トレンド・イズ・フレンド[水上紀行]

「トレンド・イズ・フレンド」(トレンドは味方)という言葉があるように、FXではトレンドを追うことを優先させることが大切です。しかし、トレンド相場といっても一直線に動くわけではなく、上げ下げしながら進んでいくため、エントリーポイントで悩むこともあるかと思います。そこで今回は、トレンド相場における理想的なエントリー方法を水上紀行さんに教えてもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです

トレンド相場と上手に付き合う

英語で言えば、“The trend is a friend”ですが、敢えて和製英語の「トレンド・イズ・フレンド」(トレンドは味方)といった方が、実感が湧くかと思い、こちらで行きます。

トレンド相場も、よくよく見てみれば、上げたり下げたり蛇行しながら、下降トレンドであれば下げていきます。このとき、相場が本当に下降トレンドであれば、相場は下落方向に対してフレンド(味方)です。つまり、いくら反発しても結局また下げ、そして上値を切り下げ、下値を切り下げて、前回以上に下げていきます。

ですから、その相場が下落トレンドと信じるならば、反発を引きつけるだけ引きつけたところで、売りから入ることが得策です。その後、そのポジションを引っ張るのか、あるいは適当に下げたら利食って次を待つかは、その人のお好み次第です。

また、相場のスケールの大きさによっても違ってきますので、大きなスケールであれば持ち続け、それほどではなければ売って買ってを繰り返すといった臨機応変さも必要だと思います。

ただし、この戻りというのは、自らが予想するよりも大きくなることが多く、結構、中途半端なところで売ってしまったばかりに、苦しめられることが多いといえます。

とことん引きつけてタッチ・アンド・ゴー

そうしたときにお勧めしているエントリー法をご紹介します。それは、タッチ・アンド・ゴー(Touch and go!)と呼んでいますが、要は引きつけるだけ引きつけてエントリーするということです。

下降トレンドを例に申し上げますと、日足で現状水準から結構離れている移動平均線を探します。結構離れているといってもケースバイケースで、70pipsのときもあれば、200pipsのときもあります。要は、これはつくかもしれないし、つかないかもしれない…と思うぐらいに離れている移動平均線を探します。

そして、下降トレンドであれば、その移動平均線のさらに5~10ポイント上に、売りオーダーをいれます。なぜなら、こうした移動平均線を上に抜けたところにロスカットが入っているケースが多く、その分も引きつけるということです。こうして引きつけるだけ引きつけても、つくときはつきます。

この手法のメリットは、引きつけるだけ引きつけているため、相場がアゲンスト(不利)になっても、それほどにはアゲンストにはならず、ストレスが少なくて済むことです。

また、つかなかったからといって、くさらないことです。チャンスは、いくらでもあります。むしろ、そこでポーカーフェイスでいられることが大事だと思います。

そして、うまく売りでエントリーできたら、下げる勢いを見ることが大事です。勢いよく下がるなら、ポジションをキープすべきですが、それほどの勢いがつかないならば、しっかり利食うことでしょう。

ところで、なぜこの手法をタッチ・アンド・ゴーというかと申しますと、飛行機の離着陸訓練で着地した直後にまたエンジンをフル回転して離陸するという訓練があるそうで、これからイメージしてつけたからです。つまり、オーダーにタッチして、すぐフェーバー(有利)な方向に行くということです。

緊張レベルに応じて適切な対策を講じる

逆を申せば、それぐらいすんなりとは行かないのが、相場というものです。私がよく申し上げているのは、ポジションを取るということは、ある一定の緊張感を持つことが必要だということです。油断をしていると、背中からばっさりとやられることなど、珍しくないことです。かといって、四六時中、フルの緊張感を持っていれば疲れてしまいますから、そこはメリハリをつける必要があります。

緊張のレベルを1から5までつけ、1が最低位、5が最高位としてポジションを持つとします。それほどアゲンストにもフェーバーにもなっていないなら少なくともレベル1、ポジションが相当にアゲンストになっていたらレベル5で、それぞれの状況に応じて、対応を考えることが必要です。レベル1は放っておいて良いですが、レベル5は何らかのアクションが必要です。

例えば、ストップロスを入れていて、既にその近くまで行っているなら、ストップロスを下手に変更しようとすると二次災害を生みますので、放っておくのが順当な考えだと思います。

しかし、もしもショートを持っていて、相場の上げの勢いが想定以上、つまりストップロスを舐めるだけでなく、さらに続伸する可能性が高いと思うならば、ストップロスがつく前後で、売りと同額買って倍返しして、ポジションをロングにすることで、レベル5から起死回生のチャンスを狙うのもありです。

ただし、こうした局面で大事なことは、やるならやるで即決する強い意志が必要だということです。

※この記事は、FX攻略.com2018年6月号の記事を転載・再編集したものです

水上紀行の写真

水上紀行(みずかみ・のりゆき)

1978年、上智大学経済学部卒業後、三和銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入行。5年間の支店業務を経て、ロンドン、東京、ニューヨークで為替ディーラーとして活躍。東京外国為替市場で「三和の水上」の名で知られる。ドレスナー銀行にて、外国為替部長。1996年より RBS銀行にて、外国為替部長を経て、外為営業部長。2007年より バーニャ ーケット フォーカスト代表。長年の経験と知識に基づく精度の高い相場予測には定評がある。

公式サイト:Banya Market Forecast

twitter:https://twitter.com/mizukamistaff

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