チャートを見ていると、注文を出したくて、出したくてしょうがなくなる病気をご存じでしょうか? 投資家たちの間では、いわゆる「ポジポジ病」といわれている病気で知られています。ポジポジ病にかかりやすい人は、そもそも売買戦略が確立されていないトレーダーが多いように感じます。
- 特集記事一覧
- >>
- ブレイクアウト戦略を活用し、ハイリターンをつかむ!:饗庭道孝
- ブレイクアウト戦略を活用し、ハイリターンをつかむ!:饗庭道孝

■エントリー判断に迷わないために、売買戦略の確立
チャートを見ていると、注文を出したくて、出したくてしょうがなくなる病気をご存じでしょうか? 投資家たちの間では、いわゆる「ポジポジ病」といわれている病気で知られています。
ポジポジ病にかかりやすい人は、そもそも売買戦略が確立されていないトレーダーが多いように感じます。売買戦略すらも確立されていなければ、どのポイントでエントリーしていけばいいのかもわからないため、適当な箇所で売買を繰り返すことに繋がります。エントリーポイントが正しくなければ、利益を上げることができないばかりか、大切な資産をすり減らしてしまうことにもなりかねません。
では、ポジポジ病から脱却し、適切な売買ポイントを見つけ出していくためにはどうすればいいのでしょうか?答えは簡単で、売買戦略を確立する必要があります。売買戦略が確立されていれば、相場の動きに振り回されることがなくなるため、正しいポイントで注文を出せるようになります。
ただし、売買戦略を駆使していくためには、まずはトレンド(方向性)を発見しなければなりません。チャートに描かれているトレンドが、上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、横ばいトレンドなのか、3つのトレンドのうちのいったいどのトレンドに該当するのかを把握するのです。トレンド把握ができれば、あとはそのトレンドに沿うように売買戦略を使っていけばいいだけです。
では、いったい売買戦略にはどのようなものがあるのでしょうか? 売買戦略は全部でわずか3つしかありません。順張り、逆張り、ブレイクアウトの3つだけです。覚えるのは、たったのこれだけなので簡単ですね。■ブレイクアウト戦略とは?
今回は、このパターンのなかでも、短期間の間に利益拡大を狙えるスタイルである「ブレイクアウト戦略」について解説していきたいと思います。
ブレイクアウト戦略とは、トレンドの転換点をいち早く察知し、その変化をとらえてエントリーしていく売買戦略のことです。いつまでも継続するかに見えるトレンドも、いつか必ず転換期を迎えます。上昇しすぎたトレンドほど、いずれは大きく下がる転換期を迎えますが、その転換点を上手にとらえることで、短期間のうちに大きな利益を出すことも十分可能となるのです。
それでは、ブレイクアウトの理解を深めてもらうために、図を使って説明していきたいと思いますので、【図1】をご覧下さい。
【図1】のトレンドブレクパターン1が、ブレイクアウトの一般的なパターンです。【図1】の左上を見てください。上昇トレンドラインの下へのブレイクは、上昇トレンドの角度がさらに緩やかになることを示唆しています。したがって、上昇トレンドが弱まっているポイントであることがわかりますので、ライン下抜けの青丸の箇所でショートで入ります。
同様に、【図1】の右上の下降トレンドラインの上抜けで、青丸のポイントでロングを入れることができます。下降トレンドラインを上に抜けていることから、相場は新たなトレンドに転換する可能性がでてきています。
パターン1の場合に注意したいことは、ブレイク自体がいわゆる“騙し”になってしまう可能性を秘めているということです。“騙し”とは、たいていの場合一時的にトレンドラインを割るものの、その後すぐにV字で戻し、元のトレンドラインまで戻ってくることをいいます。上昇トレンドラインを下抜けで売り(ショート)をしてみたものの、その後、上昇トレンドラインの上まで為替レートが戻すことで“騙し”を形成することは、よくあることです。この“騙し”は厄介で、ブレイクだと思っても元のトレンドラインまで上昇してくるわけですから、損切りが増える要因となります。■ブレイクアウト戦略の裏技的な使い方
そこで、今回はブレイクアウト戦略の裏技的な使い方を紹介したいと思います。【図1】のトレンドブレイクパターン2をご覧下さい。
