新年相場は波乱の幕開け!米国株式市場は金利上昇に耐えられるか?[雨夜恒一郎]

先週は、日本勢が正月休みで薄商いのなか、ドル円は105円台ミドルから104.08円まで急落。特にこれといった悪材料は出ていなかったが、NYダウが昨年末記録した史上最高値から反落したことで、株高・円安の流れが逆回転するとの不安感が浮上した。

前回の当コラムでも指摘したが、QE縮小を控えた米国市場では、景気回復期待が強まると、金利が急上昇し、株式市場のセンチメントを冷やすリスクが高まっている。

これまで円売りのエネルギーの源泉だった株高トレンドが変調をきたせば、円安トレンドも調整は避けられないだろう。

今週金曜日には米国12月の雇用統計が発表される。

非農業部門雇用者数(NFP)の予想コンセンサスは、+19.3万人(前回+20.3万人)。それに先立って水曜日に発表されるADP全国雇用調査の予想コンセンサスは+19.8万人(前回+21.5万人)となっている。

これらが予想を大きく上回れば、景気回復期待が一段と強まり、金利上昇が加速する可能性がある。

また失業率が7%を下回るようだと、ゼロ金利解除の観測すら浮上してくるかもしれない。米国金利の上昇は通常ドル高材料だが、株式市場が金利上昇を嫌って下落すれば円高材料にもなり得る。

現在の「米ドル/円」の上昇はドル高よりも円安の色合いの方が強いので、もし「ドル高・円高」の展開となれば、「米ドル/円」は下落する可能性が高い。

かといって、雇用統計が予想より弱い結果となれば、景気回復期待に水が差され、米国金利急低下→ドル安となる可能性が高い。

IMM通貨先物の取組を見ると、直近12月24日時点での投機筋の円ショートは14.3万枚あまりと過去最大規模に膨れ上がっている。何かの拍子に彼らが利益確定に動けば、昨年5月のような大幅調整となる可能性もないとはいえない。

中長期的なドル高・円安見通しに変化はないが、過去3か月で10%近く上昇し、節目の105円も達成した今、さらなる上昇のためのハードルはかなり高くなっていると見た方がよい。

今週は潮目の変化に要注意である。

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雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)

20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。

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