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移動平均線+RSI etc. トレンド系&オシレーター系の組み合わせ|外為オンライン 佐藤正和の+α実戦FXチャート術

今回は0〜100の間を上下動することから「オシレーター(振り子)系」と呼ばれる指標の代表格・RSIを取り上げます。「RSIは買われ過ぎ・売られ過ぎを見る逆張り指標」といわれますが、それは大間違い。単独で使用せず、必ずトレンド系指標と組み合わせて順張りで使うべきです。そこで、トレンド系の王様・移動平均線との、より実戦に即した組み合わせ手法を見ていきましょう。

※この記事は、FX攻略.com2016年4月号の記事を転載・再編集したものです

RSIは逆張りではなく順張りに使う。トレンド系との組み合わせが必須

実戦では、複数のテクニカル指標を組み合わせて使うのが一般的です。「100%当たるテクニカル指標」などありません。そのため、性格の異なる指標を二つか三つ用いて“多面的”に未来予測し、互いの長所を伸ばし短所を消すことで、実戦成績の向上を目指します。

為替レートの値動きは、上か下か横ばいかという「方向性」だけでなく、値動きの勢いが強いか弱いかという「強弱」も考慮すべきです。値動きの方向性は「トレンド」といわれ、値動きの強弱は「モメンタム」と呼ばれます。

実戦のFXでは、移動平均線などトレンド系指標に加えて、値動きの強弱=モメンタムを測る指標を一つか二つ加え、「トレンド+モメンタム」を同時に見るのが、基本の組み合わせになるのです。

為替レートの強弱を見るモメンタム系指標として最も有名なのは「RSI」です。

RSIは「相対力指数」と呼ばれ、数々のテクニカル指標を開発した米国のテクニカルアナリスト、J・Wワイルダーが1978年に考案しました。その計算式は、

●RSI=100—[100/(上昇幅のX日平均÷(上昇幅と下落幅のX日平均の合計))

となり、簡単にいうと、ある期間の値上がり幅が全体の値幅に占める割合を算出したものになります。「RSIが70以上なら上昇力が強い」「30以下なら下降力が強い」と判断します。

日本では、RSIというと70〜100なら買われ過ぎで売りシグナル、0〜30なら売られ過ぎで買いシグナルという“逆張り指標”と考えられていますが、これは大きな間違いです。

強い上昇トレンド相場では、RSIが70を越えて買われ過ぎシグナルが出続けていても、為替レートの上昇がさらに続く場合が非常に多く、逆張りすると大損する結果になりがちです。

「RSI=買われ過ぎ・売られ過ぎを示す逆張り指標」という“常識”はいったん忘れてください。  

RSIなどモメンタム系指標の買われ過ぎシグナルは、強い値動きが続いていることの証明と考え、逆張りでなく、その強い値動きに乗る順張りのチャンスと考えるのが正解なのです。

それは、実戦チャートのRSIと値動きの関係を見れば火を見るよりも明らかです。

図1はアベノミクスが始動した2012年11月以降の「米ドル/円」の週足チャートに期間14のRSIを表示したものです。

この間、「米ドル/円」は急上昇トレンドと横ばい相場を交互に繰り返し、下降トレンド入りしていません。そのため、RSIも「売られ過ぎ」といわれる30以下に一度も低下していません。

RSIを逆張りに使った場合、RSIが70以上の買われ過ぎゾーンから下落したa〜cの地点は「売り」ポイントになりますが、いずれもその後は横ばい相場で推移して成功しませんでした。

対して、RSIが70を越えて上昇した図のA、B、Cの地点で、逆に「米ドル/円」が買われ過ぎといえるほど強いモメンタムを持って上昇し始めたと考え、「買い」で勝負した場合、その後の急騰をとらえることができました。

このようにRSIはモメンタム指標として値動きの強弱判断に使うのが正しい使い方なのです。RSIをトレンド系指標と組み合わせて使うことで威力を発揮できるのも順張りに使う場合だけです。

