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+α実戦FXチャート術

ローソク足と酒田罫線|外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術

FX取引ではトレンドだけでなく、為替レートの細部の勢いに注目することも大切です。その一番の判断基準となるのが「ローソク足」。まずはローソク足のかたちを見て、その値動きを即座にイメージできるようになりましょう。特徴的なローソク足の組み合わせに着目した日本古来の「酒田罫線法」も、値動き予測にとても役立ちます。

※この記事は、FX攻略.com2016年2月号の記事を転載・再編集したものです

ローソク足で為替レートの勢いを判断。値動きが即座にイメージできるようにする

今回は、FXのチャート分析と切っても切れない関係にある「ローソク足」の見方を詳しく解説します。

日頃のビジネスシーンでは、折れ線グラフや棒グラフを使いますが、通常の折れ線チャートの場合、日々の「終値」という“点”を結んでいくだけ。“点”のなかでどんな動きが起こっていたかまではわかりません。

その“点”を「始値」「高値」「安値」「終値」という4つの情報(「4本値」)で多面的に表現したのが「ローソク足チャート」です。

“点”のなかで起こった値動きを、あとからリアルに振り返ることができるのが最大の魅力です。

本連載ではこれまで、FXでは全体の方向性=トレンドを最重要視すべき、と強調してきましたが、「神は細部に宿る」という言葉もあるように、全体を構成する細部で起こった値動きのニュアンスを把握することも大切です。

図1には、為替レートの値動きとそれを示したローソク足を表示しました。

まずは、さまざまな値動きをローソク足に落とし込むと、いったい、どんな形状になるか、瞬時にイメージできるようになりましょう。

図1を見てもわかるように、同じ上昇でも、いったん上昇したあと、力なく下落した場合(「上影陽線」)と、最初は下落したものの、急速に値を戻して上昇した場合(「下影陽線」)では、値動きのニュアンスがまったく異なります。

上ヒゲの長いローソク足は上値に上昇を阻む売り圧力があり、その壁を抜けられなかったことを示しています。反対に、下ヒゲの長いローソク足の背後には、為替レートを押し戻す根強い下支え役がいることがわかります。

上昇が続いて、ヒゲがまったくない「大陽線」の出現は、上昇の勢いが非常に強い証し。上昇トレンド継続中に出ればトレンドの加速、下降トレンドの大底圏で出ればトレンドが転換するシグナルになります。

反対に、「大陰線」は下降トレンド加速や上昇から下降トレンドへの転換シグナルになります。

ローソクの実体部分がない「十字線(寄引同時線)」は売り買いが拮抗した状態で、相場の天井圏や大底圏で登場すれば、為替レートの方向性が反転する兆しになります。相場が上にいくか下にいくか迷っている状態といえます。

ローソク足を見るとき、もっとも重要なのは実体部分の長さです。実体部分が長いのは始値から終値まで、一方通行の強い値動きが生まれた証拠なので、その強さを信頼して勢いが出た方向に乗った取引をするチャンスになります。

なにかと注目されるヒゲに関しては、上下両方に出ている場合は買い方・売り方の勢いが拮抗している証拠なので、様子見です。

売買判断に役立つのはやはり、極端に長い上ヒゲや下ヒゲになります。長い上ヒゲは上昇終焉、長い下ヒゲは底打ち反転の前兆になりやすいので、これまでと逆の流れが明確になったら、すぐ売買できるようにスタンバイしましょう。

このように、ローソク足の形状から、その後の値動きを予想する手法は、ローソク足が考案された江戸時代の米相場の頃から長年、培われてきました。

なかでも有名なのが、米相場で巨万の富を手にした山形出身の相場師、本間宗久が体系化した「酒田罫線」です。

酒田罫線は、数本のローソク足の特徴的な組み合わせから未来の値動きを占う、世界最古といってもいいチャート分析法なのです。

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酒田罫線の有名なローソク足の組み合わせを覚えて実戦の売買判断に役立てる

