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平均足、各種移動平均線|外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術

平均足、各種移動平均線

「平均足」は他のトレンド系テクニカル指標と重複して使えて、売買判断も非常に明確な、初心者にぴったりのテクニカル指標です。

移動平均線のなかには、さまざまな工夫を凝らして反応を早くしたり、信頼性を上げたものがあります。

「指数平滑移動平均線」や「GMMA」は実戦でもよく使われています。

足の上辺と下辺が「平均値」で計算される平均足の仕組み

今回、最初に取り上げるトレンド系指標は「平均足」です。売買判断が非常にわかりやすく、移動平均線や一目均衡表など他のトレンド系指標と重複して使えます。

陰線が何本か続いたあとに陽線が出れば「買い」、陽線連続のあとに陰線が出れば「売り」と、一目見るだけでシンプルに売買判断を下せる点が平均足最大の魅力です。

ローソク足は期間中の「始値・高値・安値・終値」という4つの情報を1本の足に表示していました。

それに対して、平均足は1本前や、その期間の値動きの平均値を使って、足の実体部分をつくる点に大きな違いがあります。つまり、

A「1本前の始値・終値の平均」
B「期間中の始値・高値・安値・終値(現在値)の平均」

という2つの平均値が、足の実体部分の上辺と下辺になっているのです。そして、前の期間より現在の期間の平均値が上なら(B>Aなら)陽線、下なら(A>Bなら)陰線になります。

たとえば、「ドル/円」レートが、「始値98円、安値97円50銭、高値99円50銭、終値99円(前日の始値97円、終値98円)」で推移したとします。

そのときの平均足は、「上ヒゲ97円50銭、実体の上辺98円50銭、実体の下辺97円50銭、下ヒゲなし」というコマ型の陽線で示されることになります(図1)。

移動平均線的な考え方が取り入れられ、売買シグナルが非常にわかりやすいのが平均足の特徴です。

初心者の方はどうしても逆張りに走ってしまいがちですが、平均足を使えば、知らず知らずのうちに「トレンドフォロー」の考え方が身につきます。

損切りさえちゃんとできれば比較的安全でシュアに取引できるはずです(図2)。

平均足は別名「コマ足」と呼ばれ、足の実体部分のいずれか一方だけにヒゲが伸びて“コマ”のようなかたちになることが多いのも特徴です。

ヒゲの部分はローソク足と同じように、「上ヒゲ=高値」「下ヒゲ=安値」になります。ただし、上昇局面では期間中の安値が前の期間の平均値(=始値)を下回ることが少ないため、下ヒゲがなく、上ヒゲの長い陽線が続きます。

反対に下降局面では上ヒゲがなく、下ヒゲの長い陰線が続くことになるのです。

つまり、

「長い上ヒゲ=高値更新で上昇力が強い」
「長い下ヒゲ=安値更新で下降力が強い」

というように、「ヒゲに対する判断」がローソク足とは正反対になる点に注意が必要です。

陽線なのに下ヒゲが伸びてくると上昇が失速する兆し、陰線なのに上ヒゲが伸びていくと下降力衰退の前兆になります。

陽転/陰転で売買するだけ。他の指標を“指南役”に使って精度アップ

ローソク足の場合は直近の足を見れば、現在値がすぐわかりますが、平均足では現在値がどこにあるのかわからない点にも注意しましょう。

図3は同じ期間の平均足とローソク足を同時に表示したものです。

平均足の場合、勢いよく上昇が続いているときは「高値=現在値」になることが多く、そこで買いを入れてしまうと、思わぬ高値づかみになる可能性があります。

とくに、トレンドが一定しない短期売買の世界では、平均足が陽転した瞬間にはすでに高値に到達している場合も多く、現在値がなかなか買値を上回らない、といったことが起こりがちです。

とはいえ、「平均足の陽転=買い」「陰転=売り」という、わかりやすさが大きな魅力であることに変わりはありません。

平均足が陽転・陰転したらエントリーし、同じ色の平均足が続いている間はホールド。同じ色の平均足が連続して長く続けば続くほど儲かることになります。

そして、ふたたび陰転・陽転が起こったら決済と、エグジットポイントに関しても単純明快で迷うことはないでしょう。

むろん、陽転したと思ったらすぐまた陰線が出たり、トレンドが長続きしないでダマシに終わることもあります。

ただ、「足の色がくるくる変わっている場合はダマシ」と判断できるので、ダマシの基準も非常にわかりやすく明確といえるでしょう。

図4は「ユーロ/ドル」の日足チャートに平均足と移動平均線(赤線が5日、青線が25日移動平均線)を表示したものです。

平均足の陽転/陰転と移動平均線のゴールデンクロス/デッドクロスを見ると、平均足の反応のほうが当然早く、トレンド転換をいち早くとらえることができます。オススメの売買法としては、

① 平均足の転換シグナルでエントリー。
② 移動平均線の位置関係や傾きを参考にエグジットorホールド。

という、平均足のシグナルを移動平均線で補強する使い方です。図4を見ると、平均足自体が一種の2日移動平均線のようなつくりであるため、5日移動平均線とほぼ重なるような値動きをしているのもわかります。

しかも、上昇時には移動平均線の上側に張りつき、下落時には下側に張りついています。そのため平均足が短期移動平均線を反対側に抜けたら利益確定、といったエグジットシグナルに使うことができます。