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移動平均線でトレンド確認したうえでRSIの稼働レンジ・シグナルでエントリー

図2は急激な下降トレンドが続いた14年6月〜15年3月までの「ユーロ/米ドル」の日足チャートに20日、200日移動平均線とRSIを描画したものです。

図2の「ユーロ/米ドル」は長期の200日線だけでなく、短期の20日線も右肩下がりで推移し、強い下降トレンドが続いていることは明白で、「売り」を継続すれば大きく儲けることができました。

期間中、RSIはほぼ一貫して50以下で推移しており、逆に50以上に上昇したa〜cは「売り」ポジションをいったん利益確定してもいい地点となっています。

また、RSIが50以上に上昇した後に再び下落した地点A〜Dは、為替レートが20日移動平均線を突破して上昇したものの、再び、同線を割り込んだ地点と重なっており、いずれも絶好の戻り売りポイントになっています。

このように移動平均線とRSIなど、トレンド系&モメンタム系指標の組み合わせでは、

●まずトレンド系指標でトレンドの状況を判断し、その方向性に沿った取引をする(逆張りは厳禁)。

●トレンド継続中の「利益確定」や「押し目買い/戻り売り」ポイント探しにモメンタム系指標を使う(当然、トレンド系シグナルでダブルチェックする)。

という戦略が有効なのです。

RSIは0から100の間を行ったり来たりするため「オシレーター(振り子)系指標」と呼ばれるのが一般的です。「振り子」という言葉どおり、それほど強いトレンドがなくてもRSIは上下に激しく動きます。そのため、短期売買などでは移動平均線でトレンドを確認しつつ、RSIの“派手な”動きを活用して細かい値動きを素早く利益に変える戦略も有効になります。

図3は「米ドル/円」の昨年12月上旬の1時間足チャートに移動平均線とRSIを描画したもの。

移動平均線の傾きに着目すると、画面左では短期的な下降トレンド、中央では下値持ち合い(横ばい相場)、右側では上昇トレンドに転じていることが分かります。

その際のRSIの「稼動レンジ」に注目すると、左の下降トレンドでは50以下のゾーン、右の上昇トレンドでは50以上のゾーンで推移し、逆に乱高下気味に値動きが横ばいで推移した中央のゾーンでは30超〜70超の間を激しく上下動しています。

このように、RSIはトレンドが明白だと「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」ゾーンに張り付いていることが多く、この「張り付き」こそが強いトレンドが発生しているシグナルとなり、トレンドフォローにおけるエントリー&ポジション継続の根拠になるのです。

いわば、「RSIの動きが乏しくなること」が逆に強い売買シグナルというわけです。

一方、上昇・下降の勢いが拮抗した中央の横ばいゾーンではRSIは激しく乱高下しています。こういった状況では、RSIが70以上の買われ過ぎ圏からの下落で売り、30以下の売られ過ぎ圏からの上昇で買いという“逆張り”的な取引もある程度、成功しています。

しかし、その後、RSIは図3のAの地点でこれまでの稼働レンジの上限を結んだ線(レジスタンスライン)を突破。同時に長・短移動平均線がゴールデンクロスし、「米ドル/円」の上昇トレンドへの転換が明白です。この場面では、「RSIの稼働レンジの上方ブレイク」と「移動平均線のゴールデンクロス」という2つのシグナルが同時転換したことで安心して「買い」で勝負できました。

図3の下にトレンド状況とRSIの動き、売買シグナルの概念図をまとめました。

トレンド状況に応じてRSIの使い方を柔軟に変えることが、オシレーター系指標では絶対に必要なプロセスになるのです。

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ストキャスティクスと移動平均線、ボリンジャーバンドとRSIの組み合わせ例

さて、オシレーター系指標の中にはRSIの他にも「ストキャスティクス」や「RCI」などさまざまな指標があります。

「ストキャスティクス」は、ある期間の為替レートの最高値と最安値の値幅の中で、現在の為替レートがどこに位置するのかを指標化したものです。もっともシンプルな「%K」は、

