米中協議が今週ヤマ場へ!苦しいのは中国[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2019年2月11日号

先週のドル円相場

先週のドル円相場は、110円の大台に乗せる場面もあったものの、滞空時間は短く、おおむね109円台後半での一進一退が続いた。トランプ大統領が一般教書演説で壁の建設に意欲を示したことが政府機関閉鎖長期化を連想させたほか、米中貿易協議が難航していると報じられたことが上値の圧迫材料となった。

米中協議から目が離せない

ホワイトハウスは8日、閣僚級の米中貿易協議を14・15日に北京で開くと発表した。協議の責任者である米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン財務長官らが訪中する。これに先立ち、11日からUSTRのゲリッシュ次席代表や財務省、農務省、商務省、エネルギー省などの幹部らが訪中し、次官級の協議を開く。今週も米中協議から目が離せない局面が続くことになる。

米国は協議期限を3月1日と定めており、両国に残された時間は半月あまりとなった。3月1日までに合意できなければ、米国は2千億ドル分の中国製品に対する25%の制裁関税を発動する。トランプ大統領は習近平国家主席との首脳会談で合意したい考えだが、現時点では期限内に会談する予定はないと言明している。今回が期限前の最後の交渉、今週が事実上のヤマ場となる公算が大きい。

果たして貿易協議は期限までに合意に達するのか、それとも協議は不調に終わり、合意を得られないまま3月1日の期限を迎えるのか。予断を許さない状況だが、筆者は中国側がもう一段譲歩する形で協議は何らかの進展を見せると予想している。というのは、協議が物別れに終わった場合、被るダメージは米国より中国のほうがはるかに大きいからだ。

市場は米中協議を怖がっていない

先月発表された中国10-12月期のGDPは、前年比+6.4%とリーマン・ショック直後の09年1~3月以来の水準に減速した。実際はもっと低いとの見方が多く、一部では「1%台」や「マイナス成長」の可能性が指摘されているほどだ。また中国12月の貿易収支では、輸出・輸入が大幅に落ち込んだ(輸出は前年同月比-4.4%、輸入は-7.6%)。すでに実施されている制裁関税の影響が顕著に表れた形だ。今週木曜日には中国1月の貿易収支が発表されるが、12月同様の結果となる公算が大きい。制裁関税が25%に引き上げられれば、中国経済にとってまさに致命傷となるため、中国は最終的に折れざるを得ない。貿易戦争においては、世界最大の「お客さん」である米国が必ず勝者になるようにできている。

この見方が妥当であれば、今週米中協議は何らかのグッドニュースをもたらすはずだ。米国株式市場の堅調ぶり、恐怖指数VIXの低下を見る限り、市場は米中協議を怖がっていない。今週も引き続き株価堅調・ドル円強含みの展開を予想する。

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雨夜恒一郎(あまや・こういちろう)

20年以上にわたって、スイス銀行、JPモルガン、BNPパリバなど、大手外銀の外国為替業務要職を歴任。金融専門誌「ユーロマネー」における東京外国為替市場人気ディーラーランキングに上位ランクインの経歴をもつ。2006年にフリーランスの金融アナリストに転身し、独自の鋭い視点で為替相場の情報をFX会社やポータルサイトに提供中。

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