それは突然やってくる[中里エリカ]

〜していたら、〜していれば

ポジションを持って損失を出したときにいいたくなるのが、「〜していたら」「〜していれば」という言葉だ。何回トライしてもテクニカルなポイントがうまく破れず油断していたら、そのポイントにあった大口のオーダーが一斉に引いて、誰かがそのポイントをつけにいき、そのためにストップロスがストップロスを呼んで相場がどんどん下落してしまう。あるいは何だか分からないけれど、相場が動いており、買っても売っても負けてしまう。悔しいのでここらへんだと思うポイントで思い切って倍返しにして、結果的に往復ビンタを食らってしまう。

また、インターバンク時代にこんな経験もあった。突発的な事件がロイター端末に出てきて、相場が異常に動き出したことがある。夏休みシーズンで休暇の人が多く、マーケットは静かだったのでポジションを持ったままディーラーたちはランチタイムに出かけた。そうしたら雨が降ってきたのでランチタイムを大幅にオーバーしてしまい、戻ったときにはもうマーケットが手の施しようがないほど動いていた。そしてプライスも出てくるたびに全然違うプライスが出てきて、何が正しいのか分からない。

そういうときのマーケットは、売値と買値の差が数円単位で開くことさえある。誰が正しいプライスを出しているか分からない。買値が出てきたと思ったら消え、売値が出てきたと思ったらとんでもなく高いということもインターバンクではあり得るし、当然売値しかなくて買値がないということもある。

どんなにマーケットが静かでも気を抜いてはいけない

スプレッドが固定だから、いつも狭いスプレッドだから、といったところで何の意味もない。そもそも、カバー先銀行でさえそのときのプライスが分からないほどマーケットが大きく動くケースもあり、約定しにくくなるのも至極当然のこと。いつ何が起きても大丈夫なように、特に席を外す際にはポジションに気をつける、普段からロスカットオーダーを入れておくなど、どんなにマーケットが静かでも絶対に気を抜いてはいけない。

相場が大きく動いているときには損失も大きく出やすい。無理しないで相場を客観的に見るようにして、必ずどこで決済するか、どこでロスカットするかを常に考えながら取引する必要がある。たとえどんなに負けても、「〜していたら」「〜していれば」などと言い訳している場合ではない。相場はいつも動いているのだから。

※この記事は、FX攻略.com2017年12月号の記事を転載・再編集したものです

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中里エリカ(なかざとえりか)

デューカスコピー・ジャパン・マーケティング部長。大学卒業後、為替ブローカー会社、外資系銀行にて為替及びデリバティブのインターバンク市場に従事。勤務していた会社が子会社として「オリエント・トラディションFX」(現在の外為どっとコム)を設立して以来、FXに携わっている。その後DMM.com証券、フォレックス・ドットコムジャパン、アルパリジャパンなどを経て現職。

公式サイト:デューカスコピー・ジャパン

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