一目均衡表入門|第9回 先行スパンと遅行スパン②[監修:細田哲生(三世一目山人)]

※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

【一目均衡表入門 連載記事】
第1回 一目均衡表の原点[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第2回 三波動と時間関係①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第3回 三波動と時間関係②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第4回 三波動と時間関係、値段関係から分かること[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第5回 転換線と基準線①[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第6回 転換線と基準線②[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第7回 転換線と基準線③[監修:細田哲生(三世一目山人)]
第8回 先行スパンと遅行スパン①[監修:細田哲生(三世一目山人)]

一目均衡表の著作権は株式会社経済変動総研が有し、原著の出版販売をしています。原著のご購入については一目均衡表公式ホームページをご覧ください。

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先行スパンは抵抗帯or相場水準

前回は、先行スパンと遅行スパンの作り方と、大まかな働きを解説しました。おさらいもかねて、下の二つのチャートを見てみましょう。いずれも11月4日時点における「米ドル/円」チャートで、上が日足、下が週足です。

2本の先行スパンは中勢、大勢の「抵抗帯」であり、上げ相場なら押し目、下げ相場なら戻りとして機能します。そしてこれを突破すれば、中勢または大勢的本格逆転ということになります。いずれの働きも、日足と週足チャート上で見て取れるでしょう。

あるいは、押しや戻りとして機能しないときは、相場水準(もみ合いの中心)を示します。チャート上の天井や大底、中段もみ合いにおいて、相場水準として機能しているのが分かります。 

一方の遅行スパンは、相場実線と接触した箇所が、相場水準になりやすいといえます。ここを起点とした基本数値により、もみ合いの高値や安値、同水準が現れやすく、それらの想定ができるようになります。もみ合い放れを確認するのに役立つのです。

26日ズラしてその相違を見る

一目山人は、スパンという言葉を選んだ理由として、「統計の発表でも、前月比、前年比との増減を常に云々するのは、私の言うスパンの一つであります」と述べています(※1)。26日先行させたものに対して、実際にその日になった相場が、上位にあるか、下位にあるか。その相違を読み取り、影響力を判断する、というわけです。またそればかりではなく、相場と抵抗帯が、いつごろ、どんな関係になるかという見当をつけることもできるようになります。

遅行スパンについても、今日の相場と、26日前の関係を端的に見て取ることができます。そのときの相場よりも上位にあれば上げ時代、下位にあれば下げ時代と判断できるのです。

一目山人『一目均衡表』(経済変動研究所、1975年、32頁(※1))

基本数値「26」を未来、過去にずらして考察

基本数値「26」日間における、過去と現在、現在と未来の関係を読み取る

【例題】これから何日後に、どう値動きすれば、スパンの関係がどうなるか?

各線の交わりを想定する

当日の相場実線は、先行スパン上限とほぼ同水準に位置。残り5日間でこの水準を上抜けば好転。その状態を保てるかどうかに注目。逆に、上抜けなければ抵抗帯に戻されたということに。遅行スパンは、遅くとも5日後に長いヒゲをつけた陰線に接触することがあらかじめ分かります。

準備構成とは?

① 下げの三波動が時間関係と計算値から下げ止まったと判断できたら、
② Dからのもみ合い(中間波動)において、基本数値でDを割らない状態(=底値固め)を確認し、
③ 均衡表好転によるもみ合い放れを、買いとする(第一波動をDE、第二波動をEFとした、第三波動FGを狙う形)

一目均衡表では、上記した準備構成の考え方のように、いくつもの証拠を積み重ねて、ようやく取引をするという結論を出します。チャート上の5本の線だけを見て、その好転(逆転)から判断するのでは、決してないのです。

総合的に考え結論を出す

9回にわたって連載してきた当企画では、ようやく一つの区切りを迎えました。それは、上記「準備構成」の概要を、解説するに至ったということです。これこそ、一目均衡表が明確に決定する売買の急所となります。

中核を成すのは、三波動の考え方です。第一段階における下げの三波動の下げ止まりを確認するにも、第三段階における上げの三波動の、三波動目の到達点を予測するにも、時間や計算値の関係を追求し続ける必要があります。

チャート上の各線、および好転(逆転)は、三波動の考え方と、共に補完し合う関係性です。したがってチャート上では、各線だけではなく、基本数値や対等数値も追いかけるべきなのです。

一目均衡表 豆知識

原著の概要

『一目均衡表』(通称、第一巻)は一目均衡表の転換線、基準線、先行スパン、遅行スパンについて、『〜完結編』は三波動の考え方について、『〜週間編』は9週足の考え方について、記しています。

均衡表の並び順

I波動が上昇し続けると仮定した場合、遅行スパン>相場実線>転換線>基準線>先行スパン上限>先行スパン下限の順。逆に下降し続ける場合は、遅行スパン<相場実線<転換線<基準線<先行スパン下限<先行スパン上限という順の位置関係になります。

基本数値

「9」「26」を”絶対数”とし、その組み合わせから得られる数値が「基本数値」。転換線と基準線の算出、先行スパンと遅行スパンのずらしにこれらの数値が用いられています。9,17,26,33,42,51,65,76,83,97,101,129,(100+基本数値)…など。 

※この記事は、FX攻略.com2017年1月号の記事を転載・再編集したものです(文=蛯沢路彦・編集部)

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細田哲生(ほそだてっせい)

株式会社経済変動総研。三世一目山人。一目山人の遺志を引き継ぎ、正しい一目均衡表の使い方を普及することに従事。経済変動総研主催の「一目均衡表倶楽部」にて、一目均衡表による相場解説、罫線講座を執筆。毎週月曜日ラジオNIKKEIマーケットプレスにて「日経平均一目均衡表から見たテクニカル分析」を放送。

公式サイト:一目均衡表公式ホームページ|株式会社 経済変動総研