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FX力を鍛える有名人コラム

ドル円の上昇を阻むリスク要因とは[井口喜雄]

レイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

難易度の高いマーケットが続いています。NYダウは新高値を更新して連騰しているほか、FOMCはタカ派スタンス。米経済指標も軒並み好調な数値です。特に先週発表されたフィラデルフィア連銀景況指数は1980年以来という見たこともない好結果でした。しかし、為替に限っては米ドル/円が上昇することなく、レンジをキープしています。このファンダメンタル無視のマーケットはどこに進んでいくのでしょうか。

2月28日トランプ大統領の演説が分岐点になる

米ドル/円がファンダメンタルを無視して素直に上昇できない要因の筆頭はトランプ大統領の不確定要素にあります。

トランプ大統領の驚くべき税制改革(法人税減税35%→20%)や巨額のインフラ投資はもちろんドル高要因です。そこで2月28日に行われるトランプ大統領の議会演説で公約通りの経済政策が具体的に示されればトランプラリー復活です。118円再トライの線もなくはありません。

しかし、トランプ政権の賞味期限が近づいているなか、具体策に乏しい内容となれば失望売りが散見するでしょう。ここまでの経済政策はいずれも漠然としており、しっかりと具体策を示すことができていないので今回の演説にも多くの疑問が残ります。

現段階で演説内容を予想するのは難しいですが、ややダウンサイドリスクが高いような気がしており、米ドル/円はショートで攻めていきます。ロングで攻めるにしても、トランプ大統領の演説を確認してからでも十分間に合います。

FRBの3月利上げは事実上困難か!メインシナリオは6月

今夜(日本時間早朝4時)FOMC議事録が発表されますが、これまでのイエレン議長のタカ派発言を総合するとここにきて議事録がハト派になるとは思えません。その他、フィッシャー副議長、NY連銀のダドリー総裁といったFRBの中心人物の3人が相次いで利上げについて前向きの姿勢であるということも、今夜の議事要旨がタカ派的内容になる裏付けになります。また直近では昨夜フィラデルフィア連銀のハーカー総裁も「3月利上げ」と「年3回の利上げ」を公言しており、FOMCメンバーのタカ派スタンスにはゆるぎないものがあります。

しかし、FedWatchを見ると3月利上げ確率はまだ22%と本気で3月利上げをするにはマーケットへの織り込みが足りません。FOMCメンバーの織り込みキャンペーンも思ったほどうまくいっていないというのが現状です。マーケットにサプライズを与えることを嫌うFRBが3月FOMCで利上げを断行するとは考えにくいです。また、3月は米債務上限の問題もあり時期的にも難しい状況です。

そうなると利上げは5月か6月ということになってくるのですが、5月FOMCでは記者会見が予定されていないことがボトルネックとなりそうです。消去法で6月に利上げをした場合、その後記者会見が組み込まれている月は9月と12月しかありません。年3回の利上げを実行するには6月、9月、12月の1本道しかないと考えてしまうと年3回の確率はかなり限られてくると思います。前回のコラムでも言いましたが、やはり年3回のコンセンサスには無理があり、こちらもドルネガティブに働いてしまうのではないかと見ています。

仏大統領選挙の行方もリスクオフの円買いに

フランス大統領選挙の混迷化に伴いマーケットの注目が高まっています。極右政党である国民戦線党首ルペン氏の人気が急上昇しており直近では30%近い支持を集めているのです。昨年のBrexit、トランプ政権誕生を受けた保守的なモメンタムがフランスでも現実となる可能性が否定できなくなってきたのです。

最悪のリスクシナリオとして「ルペン氏当選→国民投票を実地EU離脱→ユーロからフランへ」が容易に想像できます。

BrexitではEU離脱のみでしたが、フランスがEUから離脱するとユーロ通貨の離脱にもなります。そのインパクトはBrexit以上になるかも知れません。本当にこのシナリオが実現するとは思えませんが、想像するだけでもマーケットは極端なリスクオフの流れになります。

その他3月にはギリシャ支援協議、オランダの総選挙とリスクイベントが続くため、局地的に円が買われる展開も警戒しておかなくてはなりません。

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