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経済指標をみる前の予備知識とその攻略法

最強FX基礎講座 第22回:岡安盛男
最強FX基礎講座 第22回:岡安盛男

■経済指標をみる前の予備知識とその攻略法

もっとも市場に影響する国の指標はやはり米国です。米国の経済指標が、発表される経済指標全体の7割から8割は影響を及ぼすといっても過言ではないでしょう。ただ、最近では、中国の経済指標にも市場の注目は集まり始めており、世界経済や株式にも影響を与えるようになりました。

これらの主な経済指標は、多くの金融機関や情報ベンダーにより、前もって予想値が発表されます。その市場予想値が全体に広がる頃には、すでに金融機関のディーラーなどはポジションを仕込みを始めるため、指標発表前に戦いは始まっているということになります。

ここではそのような経済指標をどう攻略していけばよいのかをご紹介します。

■各国経済指標発表の日時と予想数値はカレンダーでチェック

各国の重要と思われる経済指標の予想は、その発表の約1週間前にはだいたい出揃います。FX業者などが発表する数値のほとんどは、ブルムバーグやロイターなどの情報機関で発表されたものです。これら情報機関は大手金融機関エコノミストが発表する数字のいくつかを集め、その中心値を計算して発表します。

数値は直前まで変更されることが多いので、こまめにチェックしましょう。各国の主要な指標のほとんどは発表の日程と時間が決まっています。重要な指標ほど市場は注目しますから、その発表前後では値動きが激しくなることがあります。

為替取引では、値動きが活発なときを狙うことが取引の効率化に繋がります。稀に発表時刻がフライングして、予定より早く発表されることがありますので気をつけましょう。

重要な経済指標は発表の日にちや時間、そして、予想をチェックしておくことはデイトレーダーの必須事項です。週の初めにその週の主な経済指標の予想値や要人発言、金融政策などのスケジュールを知ることです。それらはFX業者のホームページや新聞などで調べることができます。問題は、どれが注目される指標なのか知っておかなければならないことです。

さて、経済指標はいつ、どこでどう反応するのでしょう。先ほど述べたように、指標の予想はいっせいに発表されるわけではありません。徐々に数字は市場に浸透していき、いつの間にかその予想された数字が当然のように広がっているというパターンが多く見られます。

■織り込み済みとは

たとえば、複数の金融機関のエコノミストが米国の0.25%の金利引き上げの予想をしたとします。実はその時点で、市場もそれ以前からいろいろな要人発言や経済指標などから、すでに0.25%の利上げを予想していることがほとんどです。従って0.25%の予想が発表されたとしても、すでにドルは買われて底堅い動きになっています。

このように、予想が広がった時点ではすでに織り込まれていると考えます。必ずこれが当てはまるとはいえません。市場では何%織り込み済みかといったような「数字」で表すことが難しいため、ある程度は感覚でつかむことが大切です。

市場が実体以上に織り込み過ぎなのか、あるいはまだ十分織り込まれていないかを読み取ることが、デイトレの勝負のわかれ目になるともいえます。

■指標発表前と発表後の相場の動き

米国の主な指標は22時半、24時(サマータイムでは21時半、23時)に発表されます。とくに、重要な指標は金曜日に発表されます。週末ということもあり、ポジション調整の動きが活発になるため、そういうときこそ織り込み済みかどうかを知ることが大切です。

重要な数字であるほど、発表の前日あたりから調整の動きが見られることがあります。一般的に買われ過ぎているときは売り戻し、売られ過ぎている場合は買戻しの動きが活発になります。

そして、発表当日の東京市場から欧州市場に移る時間帯などは、ポジションの振り落としを狙った投機的な動きも加わり、売り買いが交錯する場面もあります。ただ、指標の発表される数時間前からは流動性が低くなるため、値動きは極端に低くなります。

この時点で、市場の短期的なポジションはだいぶ調整され、ニュートラルに近いと見てよいでしょう。市場参加者のなかには、指標の発表前に大きく仕掛けたり、発表と同時に纏まった金額で相場を誘導しようとする投機的な動きが見られます。

発表と同時に、このような動きが出ると、市場はその方向についていこうとする習性がみられます。その動きに一緒に乗っていくのもスキャルピングにとって稼ぐチャンスにもなります。

