③(前号参照のこと)は、もはやあまり意味を成しませんが、一応橙①、橙②に変更しておきます。

また、下落波動のJ-K間にあった細かい安値も、Kを割り込んだことでJ-Kの下落を継続したことになりますから、下値側は全て無意味に。唯一越えていない上値②だけが有効ではありますが、Lを越えない限り意識は不要となるため、今月号からいったん全てクリアにいたします。

J-Kの下落幅の半値を示していたJ-Kmidも、Kを割り込んだことでJ以降の安値が更新されたため、今後はJと新安値③の半値を見ていくことにいたします。さらに、サポートとして引いていたI-Kトレンドラインも、既に割り込んでいるG2-Iトレンドラインを越えない限り意味をなさないため、いったんこちらも削除いたしました。

さっぱりした状態で今一度、直近相場を見ていくと、一番小さい3波動は、J-Kを第1波動、K-Lを第2波動として、Lからの第3波動で構成される3波動になりますので、今後はLからの3波動目の行方を見ていくことになります。一方、もう少し大きな目線からは、H-Iを第1波動、I-Jを第2波動とする、Jからの第3波動目も意識する必要が出てきたことが分かります。ただし、この場合はIを割り込まない限りは下落の3波動として確定しませんから、100円が近くなって意識すれば良いことになります。

一目均衡表の3波動の考え方

ところで、なぜ目先の相場の流れを3波動で見るかについては、一目均衡表を学んでいただければ分かります。そもそも上昇相場、下落相場の絶対的な条件としての、「高値安値を共に切り上げる相場は上昇相場、共に切り下げる相場は下落相場である」という定義に則って考えれば、その状態を最小限の波動で満たすのが3波動である、というのが理由です。交互に繰り返す2点の高値と2点の底値を順番に結べば、Nの形をした3波動になることからもお分かりいただけると思います。

そうなると、J-K-L-③の値動きは、高値切り下げ、安値切り下げとなっており、J以降は少なくとも下落相場であるという判断が成り立ち、今後もしも新安値③がIを割り込んでいくような場合は、H-I-J-③という大きな下落相場が再開することになる、というわけです。

ただここで注意が必要なのは、J以降は確かに下落相場を再開していますが、大きく見るとトランプ相場といわれるI-Jの間ではらんでいる値動きですから、現状はI-Jmidの下半分を探りに行く程度の「下落もみ合い」という把握が順当だといえそうです。

それでは最後に、売買プランの確認と今後の想定です。現在保有している107.20円のショート(ドル売り円買い)ができた直後は、そのまま一気に105.55円前後の安値を付け一時、165ポイントの含み益となりましたが、その後の買い戻しで107.90円まで上昇し、一時は70ポイントの含み損になるなど、下落相場の再開が確定した割には、あまり一方的な相場になっていません。戻り相場で107.50円を越えてきたことだけでもかなりびっくりしています。

下値目途について、前号では102円前後としてみましたが、2月16日の安値105.55円は、105円というキリが良い水準の手前であり、過去において確かにいくつかきっかけとなった水準ではあります。しかし、顕著な高値や安値にはなっていないため、いずれは試される下値という認識でいます。

高値J:118.66円、安値K:107.32円、戻り高値L:114.73円をヒントに下値目安を今一度正確に計算すると、N計算値103.39円、V計算値99.91円という数値が見えています。今から100円割れを想定するのは、さすがに早過ぎますから、下値目標は前号から少し切り上げてN計算値の103.40円としておきます。ストップ・ロスの目安も、現状の値動きでは大きくトレールする状況ではなく、例えば安値を更新した際に持ち値まで引き下げるなど、細かい調整が必要な相場というのが今後の想定です。

※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです

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浅野敏郎(あさの・としろう)

東短グループの外国為替売買仲介業者である、トウキョウ フォレックス株式会社、さらには、為替取引の世界シェア80%以上を誇るEBS社(現ICAP)等での勤務経験を持ち、1985年のプラザ合意、その後の超円高時代、バブル崩壊、2000年のユーロ統合などの歴史的相場を第一線で経験し、相場観を養う。その後、2社のFX取引会社の創業、プライベートFXファンドのディーラーも経験。現在、投資の学校グループの日刊ブログで執筆を担当。特技の映像編集を活かした分りやすい映像作品の支持者も多い。