図2には、その代表的な組み合わせの名称を、買いシグナル/売りシグナルにわけて紹介しましたので、ご覧ください。

FX市場は通常、24時間、取引が行われるため、金曜日と月曜日のローソク足以外は、前日の終値と当日の始値が同じレートになります。そのため、「かぶせ線」と「陽の陰はらみ」、「切り込み線」と「陰の陽はらみ」がほぼ同じ形状になるなど、すべてが使えるわけではありません。しかし、酒田罫線が示す上昇・下落シグナルは、FX取引でも非常に有効です。

たとえば、天井圏で出現した「かぶせ線」や「陽の陰はらみ」「上位の抱き線」「三川宵の明星」などは相場が下方転換する重要シグナルになります。

大底圏で出現した「切り込み線」「陰の陽はらみ」「下位の抱き線」「三川明けの明星」は確かな底打ち上昇サインです。

FXのチャートでは、ローソク足の間に大きな空白が生じる「窓(まど)」は、土日を挟んだ取引以外、出現しません。4つの陰線が3つの「窓」を空けて出現したあとは、反転上昇に転じることが多いという「三空叩き込みには買い向かえ」といった教えなどは、単純に「陰線が4本連続したあとは上昇しやすい」というように、FX的に“置き換える”ことで利用しましょう。

それでは、実際のチャートを使って、酒田罫線のシグナルから相場の未来を予測する手法を見ていきましょう。

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酒田罫線のシグナルから相場の未来を予測する手法

図3の「米ドル/円」日足チャートは、1ドル125円の高値まで上昇が続いたあと、1ドル119円台まで急落する展開になっています。

「米ドル/円」の上昇が天井を打ち、一転下落モードに入る前兆となったローソク足は、図のAの地点に出現した「大陽線→大陰線」の組み合わせ、酒田罫線における「陽の陰はらみ」になります。

この間の値動きは、上昇が加速して大陽線が登場。しかし、翌日にはそれとほぼ同じ値幅の大陰線が出現して、その上昇を完全に打ち消すかたちになっています。値動き自体から考えても、明らかな反転下落サインですが、実際、「米ドル/円」の上昇が失速し、下落モード入りする前兆になっています。

この「陽の陰はらみ」をローソク足1本にまとめると、図のように、上ヒゲが極端に長い陽線になります。「米ドル/円」の上昇がピークを迎え、売り勢力が勢いを増した状態といえるでしょう。

FXチャートでは、天井圏や大底圏で、こうした「最後のひと上げ(下げ)」といえる大陽線や大陰線が出現することが多く、往々にしてその出現が相場大反転のシグナルになるので、注意しておいて損はありません。

その後、図のBの地点では、下落モードに転じた「米ドル/円」に大陰線が出現し、下げが加速しています。しかし、翌日には、その大陰線の値幅内に小さな陽線が登場し、酒田罫線における反転上昇サイン「陰の陽はらみ」のかたちになっています。

案の定、「米ドル/円」はいっきに切り返して反転上昇。この「はらみ線」を1本のローソク足にすると、「下ヒゲの長い陰線」になっており、長い下ヒゲが下げ止まりを暗示していました。

このように、チャート上に気になるローソク足の組み合わせが登場した場合は、「まとめて1本のローソク足で表現するとどんなかたちになるのか?」と考えるクセをつけましょう。

図のCの地点では、NYダウが1日で一時1000ドル超も下落した影響を受けて、「米ドル/円」も1日で5円以上暴落。極端に実体部分や下ヒゲ部分が長い、非常に象徴的な「大陰線」が出現しています。

この大陰線の前には3本の陰線が連続していますから、これはある意味、酒田罫線における「三空叩き込み=買いシグナル」です。

さらに、Cの大陰線には極端に長い下ヒゲがついており、下値で強烈な買い支えが入ったことを示しています。

実戦では、この大陰線だけを見て買い向かうのは無謀といえますが、翌日には小陽線が出現して「陰の陽はらみ」が完成し、4日間続いた暴落モードの終焉を暗示。「米ドル/円」がCの大陰線の始値の水準まで戻す反転上昇シグナルになりました。

ただ、こういった大陰線の出現は、長期間にわたって相場に影響を与えることが多いものです。

その後の「米ドル/円」の値動きは、Cの大陰線の始値と終値のレンジ内に終始し、上にも下にもなかなか抜け出せない状態が続いています。こういったときは様子見に徹して、どちらか一方に勢いよく抜けた瞬間に、その方向に追随する取引を行うのが基本戦略になるのです。