ただし、このような投機で動いたときは、すぐに戻されることが多く、遅い後追いは怪我をすることがあり、注意が必要です。発表前の静かな状態のときに、レートの上下に逆指し注文を入れておくというやり方もあります。

たとえば、「ドル/円」のレートが100円で動かないときに、100円20銭に逆指しの買い注文を入れると同時に、99円80銭に逆指しの売り注文を入れておきます。重要指標の発表のときは一方向にポジションが偏りやすいものです。もし、予想に反した数字が発表されれば、どちらかに大きく跳ねるのを期待して仕掛け、注文を入れておく方法です。

しかし、これには問題があります。それはスリッページといって、指定したレートより悪いレートで取引が成立することです。そのような場合は利益ではなく、むしろ損失が出る可能性も生じますので、あまりお勧めできない取引方法です。

いずれにしろ、短期決戦の博打的な取引といえます。相場というのは時間が経てば、いくべき方向へ最後は向かうものです。発表後にじっくりと方向性を確かめて取引を行うことをお勧めします。

ときには、発表された指標が予想を上回る好数字である場合でも、あまり織り込まれ過ぎた場合は、買われずに売られる場合もあります。その反対の場合も然りです。

■経済指標の見方

経済指標は市場参加者にとって相場を左右する重要なものですが、これはその国の中央銀行にとっても、今後の政策決定をするための判断に欠かせないものでもあります。従って、発表された数字が市場参加者のポジションの動きもさることながら、今後政策にどう影響するのかなど、先々を考えて反応することも重要です。

経済指標の見方にはポイントがいくつかあります。それは数字を前月比(前期比)で見るのか、前年比で見るのかということです。これは市場の状況にもよります。

たとえば、市場がリーマンショックの前のレベルまで戻るのかを注目しているという場合には、前年比が注目されます。前月比がマイナスでも、前年比でプラスであれば、改善されているというようにみます。

前年比で見る必要がある指標は、基本的に前月比と前年比の数値が必ず同時に発表されます。市場は「比較」か「方向性」のどちらに注目しているかを知ることが大切です。

前年と比較して悪化した数字が発表されると、市場は売り材料ととらえます。しかし、景気底入れ期待が高いときなどは、方向性に重点を置きます。過去数カ月間、悪化傾向が縮小してきた場合には、数字自体が悪くても、方向性を重視しているときには回復傾向ととらえて、買いで反応します。

マニュアル通りに動くのではなく、市場のセンチメントを見極めながら、臨機応変に対処してください。

■主な経済指標

経済・金融指標を総合的に見て判断を下すために、景気総合指数というものがあります。これは、景気に先駆けて発表される先行指数、その時点での景気を現わす一致指数、後から確認するかたちで発表される遅行指数の3種類にわかれます。そのなかでも重要と思われるものが次の表です。

図表1

この3つの区分けを覚えておけば、指標発表のときにどう反応すればよいか参考になります。

■注意点

発表時期

米国の経済指標は、日本よりもおおむね早く発表されます。たとえば、GDP統計などを見ると、米国では4半期終了の翌月には速報値が発表されます。しかし、日本では翌々月に速報値が発表されるため、当然、早く発表される米速報値に市場の注目度は高まります。

しかし、早く発表されるだけ米国指標の信頼性は低くなります。日本の統計値はほとんど改定されず、もし改定したとしても、小幅なものに留まります。しかし、米国の改定値はマイナスがプラスになるなど、大逆転するような大幅な改定も珍しくはありません。

ただし、市場というのはすでに発表し終わった前回、前々回の改定値などに対してはそれ程注目せず、もっとも新しい指標にのみ反応する傾向があります。

指標の定義の違い

国によって統計の定義が異なり、単純に比較ができません。たとえば、失業率やマネーサプライなど日米に違いがみられます。失業率をみても、労働習慣や人口動態などの違いもあり、単純にどちらが高いとか低いといった比較はできません。見るのであれば、方向性や、前回の数字の比較で判断することになります。

各経済指標の解説

経済指標を分野別にわけるとすれば、「雇用」「物価」「貿易・国際収支」「住宅」「製造業」「個人と景気」の6つになります。分類別に、とくに重要な指標についてご説明します。

