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ドル伸び悩みの陰にイールドカーブのフラット化[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年8月27日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、トランプ大統領がパウエルFRB議長の利上げ姿勢に不満を示しているとの報道を受けて、ドル売りが先行。トランプ大統領の弁護士だったコーエン被告が選挙違反で有罪答弁を行ったことも響き、週の前半に一時109.78円まで下押しした。その後ジャクソンホール会議を前に買い戻しが入り、111.49円まで反発。しかしジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が、従来通りに漸進的な利上げ姿勢を示した一方で、「インフレが2%超で加速する明らかな兆候はなく、経済の過熱リスクは高まっていない」との見解を述べたことから、111.10円付近まで売り戻されて週の取引を終えた。

ドル高が続かない理由

従来から述べている通り、米国のファンダメンタルズは健全で、年内あと2回の利上げは既定シナリオ。今や先進国の中で、米国は豪州やNZを抑えて最も金利が高い国となっている。それにもかかわらず、市場ではドル高の継続に懐疑的な向きが少なくなく、事実ドル円はここ一か月、レンジの中で足踏み、あるいはやや売りに押されている状況だ。これはどうしてなのか。

それを読み解くには、イールドカーブ(利回り曲線)が役に立つ。イールドカーブとは、ある時点の短期から長期までの金利を線でつないだものだ。一般的にイールドカーブは、金利先高観が強ければスティープ化(勾配が急になる)し、金利先安観が強ければフラット化(勾配がなだらかになる)する。

下の図1が現在の米国のイールドカーブである。期間2年までは緩やかな右肩上がりを描いているが、そこから先はほぼフラットで、2年債と10年債の利回り格差はわずか19ベーシス(0.19%)しかない。これは2007年以来実に11年ぶりの低水準だ(図2)。つまり市場は、現在の利上げサイクルが間もなく終了し、短期金利はピークアウトする可能性が高いとみているのである。FRBの利上げにもかかわらずドルがもう一つ上昇し切れないのはここに原因がある。

図1 米国のイールドカーブ 出所:Investing.com

図2 2-10年債の利回り格差 出所:セントルイス地区連銀

さらに、景気が減速し、景気後退が近づいたときには、短期金利より長期金利のほうが低い「逆イールド」となることがある。図3は2-10年債の利回り格差を1970年代までさかのぼったものだが、景気後退期の直前には必ず逆イールドが発生していることがわかる。

図3 2-10年債の利回り格差(グレーの帯は景気後退期) 出所:セントルイス地区連銀

現在の米国景気は堅調で、当面緩やかな利上げが続くことは規定シナリオだ。しかしイールドカーブは、近い将来米国景気が減速に向かい、場合によっては景気後退に陥るリスクを暗示している。利回り格差が急激に縮小し、利上げでもドルが上昇しない現状では、筆者のようなドル強気派であっても、そのリスクを完全否定することは難しい。今週はスタンスを強気から中立に変更し、利回り格差の動向に注目したい。

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