FXオプション取引 基本と戦略|第3回 オプション取引の種別[大西洋平]

権利行使のルールはタイプによって異なる

これまで2回にわたってオプション取引の仕組みについて解説してきましたが、今回はその種別について触れておきましょう。まず、オプションは「アメリカンタイプ」と「ヨーロピアンタイプ」にほぼ大別できます。両者の違いは、権利行使に関するルールです。

アメリカンタイプは、満期日以内ならいつでも権利を行使できます。これに対し、ヨーロピアンタイプが権利を行使できるのは、満期日だけに限定されています。つまり、アメリカンタイプの方が柔軟に対応できるわけです。このため、ヨーロピアンタイプと比べてプレミアムが高めになっています。

これら二つと比べればマイナーな位置づけといえますが、他にもオプションには「バミューダタイプ」と呼ばれるものも存在しています。こちらはアメリカンタイプとヨーロピアンタイプの中間的な内容のルールになっているのが特徴です。満期日までに権利行使が可能な日がいくつか設定されているのです。

バミューダタイプはもっぱら債券のオプションなどに用いられているタイプで、為替ではあまりなじみがありません。ただ、このようにオプションの権利行使については異なるルールが混在していることを留意しておきましょう。アメリカンタイプとヨーロピアンタイプのいずれであるのかを、取引を行う前に確認しておくべきです。

エキゾチック・オプションとは

一方、「権利行使の可能な期間」とは異なる観点でも、オプション取引をいくつかに分類できます。その中で、最もポピュラーな存在なのが「プレーン・オプション(別名:バニラ・オプション)」です。その名の通り、最も基本的なオプション取引で、当連載でここまで述べてきたのもプレーン・オプションに関する説明でした。

そして、このプレーン・オプションに特殊条項を加えたものを総称して「エキゾチック・オプション」と呼び、いくつかのバリエーションがあります。その代表例こそ、FXですっかりおなじみとなっている「バイナリー・オプション」です(図①)。

例えば原資産がドル円のコールオプションを買った場合、満期時に権利行使価格よりも対米ドルで円安になっていれば、一定の利益(ペイアウト)を得られます。逆に円高になったら、プレミアム分が損失となります。

プレーン・オプションの場合、相場が自分の予想と逆方向に動くと、損失が大きく膨らんでしまう恐れがあります。その点、バイナリー・オプションはプレミアム分に限定されていることから、国内のFX会社はこちらの方を積極的に取り扱っています。

バイナリー・オプションでは、自分が保有中のポジションを転売することも可能です。その際、当然ながら売却価格が購入価格を上回っていれば利益が得られ、その逆では損失を被ります。

レンジ内に収まると利益が発生するものも

やはりエキゾチック・オプションに該当するものの一つとして、「レンジ・オプション」も挙げられます。これは、満期時に原資産価格が特定のレンジ内に収まっていれば、利益を得られるという取引です。先ほどのバイナリー・オプションでは、このレンジ・オプションと似た取引を行うことも可能です(図②)。

まず、現時点において原資産価格よりも低い水準を権利行使価格とするコール(権利行使価格で買う権利)を買います。その上で、現時点において原資産価格よりも高い水準を権利行使価格とするプット(権利行使価格で売る権利)を買うのです。すると、それぞれの権利行使価格のレンジ内に収まった場合に利益が発生することになります。

あるいは、その逆のパターンでも同様の取引を行えます。現時点において原資産価格よりも高い水準を権利行使価格とするコール、現時点において原資産価格よりも低い水準を権利行使価格とするプットを買うという組み合わせです。

単発でバイナリー・オプション(ラダー取引)だけを売買すると、想定水準(権利行使価格)というピンポイントの突破が求められます。しかし、二つのポジションを建ててレンジ・オプションのような取引を行えば、「コールとプットの権利行使価格間」というレンジ内に収まれば収益が得られます。

他にもエキゾチック・オプションには、「ワンタッチ・オプション」というものがあります。ネーミングから想像できるように、原資産価格が満期までに一度でも権利行使価格に達すれば利益が得られます。これとは対極の関係にあるのが「ノータッチ・オプション」で、原資産価格が満期までに権利行使価格に達することがなければ利益が発生するというものです。

※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです

【FXオプション取引 基本と戦略[大西洋平]】
第1回 オプション取引とは?
第2回 オプション取引で重要な三つの用語

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※ここに記載されている情報は原稿執筆時のものであり、現在のものとは異なる場合があります

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大西洋平(おおにし・ようへい)

金融ジャーナリスト。出版社勤務を経て95年に独立し、マネー誌やビジネス誌、週刊誌などに金融経済分野を中心とした記事を寄稿。市場の最前線で活躍中のアナリストやストラテジスト、さらに上場企業トップの取材も多数手掛ける。FXをはじめ、金融取引全般に精通。