一目均衡表入門|第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]

※この記事は、FX攻略.com2016年8月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【一目均衡表入門 連載記事】
一目均衡表入門|第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
一目均衡表入門|第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
一目均衡表入門|第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]

計算値達成の解釈と相場水準

前回は「三波動の時間関係と値段関係」について解説しました。概略すると、第一波動、第二波動と形成されたときに、第三波動に要する時間が判明。そしてその時間内に、第三波動がどの計算値を達成するか(どの値段まで続伸するか)によって、三波動を成した後の展開を読み取ろうという内容です。

E計算値は、第一波動の値幅を、もう一度続伸したときの値。N計算値は押し目から、第一波動の値幅を伸ばした値。V計算値は、押しの値幅を倍返しした値となります。

このうち、E計算値の達成は、続伸の勢いが勝っていると評価できます。そのため、第三波動あるいは三波動全体を、新たな第一波動とした三波動形成の可能性が考えられます。

N計算値は、第三波動がそれまでの影響力を逸脱するほどの力を出していないという評価。第二波動の半値を中心(相場水準)とした、もみ合いであると解釈できます。

V計算値は、押した分を倍返しした値幅の変動に終始するため、第二波動の起点を中心としたもみ合いの限界を超えていないと評価されます。

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時間関係と値段関係のおさらい

計算値とは何か?

計算値とは、第一波動や第二波動の値幅を基に、第三波動の目標となる値段を定めるという考え方です。E、N、V計算値という定型を持ち、それに照らして実際の変動がどうなるかを調べ、次の展開を読み取ろうとするのです。

計算値と相場水準について

計算値の達成は、相場の中心(相場水準)を明らかにします。特にNやV計算値では、もみ合いの中心を知ることが重要です。

値動きを想定し重要点を特定

三波動の考え方をすれば、ある期間のある値幅について、値動きの仮の姿を想定することができます。それと現実の姿を照らし、その合致あるいは相違から、次の展開を読み取ることが可能になります。

なお、チャートには多くの三波動があり、その数に応じた「変化日」(三波動の時間経過により相場の性質が変わる可能性を示唆)や、計算値も見いだせます。そのうち、重複するものは、多くの影響力を伴っているということですから、優先して考えるべきだといえます。

とはいえ、相場は一本の騰落により、優先すべき事柄が一瞬で変わるもの。そんなときは、以前の想定に固執することなく、優先事項に基づいて新たな想定をしなければなりません。とはいえ、主題から外れた事柄は、改めて重要視すべきときが訪れることもあります。日々、三波動を追いかける作業は、決して無駄にはならないのです。

「米ドル/円」日足の対等数値、計算値から分かること


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三波動や対等数値、計算値の考えから、優先すべき(主題とすべき)「根拠」を積み重ね、それらに基づいて「こう言える」という事柄を明確にするのが、一目均衡表の考え方の基本となります。優先すべき「根拠」は一本の騰落により一瞬で変わるため、相場は毎日追いかけるべきであり、決め付けてはいけません。ここでは、このチャート(上画像)から言えることを整理してお伝えします。

この相場状況から言えること①

【長期】75円安値を起点とした三波動は、2016年5月11日で時間経過。相場の性質が変わる可能性あり

75.340円(2011年10月31日)を起点とした大きな波動を考えると、105.447円(2014年1月2日)までを第一波動、そこから100.753円(2014年2月4日)までの押しを第二波動と捉えられます。それに要した期間は590日。よって、押し目から上昇する第三波動は590日の時間経過をもって三波動を成すと考えられます。大きな三波動の時間経過は、相場の性質が変わり、そこからの動きそのものに影響力が生まれる可能性を示唆。その日は2016年5月11日であることが、前もって予測できます。

なお、第三波動による計算値達成の有無を確認することで、相場の中心(相場水準)が明らかになります。このケースではNT計算値を達成し、N計算値には届かず。すなわちNTの中心となる100.753円が、大局的に見た相場水準として、今後にも影響力を及ぼすと解釈することができます。

この相場状況から言えること②

【長期】2015年6月5日を中心とした対等数値から大局的には上げが強いと解釈できる

125.848円(2015年6月5日)を中心に考えると、それ以前の安値101.067円(2014年7月10日)までが236日。一方、直近安値105.516円(2016年5月3日)までが237日といった対等数値の関係。236日かけて約25円上げたのに対して、237日かけて約20円の下げということは、大局的に上げが優勢だと解釈できます。

この相場状況から言えること③

【長期】対等数値から6月21日(22日)を「変化日」であると想定し注視すべき

125.848円(2015年6月5日)を中心にした236日(237日)の対等関係が分かりました。その次に注目されるのは、2014年7月10日安値から同年5月21日安値までさかのぼった期間=37日についてで、この対等関係を調べます。その日となるのは今年の6月21日(22日)で、ここを「変化日」と想定しながら、直近の値動きや三波動の経過を注視します。

この相場状況から言えること④

【中期】125円高値を起点とした三波動はE計算値を達成。下げの三波動につながりやすい

125.848円(2015年6月5日)を起点とした三波動は、115.927円(同8月24日)までを第一波動、そこから123.727円(同11月18日)までの戻りが第二波動で、期間は119日。さらに下落した第三波動は119日の時間内に、E計算値(106.006円)を達成。このことから、第三波動あるいは三波動全体を第一波動とした、新たな三波動につながる可能性を見て取れます。なお、123.727円(同11月18日)を起点とした三波動もE計算値(108.197円)を達成しており、先の例と同じ解釈ができます。

この相場状況から言えること⑤

【短期】現在は約108.50円を相場水準としたもみ合いであると考えられる

ここ最近の変動は、今年4月につけた約111.50円を高値、5月につけた約105.50円を下値としたもみ合いであると解釈できます。その中心(相場水準)となる約108.50円は、二つの下げの三波動で、VやE計算値として求められた水準でもあり、中心点としての影響力が強いといえます。このもみ合いは、やがて上か下へ放れていくわけですが、それが起こったときには、そのことを最優先して考えます。なお前述した変化日を想定しながら、変動を注視することが重要となります。

一目均衡表 豆知識

NT計算値

上記三種類の計算値の他に、NT計算値があります。これはAC(第一波動の起点から押しまでの値幅)を、Cからとるもの。相場の中心はCとなります。

一目均衡表の各線①

「転換線」は、過去9日間の半値を転換値として日々記入し、それをつなげた線。「基準線」は、過去26日間の半値を基準値として日々記入し、それをつなげた線。一目山人はこの二つを均衡表と指しました。

一目均衡表の各線②

「先行スパン(上限)」は、転換値と基準値の半値を26日先行させてつなげた線。「先行スパン(下限)」は、過去52日間の半値を26日先行させてつなげた線。「遅行スパン」は終値を26日過去にずらしてつなげた線。

※この記事は、FX攻略.com2016年8月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

細田哲生の写真

細田哲生(ほそだてっせい)

株式会社経済変動総研。三世一目山人。一目山人の遺志を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及することに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」にて、一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆。毎週月曜日ラジオNIKKEIマーケットプレスにて「日経平均一目均衡表から見たテクニカル分析」を放送。

公式サイト:一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研

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