ドット・プロット・チャートが上方シフト!ドル円も新たな上昇局面入りか[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2018年10月1日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、112円台半ばから113.71円まで上昇し、年初来高値を更新した。FOMCの利上げを受けて一旦材料出尽くしのドル売りが出たものの、下げ幅は限定的。米国の好調なファンダメンタルズを素直に好感したドル買いや、リスク選好ムードを背景とした円売りが支配的となった。

ドット・プロット・チャートは予想を上回る結果に

先週の当コラムでは、過去の経験則をもとに、FOMCで織り込み済みの利上げが実現すればドルは下落に転じると予想したが、そうはならなかった。

FOMCの利上げと声明(ロイター)は予想通りだったが、ドット・プロット・チャートは筆者の予想を少し上回るものだった。

図1は前回6月、図2は今回のドット・プロット・チャートだが、両者を比べてみると、ドットが微妙に上方にシフトしていることがわかる。2018年末の水準は2.25-2.50%のドットが7個から12個に増加し、12月にも利上げがある可能性が一段と高まった。2019年末の水準は、6月時点では3.0%前後にドット8個が集中していたが、今回は3.5%まで縦に伸びた形となっている。そして2020年末は3.25-3.50%から3.50-3.75%へ、利上げ1回分上昇した形だ。

図1 6月のドット・プロット・チャート 出所:FOMC付属資料

図2 9月のドット・プロット・チャート 出所:FOMC付属資料

FOMC声明にある「さらなる緩やかなFF金利の目標誘導レンジの引き上げ」という文言は、3か月ごとに0.25%ずつの利上げを続けることを意味している。今後も経済が想定通りの展開となれば、12月も来年3月も利上げをする公算が大きいということだ。しかしFF金利先物から察する限り、市場はまだ12月の利上げを7~8割程度、来年3月の利上げを4割程度しか織り込んでいない。そこでFOMCは、市場の金利観に働きかけ始めたと思われる。今後さまざまな情報発信が行われ、12月の利上げが9割以上、3月の利上げが8割以上織り込まれるよう市場との対話が行われるに違いない。その過程で、現在2.8%台の2年債利回りは3%台へ上昇し、10年債利回りもあと0.25%程度上昇することになるだろう。

節目の115円を試す展開も

筆者のように、FOMCを境にドル円は下落に転じると予想していた向きは少なくなかった。一方、ドル円が年初来高値をこれほど易々と突破してくると予想していた向きはあまりいなかったのではないか。大方の予想以上にドル円は強かったわけで、新たなドル上昇局面に突入した可能性が高くなってきた。昨年11月に付けた高値114.75円近辺から節目の115円を試す展開も想定しておく必要があるだろう。

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雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)

20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。

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