さらに、25日移動平均線の傾きに注目すれば、図のAとBの平均足の陽転は上昇トレンド時の格好の押し目買いポイントと判断できるでしょう。

チャート画面左側では25日移動平均線が横ばいでトレンドが弱いと判断できるので、平均足を使った売買でも早め早めの利益確定(もしくは損切り)がベストです。

このように、2つの指標を使う場合は一方のシグナルをメインに、もう一方をエントリーの際の状況判断やエグジットの根拠といった“補助的な指標”として使うやり方が一般的です。

実戦トレードでは、平均足の“よき相談役”になりそうなサブ指標を合わせて使いましょう。

反応が早く短期売買向きな「指数平滑移動平均線」や「加重移動平均線」

さて、トレンド系指標の代表選手といえば移動平均線ですが、平均値の計算方法の違いによって、さまざまな平均線が考案されています。

外為オンラインのブラウザ版チャートでは、通常の「単純移動平均線」の他に「指数平滑移動平均線(EMA)」「加重移動平均線(WMA)」「複合型移動平均線(GMMA)」の3つを表示できるので仕組みや違いを説明しましょう。

・指数平滑移動平均線(EMA)
直近の平均値に2倍の比重をかけて期間中の平均値を計算する。

・加重移動平均線(WMA)
期間nの場合、直近の平均値はn倍、1日前の平均値はn-1倍…とさらに比重をかける。

単純移動平均線の場合、新しい値動きも、かなり前に起こった古い値動きも同等に扱うため、どうしても値動きに対して遅れてしまう欠点があります。EMA、WMAはともに、その欠点を補うために直近の値動きに比重をかけた仕組みになっています。

計算式は省略しますが、値動きに対する反応が敏感で、早め早めにシグナルが出るというのがEMA、WMAの特徴です。

図5は「ドル/円」の日足チャートに3つの移動平均線(期間は20日)を描画したものです。

黄色いSMAに比べ、赤線のEMAの反応が最も早く、その直後に青線のWMAが反応しています。また、EMAは計算上、設定期間前の値動きの影響も残る仕組みなので、反応は早いものの、動きの振幅は最もゆるやかになっています。

対する加重平均タイプのWMAは強いトレンドに反応しやすく、現在値に一番近い振幅の大きな動きをします。

どの移動平均線がベストなのかは一概にいえません。 素早く反応するということは逆に早過ぎること。エントリーが早くてダマシにあったり、エグジットが早過ぎて儲け損ねたり、頻繁に損切りしてしまう可能性もあります。

ただし、短期売買の場合は直近の値動きを重視したEMAやWMAのほうがチャンスを逃さないといえるでしょう。

反応の早さや振幅以外にさしたる違いはなく、SMA同様、ゴールデンクロスやグランビルの法則を使った売買が行えます。

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束の幅を見ることでトレンドの強さ/弱さも判断できるGMMA

さらに、複数の移動平均線を同時に表示、それを短期組と長期組に色分けした指標が「複合型移動平均線(GMMA)」です。

GMMAは期間が30~60日の指数平滑移動平均線6本の「長期組」、3~15日の平均線6本の「短期組」、計12本の移動平均線を描画してトレンドを判断します。基本的には長期と短期それぞれ1本ずつの移動平均線同様、

・短期組と長期組のゴールデン/デッドクロスでトレンド転換。
・短期組が長期組に接したあと、もとの方向に戻ったら押し目買い/戻り売り。

が基本戦略になります。GMMAのいいところは、短期組・長期組の束の幅や拡大・縮小、6本の線の順序を見ることで空間的・立体的にトレンドをとらえることができる点です。

図6は「ユーロ/円」の週足チャートにGMMAを描画したものです。

為替レートの勢いが加速すると長期組の束(ピンクの線)が広がり、失速すると収束することで、長期的なトレンドの強さを、まるで一目均衡表の雲のように立体的にとらえていることがわかります。

図6を見ても画面左4分の3では右肩下がりの長期組が大きく拡大しており、強い下降トレンドが継続していることがわかります。

その間、短期組(ブルーの線)が長期組と接触したり、一瞬突き抜けて押し戻された地点(図のAやB)は格好の戻り売りポイントになっています。

そして、画面右側で短期組が勢いよく長期組を突き抜け、ゴールデンクロスが発生。そのポイント(C)でトレンド転換を察知して買いで勝負していれば、大きく儲けることができました。

逆に、長期線の束が収縮して1本の線のようになり、短期線とも絡むようになると、投資家全体が方向性に迷ってトレンドレスな状態になっていると判断できます。

また、短期組の線がもつれ合って反対方向に動き出した瞬間は、為替レートの勢いが弱まり、トレンドが調整したり小休止するシグナルや、場合によってはトレンド転換の前兆になります。まとめると、

・GMMA長期組の幅に注目することでトレンドの勢いがわかる。
・分厚い束の長期組は強い支持帯・抵抗帯に。
・長期組の幅が狭くなるとトレンド転換しやすい。
・短期組の幅で相場の勢い(モメンタム)を判断する。

といった使い方が可能です。GMMAの場合、長・短移動平均線を線ではなく束で見るため、クロスに時間がかかり、判断が遅れる可能性もあります。

しかし、トレンドの強さを確かめながら、そのトレンドの継続や転換を計12本の移動平均線で総合的に判断できるので、精度は高くなります。いわば究極のトレンドフォローツールといえるでしょう。(月刊FX攻略.com 2013年11月号掲載)

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