雇用

●米国雇用統計…発表日時・第一金曜日22時半〔夏時間21時半〕。

「非農業部門雇用者統計」
雇用統計には10以上の項目があり、それらが発表されます。そのなかでもっとも注目されるものは非農業部門雇用者統計(NFP)と失業率です。
雇用者とは給料が支払われているか否かが基準になります。従って、雇用情勢は個人の所得や個人消費に大きく影響を及ぼすため、米国当局も注目するもので、これは金融や経済政策を左右する程の重要な指標です。
そのなかでも、非農業部門雇用者数は農業就労者以外の事業者の給与や支払いの帳簿を基準に雇用者数を集計したものです。この調査方法は家計調査と事業所調査をベースにした2つにわけられ、労働統計局で作成されます。そのためか、市場予想と大きく乖離することもあり、為替市場では波乱材料として見られるため、注目度は非常に高いといえます。
図表2
【図表2】は、6月4日の21時半に5月の米雇用統計が発表されたときの「ドル/円」5分足チャートです。非農業部門雇用者数が市場予想の53.2万人を下回る43.1万人と発表されたことで、ドル売りが強まりました。92円70銭付近から一気に91円90銭付近まで80銭あまり下落しているのがわかります。このように、市場予想と大きく異なった場合は相場へ大きな影響を与えることになります。

「失業率」
失業率は、失業者÷労働力人口×100で計算されます。この数字も政策変更のきっかけになることが多く、とくに、金融政策の変更時には要注意です。
失業率は景気の動きに遅行するため、もし失業率と非農業部門就業者数の数値が相反する予想結果となったときには、非農業部門就業者数のほうが市場は重要視する傾向があります。
図表3
この図からもわかるように、雇用統計が発表と「ドル/円」の動きに強く影響することがわかります。

●新規失業保険申請件数…毎週木曜日22時半に発表〔夏時間21時半〕。
初めて失業した人が失業保険給付を申請した件数です。週ごとに発表されるため、速報性は高いものの、祭日や天災などが影響するため、係数のブレが多いというデメリットがあります。そのため、マーケットが注目するのは前週比の増減になりますが、翌週には必ず改定されるため信頼度はやや劣ります。

●ADP雇用統計…雇用統計の2営業日前の22時15分に発表〔夏時間21時15分〕。
ADP社は米国民間給与計算アウトソーシング会社で、全米50万社の給与計算を代行で行います。雇用統計前に発表されるため注目されますが、雇用統計の数字とは直接関係が薄いものの、数字次第では思惑で相場が動くこともあります。

●チャレンジャー人員削減数…翌月の最初に発表されます。
大手人材会社チャレンジャー・グレイ&クリスマス社が、米企業が発表した人員削減数や新規雇用数を集計し、発表します。

その他、雇用関連の指標では、全米供給管理協会が発表する「ISM指数」の質問項目に雇用があり、企業の雇用状況を判断するうえで参考になります。
また、消費者信頼感指数にも雇用に関する複数の質問事項があり、消費者の雇用状況を知るうえで注目されます。

物価

物価は金利動向に直接関るもので、金融政策の転換時期にはとくに注目されます。物価が上昇を抑制するために、金利引き上げ圧力となります。物価安定を目標とする中央銀行は、物価動向にとくに注目するもので、重要指標のひとつとなります。

●生産者物価(PPI)…翌月15日前後22時半〔夏時間21時半〕。
日本の卸売物価に相当するものです。係数は最終財、中間財、原材料の段階別に分類されます。食料やエネルギー価格は季節的要因などで乱高下するため、これらを除いた最終財価格がコア・インフレ率と呼ばれるもので、市場がもっとも注目するものです。コア・インフレ率は、雇用コスト指数や単位労働コスト、時間当たり平均賃金、商品価格指数などを材料に予想されます。

●消費者物価指数(CPI)…翌月15日前後発表。
生産者物価と並び、インフレ動向を見るうえで重要指標のひとつで、生産者物価よりも数日遅く発表されます。変動の大きい食料やエネルギーを除いたコア・インフレ率のトレンドが注目されます。雇用コスト指数や時間当たり平均賃金などを材料に予想されます。

●個人消費支出デフレーター…翌月下旬発表。
FRBはとくにこのコア指数(エネルギー食品価格の変動を除いたもの)を重要視しているといわれており、米国の金融政策を予想するうえで重要な指標で、1%~2%の範囲内が望ましいとされています。
PCIとCPIとの違いは、計算方法や対象品目などです。CPIは消費者が直接支払う消費支出を対象とするものに対し、PCIは保険制度による医療費の支払いなど間接的な負担も対象としたものです。この2つは必ずしも近い数字にならないこともありますが、長期的には同じような動きになります。

