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EU残留がメインシナリオか[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

BREXIT(EU離脱)は、今週に入りジョー・コックス議員の悲劇的な死から残留派が離脱派を僅かに上回っていましたが、最新の世論調査では離脱派が盛り返しており、依然として予断を許さない状況に変わりはありません。市場にこれ以上ない緊張感が漂うなか、明日の国民投票に向けてしっかりと準備しておきましょう。

今回の国民投票は出口調査が行われません。これは数百ある投票所の結果が残留か離脱のどちらかに大きく偏っているためで、最終結果を予測できないからです。一部の企業は独自に出口調査を行うほか、インターネットで集計した投票結果が速報として報道される可能性は高く、開票前の乱高下にも警戒が必要です。

さて、実際の開票ですが、382の地区で行われ、日本時間では金曜日の朝から地区ごとに集計を行います。順々に結果を公表していきますので当日のスケジュールを把握しておきましょう。

英国国民投票、当日のスケジュール

日本時間 6月24日(金)

6:00

現地時間の22時に投票所のドアは全てクローズされ、開票が開始されます。

8:00

シリー諸島とジブラルタルで最初の結果が公表されます。英国の人口6千5百万人のうち、それぞれ2千人と3万3千人の人口のこのエリアは4月の調査で88%残留でした。

8:30

ニューカッスル、サンダーランドで結果公表。世論調査では僅差で離脱寄りです。

8:45

英国で最もEU派のシティオブロンドンの結果公表。
但し集計地域としては英国で2番目に小さく、全体のトレンドを図る事は出来ません。

9:00

オルハムの公表。UKIP(イギリス独立党)の獲得票が多い地域でもあり、離脱寄りになる事が予測されます。

9:30

開票のスピードが加速し出すのがこの時間からです。北東部のバジルドン、エセックス及びハートルプールでは離脱リードが予測される一方で、北西部のストックポートでは残留寄り。近年反EU寄りのウェールズではマーサー・ティドビルが最初の開票となります。また、EU寄りのスコットランドからも最初の開票が行われます。

10:00

ロンドン行政区画の最初の開票が、ワンズワースとウェストミンスターから始まります。いずれも残留が優勢。

11:00

この時点で投票エリアの3分の1以上となる140のエリアが開票を終える事となります。

11:30

EU残留寄りのエディンバラ及びケンブリッジの開票です。同時に東ヨーロッパからの労働者の流入が顕著なリンカンシャーのボストンでも開票が予定されます。この時点で全ての投票エリアの半数以上が開票済みとなります。

12:00

この時間に約100のエリアの開票が予定されています。単一のエリアでは最も大きな2つの地域、北アイルランドとバーミンガムもこれに含まれます。

13:00

既に大半のエリアの開票が終わり、これ以降の結果に影響を与えるのはグラスゴー、マンチェスター及びリバプールの大都市となります。多くがEU残留寄りです。この地区の開票が今回のポイントとなります。

14:00

最終開票リーズ、ブリストル、コーンウォールの3エリアです。この時点で僅差となっていれば、3つエリアのうち2つのエリアは離脱派が優勢であるという事前の情報が役立つかもしれません。

15:00

最後のエリアの開票が終わり、マンチェスターで国民投票の結果を正式に発表します。

このように開票スケジュールは地方から始ります。地方では離脱派が優勢となるため、開票後は離脱派有利と報道されるかも知れませんが、大票田の都市は残留派が多く開票結果は遅れるため、速報によって一喜一憂するのは得策ではないように思います。

最終的には残留で決着か

さて残留・離脱に関しての予想はかなり難しいのですが、最終的には残留で決着すると思っています。

残留の理由として前回にスコットランド独立を巡る国民投票をしたときも直前まで拮抗していましたが、蓋を開けてみれば独立反対派が多数を占め、イギリスは分裂を回避しました。

今回も痛みが伴うとわかっていて離脱に1票を投じるリスクを鑑みた場合、迷っている有権者は残留に投票するのではないかと推測しています。

現段階で五分五分の勝負であれば、残留が優勢となる可能性が高く「残留→リスクオン→円安」がメインシナリオと考えます。残留した場合、米ドル/円は来月の利上げが意識されるため、108円~110円レベルまで上値があるでしょう。ポンド/円も160円を軽く超えてくるでしょう。

離脱シナリオを想定、米ドル/円は100円割れの可能性も

とはいえ、残留を楽観できる状況ではなく、離脱シナリオも想定しておく必要があります。

ロンドンのブローカーに話を聞くと離脱の可能性は低くないとの回答が多く、私が考えているより、現地では離脱のモメンタムなのかもしれません。

また、今回のBREXITでは離脱派には高齢者が多く、残留派に若者が多いという構図があります。高齢者の投票率は高いものの、若者の投票が低いというのは一般的ですが、当日イギリスの天気はあまり良くない予想が出ています。仮に投票率が低くなった場合に離脱の確率が上がることも視野に入れておきましょう。

離脱した場合、米ドル/円は100円を割れる可能性が高いと思います。ポンド/円120円~130円を想定しておくべきです。

ただし、急落後は半値くらいは戻すとイメージしています。AI(人工知能)による大量の売り注文も買い戻されるでしょうし、中期的にも不安材料通過でリスクオンとなり、円安株高からそれなりに値は戻すと予想しています。

また、マーケットの混乱が続くようであればポンドの協調介入も可能性としてはあり、「離脱→リスクオフ→急落」では押し目買いに妙味があるように思います。

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