前回までに、レンジ取引やトレンドの活用方法を見てきました。そこでは、わかりやすいテクニカルポイントを使って、特殊なことが起こらなければ、相場はそのままの状況を維持するという前提に基づいて行動するものでした。
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- 相場の入り方、出かたの達人を目指そう! 第3回:持田有紀子
- 相場の入り方、出かたの達人を目指そう! 第3回:持田有紀子

前回(記事はこちら)までに、レンジ取引やトレンドの活用方法を見てきました。そこでは、わかりやすいテクニカルポイントを使って、特殊なことが起こらなければ、相場はそのままの状況を維持するという前提に基づいて行動するものでした。
相場が上昇すれば、上サイドのテクニカルポイントとなるレジスタンスに近づくことになり、跳ね返される圧力が高まります。反対に、相場が下落すればサポートに近づき、やはり、下がりにくくなる力が働いてしまうというものです。
■損切りの必要性
しかし、相場がずっと同じ状況であり続けることはありません。いつかはテクニカルポイントをはみだします。これをブレークといいます。せっかくつくったポジションですが、あくまでもテクニカルポイントから外へ飛び出ない想定のもとでのことです。
目の前の事実として、想定外のことが起こったら、つくったポジションは損失しか生みません。そこで損切りが必要となってくるのです。
相場に入ると決めた以上、そこには何らかの動機があったはずです。「安いから買ってみた」も立派な理由のひとつでしょう。ではなぜ、今が安いと思ったのでしょう。昨日、買いたくても買えなかったレベルだったという理由もあるでしょうし、純粋に相場のサポートに近づいてきた、あるいは他になにか特殊な材料が出てきて、「自分も早く買わなければ」と思ったのかもしれません。
理由はともかく、買うと決めたからには、自分が買った後は相場が上がってくれないと困ります。強力な理由で買ったとしても、そう感じているのは自分一人だけかもしれません。もし仮に、マーケット全体がそう思っていたとしても、多くの参加者がすでに先に買い込んでいれば、さらなる相場上昇の余力に乏しいことになります。
当初の予定と相場が反対に向かったなら、即座に損切りの態勢を取らなければならないのです。思い描いていたシナリオとは違った展開が、眼前で繰り広げられているからです。テクニカルポイントをブレークしてくるというのは、まさにその典型です。
■損切りは機械的に
では、損切りを行うには、実際にどうするかを考えてみましょう。
自分で相場を追いながら、アゲインストにもっていかれたら、反対売買を行うのが損切りです。そう素直に行動するのが理想ですが、現実的にはなかなか困難なものです。
その大きな理由は、そもそも自分の思い入れでつくったポジションなので、なかなか自分が間違っていたことを認めにくい気持ちが働きます。多少、相場が反対にいっても、つい我慢してしまい、そのままズルズルと下げにつきあう羽目に陥るのです。
気がつけば、初めに想定していたロスを上回っていて、泣くに泣けない状況になっているという具合です。そこで損切りは、ある程度は機械的に行うべきだと、胸に刻んでおかなくてはいけません。
「自分のコストよりも、このくらい反対にいったら投げる」か、ポジションをつくる前から損切りポイントを決めておくことにするのです。決めてしまえば、後は忠実に損切りが実行できるかどうかだけの問題です。
テクニカルに従ってポジションをつくった場合は、テクニカルポイントの近づいたところで買う、もしくは売ることになるはずです。この場合、テクニカルポイントの内側で相場が踏みとどまることを前提にしているので、損切りラインはとても明確で、テクニカルポイントから外側にちょっとはみ出たところとなります。
■損切り注文損
切りを機械的に行うには、ストップ注文を利用するのが便利です。通常の売買注文は、リミット注文(指値注文)といって、「高くなったら売り」か、「安くなったら買い」を指定するものです。一般的に、「ドル/円」を買いたい、売りたいといったときに、現在の相場のレベルよりも少し離れたところで値段を指定する方法です。
今の相場が82.65円であるときに、「83.00円ちょうどまで上がったら売りたい」とか、「80.65円まで下がったら買いたい」といったものです。
これに対して、ストップ注文は、「高くなったら買い」か、「安くなったら売り」を指定する注文です。具体的には、今の相場レベルが82円であるときに、「83円まで上がったら、すぐさま買い」とか、「80円まで落ちたら、そこで成り行きで売り」といったものになります。
リミット注文のほうはイメージしやすいと思いますが、ストップ注文のほうはなかなか最初は慣れないものです。今の相場のレベルでも十分に買えるのに、わざわざそれよりも高い値段を指定して買ったり、または、今の値段で売ればよいのに、わざわざとても安いレベルで売ろうとする方法だからです。
■買ったものは売る、売ったものは買う
では、なぜこのような注文形式が必要とされるようになったのでしょうか。
注文の名前が示すように、ストップロス、すなわち、損切りに使えるからです。自分が買った場合には、次のアクションは売りになります。買ったものはいずれ売らなくてはなりません。相場が上がっていればいいのですが、相場が自分のコストよりも下がってしまい、安くても売って処分してしまわなければいけないときに必要となる注文方法なのです。
ポジションには買いもちと売りもち、すなわち、ロングとショートがあるように、ストップ注文には、「売りのストップ」と「買いのストップ」があります。ロングであれば、売りのストップ注文を置くことになりますし、ショートであれば、買いのストップ注文を置くことになります。
■初めからストップ注文をだすほうが無難
もちろん、自分でダイレクトに相場を見ながら、自力で反対売買を行ってもいいのですが、ときとして相場は激しく走り出すことがあります。そんなときは、自分で成り行きの注文を出しても間に合わないことも多く、想定していた損切りポイントよりも、さらに悪いレベルで始末しなくてはいけないことにもなりかねません。
初めから損切りポイントを確定し、ストップ注文を出しておいたほうが無難でしょう。ストップ注文を出してさえおけば、損切りは自動的に行われるため、投資に対する最大の損失額はほぼ確定されます。損失さえ限定できれば、あとは何をやってもよいことになるのです。







