トレーダーに向いている人とは[中里エリカ]

1998年に外為法(外国為替および外国貿易法)が改正され、外国為替公認銀行以外でも外国為替の取引が可能となり、現在の外国為替証拠金取引が日本の投資家に知られるようになった。インターネットや開発技術の向上により、今や1998年以前の金融機関のディーリングルームとは比較できないほど恵まれた環境でトレードできる。投資家はリアルタイムに情報を入手し、先進的なトレード環境の下でスピーディーな約定が実現されている。

もちろん、取引手法の差、証拠金の金額など個々に違うものの、個人的には一般トレーダーでもインターバンクディーラーでも、良いトレーダーといわれる人はある種同じものを持っている気がしてならない。一つは自分に正直であり、マーケットに正直であるということ。負けたら負けたと認められる人、そしてどんなに相場の方向性が正しいと信じていても、明らかに違う動きをしてきた場合にマーケットが正しいからと自分の考えをすぐに違う方向に変えられる人だと思う。

人の考えをいろいろ聞くのは良い。でもその通りにやる、もしくはいちいち誰かに聞いて自分で勉強をしない人はトレーダーとして向かない。「マーケットに勝つ」。簡単にいってしまえばそれだけのことだが、一人一人投資できる金額は異なるし、損失を出せる金額も異なる。満足度もまちまちで、自分が勝っていると思えば勝っているといえるし、自分が負けていると思えば負けているといえる。だからこそ、他の人の意見ばかりを聞いていても良いトレーダーにはなれないし、同じ価値観がない以上、他人の意見を聞いたり本を読んだりしながら、自分自身の価値観を見いだしていくほかない。

もちろん切り替えも必要だ。いつまでも負けにこだわっている人は、負の連鎖に陥りやすい。そういう人は一度取引を止めて頭をリフレッシュするまで取引をしない方が良い。これまで会った著名なトレーダーといわれる人々の共通点は、腰が低い。そして他人を思いやれて、懐が深い。相手の気持ちを考えることができるから、一歩下がって相場のことを考えることができるのだろう。

ここまで読み進めてきて、自分はそんなものは一つもそろっていない、と思う人がいるかもしれない。でも、カリスマ的なトレーダーもそうやって悩みながら、苦しみながらも生き残ってきたに違いない。生まれつきトレーダーに向いている人もいるかもしれない。だが、大部分の人は自身の努力により、大きく成長したのだと私は思う。

※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです

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中里エリカ(なかざとえりか)

デューカスコピー・ジャパン・マーケティング部長。大学卒業後、為替ブローカー会社、外資系銀行にて為替及びデリバティブのインターバンク市場に従事。勤務していた会社が子会社として「オリエント・トラディションFX」(現在の外為どっとコム)を設立して以来、FXに携わっている。その後DMM.com証券、フォレックス・ドットコムジャパン、アルパリジャパンなどを経て現職。

公式サイト:デューカスコピー・ジャパン

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