%K=「その日の終値—過去n日間の最安値」÷「n日間の最高値—最安値」で計算します。

RSIが「値上がり幅」という“面”に着目しているのに対し、ストキャスティクスは最高値と最安値の間のどこかという“点”に着目した値動きの強弱判断法です。“面”以上に動きの速い“点”のため、暴れ馬のように激しく上下動するのが、ストキャスティクスの特徴となっています。

その難点を克服するために、ストキャスティクスでは%Kのm日間の移動平均「%D」や、さらにその移動平均である「%SD」といった、より滑らかな指数を計算し、「%D」と「%SD」のクロスを使って売買判断する「スローストキャスティクス」が一般的になっています。

図4は「米ドル/円」の日足チャートに10日、25日移動平均線と(スロー)ストキャスティクスを描画したものです。

RSIと同様に、まずは移動平均線でトレンドを判断。画面左のような横ばい相場では、ストキャスティクスのゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売りという“逆張り”的な取引にも使えます。ただし、図を見ても分かるように稼げる値幅をそれほど大きくありません。

画面中央の上昇トレンドの局面では、ストキャスティクスはRSIと同様、80以上の高値ゾーンに張り付きます。上昇トレンドですから、売りは捨て、押し目買いで勝負したいところですが、実際、%Dと%SDがゴールデンクロスした図のAやBの地点が絶好の押し目買いポイントになっています。

画面右では長・短移動平均線がデッドクロスして下降トレンドに転換。この場合はストキャスティクスで売り場探しとなりますが、図のC地点の%Dと%SDのデッドクロスが格好の戻り売りポイントを示してくれています。

オシレーター系指標と組み合わせるトレンド系指標としては「ボリンジャーバンド」もオススメです。ボリンジャーバンドは統計学の標準偏差の理論を用いて、中央の移動平均線を起点に為替レートが95%の確率で収まる±2σ(シグマ)、68%の確率で収まる±1σラインをバンドの形で表示して、為替レートの散らばり具合をビジュアル化したものです。

「為替レートが±2σラインに達したら逆張り」というのが”教科書的”な使い方ですが、強いトレンドだと、±2σラインを突き抜ける動きが続く場合も多く、安易に逆張りすると痛い目にあいます。それよりも、為替レートが±1σ〜2σの間で上昇(もしくは下落)し続ける「バンドウォーク」を狙ったトレンドフォローツールとして使うべき指標です。

ただ、±2σで反転するか、±2σを突き抜けるような強い動きが継続するかの判断は難しいところ。そこで、オシレーター系指標も表示し、その稼働レンジに注目することで、トレンドの継続や失速をダブルチェックする売買手法が有効となるのです。

図5は昨年4月以降の「英ポンド/円」の日足チャートにボリンジャーバンドと期間9、14のRSIを表示したものです。

画面左では、為替レートが+1σ〜+2σの間を上昇し続けるバンドウォークが発生。そのときのRSIの稼働レンジに注目すると、70前後に張り付いており、上昇の勢いの強さを確認できます。

ここで「買い」ポジションを保有していた場合、RSIが上昇トレンドの稼働レンジの下限を割り込んだAの地点が利益確定ポイントになります。

その後、BやCの地点で「英ポンド/円」は高値持ち合いから急落。その際は「ボリンジャーバンドのバンドの広がり」、「RSIの安値を結んだサポートライン割れ」の二つから下落の勢いの強さを確認したうえで、売りエントリーするのが大正解でした。

ボリンジャーバンドもRSIも「値動きの強さ=モメンタム」を見るのに最適な指標です。両者を組み合わせることで、±2σを越えるような急騰/急落など“強い値動き”をよりクリアに見つけることができます。

値動きの変化に対する反応はRSIやストキャスティクスの方がトレンド系よりかなり速いので、トレンド加速やトレンド転換の初動段階でいち早く売買して大きく儲けられるのも、トレンド系にオシレーター系指標を組み合わせる大きなメリットなのです。

※この記事は、FX攻略.com2016年4月号の記事を転載・再編集したものです

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