貿易・国際収支

国際収支とは、外国と一定期間に取り交わした経済に関わるすべての取引をまとめたもので、経常収支と貿易収支にわかれます。
外為市場における需給は、この国際収支で決まるという理論もあり、お金の流れを見るうえで重要な指標となります。80年代から90年代にかけて、日本と米国の貿易収支の格差が市場の注目を浴びました。日本の膨大な貿易黒字が円高を招いた要因のひとつであることは間違いないでしょう。
最近ではそれ程重要視されなくなりましたが、今後、再び景気回復に伴い、注目度が高まる可能性があります。

●貿易収支…翌々月10日前後発表。
経常収支とは、貿易収支と貿易外収支、移転収支の合計です。貿易収支とは、簡単にいえば輸出と輸入の差で、輸出が輸入を上回れば貿易黒字で、下回ると貿易赤字になります。国別でも発表され、日本に対して赤字額が拡大すれば、「ドル/円」の売り材料、縮小すれば買いに反応しやすくなります。
最近では、対中国で赤字が拡大しており、今後貿易摩擦の火種になりかねず、米中の要人発言などにも注意をする必要がありそうです。

住宅

住宅バブルの崩壊により、低所得者向け住宅ローンであるサブプライムローン問題が世界の金融危機を引き起こしました。住宅市場の動向は米国だけではなく、世界の景気にも大きな影響を及ぼすため、住宅関連に関する市場の注目度は高いといえます。

●住宅着工件数・建築許可件数…翌月第3週発表。
住宅着工件数は、月中に一戸建てと集合住宅建設が開始された新設住宅戸数です。天候に左右されやすいため、季節調整後でも数字のブレが大きいので、過去数カ月のトレンドを見ることが大切です。
家が一軒建つことで、それに伴い家具や家電製品、カーテンに至るまで消費が高まることから、景気に大きく影響します。また、金利が低下することで住宅着工が増加し、景気が上昇するため、金融政策とも密接に関わってきます。

住宅着工と同時に発表されるのが建設許可件数です。住宅に先立ち、地方自治体などに許可申請が行われた発行件数の統計です。着工件数の先行指標にもなるため、景気先行指標として注目されます。

●新築住宅販売件数…翌月25日前後に発表。
景気変動に対してもっとも先行性が高い指標のひとつです。該当月に販売された新築住宅件数。契約者が署名したものが集計のベースになります。

●中古住宅販売件数…翌月25日前後に発表。
景気変動に対する先行性が比較的高く、販売件数も新築住宅販売件数に比べて圧倒的に多いのが特徴です。

●S&Pケースシラー住宅価格…翌々月7日前後に発表。
米国大手格付け機関のスタンダード&プアーズが公表する、全米20主要都市の住宅価格動向を示す指数です。住宅価格は個人消費に大きな影響を与えるため、景気指標としても最近、とくに注目度が上がってきています。

製造業

製造業と雇用の関係は強く、先日も大手米国自動車会社の倒産などから多くの雇用を喪失しました。また、ドルレートの変化が製造業の雇用と産出量に重要な影響を与えることから注目されます。

●鉱工業生産指数…翌月央発表。
鉱工業部門の生産動向を指数化したものです。GDPに占める製造業の割合は約13%と相関性が高いため、同じような動きを示します。しかし、GDPは4半期ごとの発表のため、景気実態を把握する指標の速報値として注目されます。発表では過去3カ月分が改定され、同時に設備稼働率も発表されます。

●耐久財受注…翌月末発表。
製造業受注の最終報告の2週間前に発表されるため、その先行指標とされます。マーケットの注目は耐久財新規受注で、そのうちの非国防資本財受注がとくに注目されます。月々の統計はブレが多く、過去2~4カ月分が改定されます。
ブレが多いということは、それだけ為替の値動きが大きくなりやすく、デイトレにとってもチャンスは増えそうです。

