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ドラギ総裁、議会証言[松崎美子]

欧州中銀(ECB)の総裁は、四半期に一度、金融政策について欧州議会・経済金融特別委員会で証言をする義務があります。今年に入って3度目の議会証言が、9月23日(水)に行なわれることになりました。この日は欧州を悩ませ分裂させている難民問題を協議するための特別EUサミットの開催とも重なり、欧州から新しいヘッドラインが出やすい日となりそうです。

予想される証言内容

最初に議会証言の時間ですが、欧州大陸時間の15~17時(日本時間22~24時)までとなっています。前回の議会証言から3ヶ月が過ぎましたが、その間に中国発の株価下落や人民元切り下げなど、世界の金融市場に不安が走っています。

9月3日に開催された欧州中銀(ECB)理事会後の記者会見でドラギ総裁は「量的緩和策を実施する上で、公的セクターの買入れプログラムにおける銘柄の買入れ枠を25%から33%に引き上げることを決定した」と発表。マーケットが全く予想もしていなかった形での緩和とも取れる発表を受け、ユーロは急落しました。

ユーロ/ドル チャート

同じく記者会見の席で発表された3ヵ月後のマクロ経済予想である「スタッフ予想」でも、将来のGDP・インフレ率全てを前回6月の予想から下方修正しており、場合によっては追加緩和策の導入に動くというメッセージを市場に発しました。

これらの決定について、23日の議会証言ではいろいろと質問が集中することでしょう。

実効レートの検証

ここからのマーケットについて考えるため、ユーロの実効レートをチェックしてみましょう。これを見ると、赤いチェンネルの中での推移となっており、向きとしては上昇です。9月22日(火)は黄緑の上限部分を若干下抜けて終わっていますが、水曜日のドラギ総裁の議会証言で何か驚きの発言が出れば、チャンネル下限(92付近)まで下落してもおかしくないチャートとなっています。

ユーロ実効レート

チャート:ECBホームページ

次はドルです。ドル・インデックス先物を見ると、この記事の執筆時は96.485となっており、黒いレジスタンスを若干上に抜けかかっているところです。まだ米国市場は閉まっておりませんので、22日の終値が現在と同様のレベルであったと仮定すれば、一度97方向に上昇する可能性が出てくるでしょう。

ドル・インデックス先物

チャート:インターコンチネンタル取引所ホームページ

要人発言で下落したユーロ/ドル

先週金曜日の1.14台から300ポイント以上ユーロ/ドルは下落しています。この背景には、今週に入ってから続いた2人の要人発言が大きく影響しています。

・ロックハート・アトランタ連銀総裁の講演
「年内に利上げをすることは妥当。9月のFOMCでの協議内容は、接戦となり白熱したものとなった。」と話したことを受けドルが大きく上昇し、実効レートで96台を回復した。

同総裁は中立/ハト派として知られているだけに、この講演内容は驚きとなりました。

・プラートECB理事
「現在実施している量的緩和策(QE)内容について、行動が必要だと判断した場合は、(変更する)用意と決意があるということを強調することが重要だ。」と主張しました。

これによって、早ければ年内の追加緩和期待がふくらみ、ユーロ下落。

今週のユーロ/ドル

今週に入ってからヨーロッパを騒がせているのが、難民問題に加えて、独フォルクスワーゲン(VW)のスキャンダルです。同社はアメリカの排ガス検査をクリアするために、違法なソフトウェアを使用していたとし、その不正を認めたことから、この問題は発覚しました。同社は対象車種の販売停止を決めたことに加え、リコール(無料の回収・修理)も実施する見通しです。当局による制裁金は2兆円超とも報じられ、刑事訴追される可能性もあるそうです。このおかげで、同社だけでなく、欧州の自動車会社の株価は週初から大きく下落しており、今回のVWスキャンダルは、金融市場に置き換えればLiborスキャンダルと同じくらい重い事件となりそうです。

この問題の影響を受け、独代表的株価指数:DAXは、9月22日に377.85ポイント(3.8%)と大幅下落を強いられており、8月24日の中国発ミニ・ブラックマンデーでつけた9338.20まで、あと200ポイントに迫っています。

ユーロ/ドル 日足

当然ですが、通貨ユーロもネガティブなセンチメントを避けられそうにありません。今週月・火曜日と一直線に下げてますので、一旦戻しが入るとは思いますが、戻ったとしても緑のラインが通る(144EMA) 1.1326付近がせいぜいかなと考えております。下げの目安としては、水曜日のドラギ総裁議会証言が気になりますが、1.10割れの1.09814あたりが最初のターゲットとなるように思います。

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