むろん、実際のFX取引では、ローソク足チャートだけでなく、そこに移動平均線などトレンド系指標を表示して、複合的に為替レートのトレンドと勢いを判断して取引を行うことになります。

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図4は、2015年に入ってから上昇が続いてきた「英ポンド/円」の日足チャートです。

その上昇トレンドを支えてきたのが、200日移動平均線(紺の線)で、図のAやBの地点でも「ポンド/円」の下落を阻む壁になりました。

トレンドフォローの考え方に立てば、AやBの地点まで下がったあと、勢いよく上昇に転じた瞬間は、「押し目買い」の絶好のチャンスとなります。  

たとえば、Aの地点では、200日線まで下落したものの、そこで計3度も大陽線が出現。200日線に支えられる底堅い展開が続いたあと、上昇に転じており、絶好の押し目買いポイントでした。

なかでも、最後の大陽線出現はその前の2本の「大陰線→小陽線」とあわせると、酒田罫線の「三川明けの明星」になっており、明らかな上昇シグナルでした。

図のBの地点でも、200日線を割り込んで下落したあと、200日線上に大陽線が出現。上昇モード再加速の号砲になりました。

その後、「ポンド/円」は高値圏から急落して、200日線を下回って推移していますが、図のCの地点では、上向きに転じた25日線に支えられるかたちで再度、200日線超えにトライしています。

しかし、最後のローソク足は上ヒゲ、下ヒゲともに長い小陽線となっており、まだ買い出動するには早いでしょう。今後、200日線上で明らかに勢いがある大陽線が出現すれば追随買い、200日線の壁に上昇を阻まれるようだと様子見、というのが売買戦略として適当といえます。

このように、移動平均線でトレンドと売買タイミングを測りながら、最後の確認として、ローソク足の大陽線・大陰線などで値動きの勢いを判断すると、より精度の高い取引が可能になるのです。

さて、24時間取引されているため、ローソク足の間に「窓」と呼ばれる隙間ができないのが株価チャートなどと違うFXの特徴ですが、土日を挟んだ取引では、例外的に「窓」ができます。

チャート上に窓が出現して上昇した場合、売り方が損切りのために出していた買い決済注文が一掃され、逆に、買い方の利益確定売りが膨らむことで、買いの勢いが弱まり、窓を埋めるように為替レートが下落しがちになります。

そして、いったん、この「窓埋め」が完了すると、その後は、窓が空いた方向への動きがふたたび加速することが多い、といわれています。

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図5は、「豪ドル/円」の今年6月~8月にかけての日足チャートです。

相場が安定しているときは、たとえ土日を挟んだ値動きでも、ローソク足の間に大きな窓が空くことはあまりありません。ただ、この期間中は、ギリシャがユーロ離脱の是非を問うた国民投票を実施するなど、土日に起こった政治イベントで為替レートが大きく変動する時期でした。

図5のなかの土日を挟んだローソク足に★印をつけましたが、計11回のうち、窓ができたのは3回。そのいずれにおいても、その後、ローソク足の上ヒゲや実体部分が窓方向に伸びて、窓埋めに成功していることがわかります。

なかでも、6月26日→6月29日(図のA)や、7月3日→7月6日(図のB)の「豪ドル/円」は、土日を挟んで1円超も急落していますが、いずれも月曜日には大陽線となり、その後には、窓埋めの方向に為替レートが向かっています。

そして、窓埋め完了後は、ふたたび窓が空いた方向に向かって為替レートの下落が続く展開になっています。

むろん、窓が生じた原因である土日の政治や経済イベントのインパクトが非常に強い場合、窓埋めが起こらず、そのまま窓が空いた方向へ、動きがさらに加速するケースもあります。

いずれにしても、土日を挟んだ値動きで、ローソク足に大きな窓が開いたら注目すべき。窓埋めが起こるか、また、窓埋め後に再度、窓方向の動きが加速するかに注目して、取引チャンスを狙いましょう。

※この記事は、FX攻略.com2016年2月号の記事を転載・再編集したものです

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