●ISM景気指数(全米供給管理協会)…翌月第1営業日。
製造業400社以上の購買担当役員にアンケート調査を実施し、生産・新規受注・入荷遅延比率・在庫・雇用の各項目について、その1カ月前と比較し、「良い」「同じ」「悪い」の3択で回答します。50%を下回ると景気後退、上回ると景気拡大を表すとされており、企業のセンチメントを反映し、景気転換の先行指標として注目されます。 さらに、主要指標ではもっとも早い翌月第1営業日に発表されるということも注目度を高めているようです。

●フィラデルフィア連銀製造業景況指数…翌月第3木曜日発表。
ISMと同様に、フィラデルフィア連銀の管轄する地域で製造業企業に向けたアンケート調査の結果です。現状に対し、「1カ月前との比較」と「6カ月後の期待」の10項目について、「良い」と「悪い」の回答の比率の差で表されます。
ISMとの相関は非常に高いとされます。また、これに類似する調査として、ニューヨーク連銀製造業景況指数があります。

景気・個人

●小売売上高…翌月第2週発表。
百貨店などの小売業の売り上げを調査し、推計したものを発表します。耐久財と非耐久財にわけて発表されますが、自動車販売の数字が大きいため、その数字を除いたものが注目されます。
たとえば、米国が景気対策として自動車の買い替え支援を行った場合など、一時的に売上高が膨らむことがあり、景気回復の実態がわかり難くなることもあります。

●個人所得・個人支出…翌月下旬発表。
消費にもっとも影響を与えるのが個人所得です。社会保険料を控除した実際の手取額です。構成項目には貯蓄率も含まれ、サブプライムローン問題が発生して以降、市場の注目度は高まったといえます。
また、個人消費支出も1カ月間でどれだけ消費したかを示すものとして注目されます。発表と同時に、直近の2~4カ月分が改定されます。

●消費者信頼感指数…翌月最終火曜日。
消費者のアンケートを元に消費者マインドを指数化したものです。質問項目は、現在の状況(経済と雇用の2項目)と6カ月後の予想(経済、雇用、所得の3項目)で、これら5項目の平均が期待値として発表されます。これは個人消費との相関関係が強く、信頼性が高いことから、消費の動向を把握するには重要な指標です。

●ミシガン大学消費者信頼感指数…速報値は翌月第2、あるいは第3金曜日、確報値は第4金曜日。
ミシガン大学が実施するアンケート調査で、速報値は300人、確報値は500人を対象に行います。1年先、5年先のインフレ期待も調査項目にあり、直接消費者のインフレへの意識を知ることができます。
この指数は、消費者信頼感指数に先行して発表され、また予想値との振れが大きいことから、デイトレーダーにとっては注目度が高そうです。

●GDP[国内総生産]…4半期終了の翌月末に「速報値」、翌々月末が「暫定値」、翌々々月末が「確定値」。
米国経済全般の景気動向を見るにはGDPがもっとも適しており、もっとも注目度の高い指標のひとつです。個人消費・設備投資・住宅投資・在庫投資・純輸出・政府支出などから構成されます。
このなかでもっとも比率の高い項目は、GDPの約7割を占めるとされる個人消費支出で、GDPデフレーターと共に、市場の注目度が高いとされます。
GDPには、名目GDPと実質GDPがあり、名目GDPはその期間内の経済活動水準を市場価格で評価したものです。実質GDPは、名目GDPから物価変動の影響を除いたものになります。
市場がもっとも注目するのは、真っ先に発表される速報値で、その他は速報値と大きく違わない限り、それ程大きなインパクトはありません。

■注目される指標はその時代で変化

経済指標は、その時々の市場の状況で注目度が変わります。たとえば、1980年代から90年代にかけては、米国や日本の貿易収支の数字がもっとも注目されましたが、今ではほとんど反応しなくなりました。

その反対に、米国雇用統計や住宅関連の数字が注目されるようになりました。このように、市場の注目する指標は時代の流れのなかで少しずつ変わってくるもので、短期間でもその変化はみられます。

たとえば、サブプライムローン問題の発端となった米国住宅価格などは、景気回復期待が囁かれるようになれば、それまであまり重要指標とは見られなかった住宅関連の指標などに注目が集まるようになります。

また、各国の金融政策の転換時期には、個人消費のような物価動向など、インフレを左右するものなどに市場は反応しやすくなります。

このように、その時々で市場は何を注目しているのかを知ることでチャンスをものにしましょう。

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