楽天MT4新規口座開設
FX力を鍛える有名人コラム

労働市場の「質」に注目するFRB[雨夜恒一郎]

先週金曜日に発表された米国3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+19.2万人と堅調な伸びを示した。

予想中心の+20万人には届かなかったものの、1月と2月の数字が計3.7万人上方修正されたことを考慮すれば実質的には23万人近い雇用増だ。

労働市場が寒波の影響から脱しつつあることを裏付ける結果といえる。

しかし、この結果にもかかわらず、米国債利回りは低下し、「米ドル/円」も104円付近から103.20円まで急反落した。

市場は今回の数字でFRBの金融緩和スタンスが影響を受けることはないと踏んだようだ。

その伏線は3月31日に行われたイエレンFRB議長の講演にある。

労働経済学の権威であるイエレン議長はこの日の講演で、「米国の労働市場のたるみは依然として存在する」と述べ、労働市場の「量」ではなく「質」が問題であることを指摘した。

議長が懸念すべき点として挙げたのは、

(1)賃金が上昇していない
(2)非自発的なパートタイム労働者が多い
(3)長期失業者の割合が高い
(4)労働参加率が低下している

という4点である。

フルタイムを希望しているにもかかわらずパートタイム雇用に甘んじている者が720万人おり、また全失業者に占める長期(27週以上)失業者の割合は37%とリセッション前の平均12%の3倍に上っている(いずれも2月の数字)。

つまり、一度失業するとなかなか次の職が見つからず、やむなくパートタイム労働を余儀なくされ、必然的に賃金も下がってしまうという構造だ。

議長によると、これらを勘案した本来の最大安定雇用となる失業率の水準は5.2〜5.6%と推定されるそうだ。

議長が常々「労働市場は健全な状態からほど遠い」と言っているのもうなずける。

ちなみに今回3月の平均時給は前月比0.0%で予想の+0.2%を下回った。

非自発的パートタイム労働者は720万人から740万人に増加している。

長期失業者の割合は35.8%、労働参加率は63.2%と2月の37.0%、63.0%からわずかに改善したが、歴史的に見てまだまだ弱い。

イエレン議長は「物価と雇用を天秤にかければ雇用を取る」と公言してはばからない人物だ。

米国雇用統計がいくら見かけ上改善しても、その質が伴わない限り、利上げには同意しないだろう。

まして米国の物価はFRBの中期目標を依然として大きく下回っている。

FRBが量的緩和を終了してから最初の利上げに踏み切るまでは相当長い検証期間が必要となる可能性が高く、ドルの本格的な回復はまだまだ先の話となりそうだ。

「ドル高エンジン」が期待できない以上、「米ドル/円」が一段と上昇するには、「円安エンジン」が相当頑張る必要がある。

ABOUT ME
FX攻略.com編集部
日本で唯一の月刊FX情報誌『月刊FX攻略.com』を2008年から10年以上発行してきた編集部です。
トレイダーズ証券 みんなのFX
あなたに最適なFX会社・取引口座を見つけよう!!
【FX会社比較】10年以上FX専門誌を発行してきたFX攻略.com編集部が調査しました

「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。

10年以上にわたってFX月刊誌を出版してきた老舗FXメディア「FX攻略.com」編集部が、FX用語を知らない人でもわかるようにFX会社、取引口座のポイントを解説しました!

取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか

\FX会社によって違うところをチェック/

スプレッドFX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。
約定力狙った価格で注文が通りやすいかどうか。
スワップポイント高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。
取引単位少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。
取引ツール提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。
シストレ・自動売買裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。
サポート体制サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。
教育コンテンツ配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。
キャンペーン新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。

FX会社を比較・検討
したい方はこちら >>
FX会社を一社ごとに
見たい方はこちら >>

あわせて読みたい