【図1】の左下をみると、サポートラインとしての機能をもつ上昇トレンドラインを、為替レートが下に割り込んでいることがわかります。一度、上昇トレンドラインを割り込むと、今度は、この上昇ラインがレジスタンスラインの機能に変わり、上値を抑えています。
したがって、上昇トレンドラインには、レジスタンスラインの効果があるという前提で、赤印のポイントで反発・反落を確認した後に、ショートを仕掛けていくことができます。このパターンは、私の経験則で見ても、テクニカル的に勝ちやすい王道的なパターンとなります。
なお、一般的にブレイクアウトが確定する場合というのは、トレンドラインの役割の変化が確認できたときとなります。つまり、【図1】の赤丸のポイントのように、トレンドラインを一度抜けるも、再度ライン付近で反発や反落を確認した後でエントリーすることは、確率を高める有効なエントリー手法となるのです。
逆に、【図1】の青丸のブレイクの確率はあまり高くはありません。“騙し”の可能性が高くなります。どうでしょうか?なんとなく、ブレイクアウト戦略というものがつかめてきたのではないでしょうか?■ブレイクアウト戦略はハイリターンを狙える
それでは次に、ブレイクアウト戦略を使って、大きな利益を生み出すテクニックをご紹介します。大きなリターンを得られる相場というのは、当たり前のことですが、為替レートの動きが激しい、つまり、ボラティリティが大きい相場のときです。
ボラティリティが激しい相場というのは、多くの場合、マーケット参加者から信用されていたトレンドラインをブレイクしたときに起こりやすくなります。換言すれば、信用されるトレンドラインがどのようなラインなのかということを理解していれば、相場が大きく崩れるポイントを見つけることは、誰にでもできる簡単なことです。
では、信用されるトレンドラインとは、いったいどのような条件を満たしたラインとなるのでしょうか? それは、“長期間続いたトレンドライン”と“為替レートを跳ね返した回数が多いトレンドライン”という2つの条件を満たしたトレンドラインとなります。
“長期間続いたトレンドライン”は、日足チャートや週足チャートなど、期間の長いチャートより形成されるトレンドラインとなります。10分足チャートや1時間足チャートより形成されるトレンドラインよりも、日足チャートや週足チャートは、ラインの形成時間が長いため、時間軸の大きさに比例して、信用度も大きくなります。
一方、“チャートを跳ね返した回数が多いトレンドライン”は、トレンドライン付近で何度も為替レートを反転させたラインのことになります。ちょうど【図2】の赤丸の箇所のように、トレンドライン付近で何度も反発しているラインは、力強いラインと見なすことができますね。
過去4回に渡って、上昇トレンドライン付近で反発しています。このラインを発見した投資家たちは、トレンドライン付近で過去の反発を確認しているために、今後もトレンドが継続するという前提で、ロングをしてきます。
こうして、ライン付近では買いが買いを呼ぶという、ポジションが買いに偏る現象が起こるのです。上昇トレンドライン付近まで値を下げてくれば買っていくという順張りの成功が続けば、多くのトレーダーたちは、そのポイントでロングをすることを疑わなくなります。こうして、その他の大衆投資家たちもようやく買い参戦してきます。
だいたいの場合、動きの遅い大衆投資家が買ってきたところで、次の買い手がいなくなり、相場は大きく崩れだします。なぜなら、ロングポジションをもっていたトレーダーたちは、即決済に動くからです。
トレンドラインを信用してロングポジションをもっていたわけですから、このラインを下抜けた時点でポジションを維持する意味がなくなります。したがって、投資家たちの損切りオーダーが数多く出ることで、その勢いに圧され、為替レートが大きく下げることが起こりやすくなるのです。
このように、信頼感が大きいトレンドラインを見るときは、トレンドが崩れやすいということを理解しておくと良いでしょう。このような見通しをもっておくことで、大幅に崩れる相場を事前に予測できるようになり、ブレイクアウト戦略をより有効に活用することができるようになります。
とくに、日足チャートなどの時間軸の長いチャートより形成されている上昇トレンドラインが破られたときは、値が大きく崩れる傾向があります。具体的に説明しますので、【図3】の「ドル/円」日足チャート(チャート期間:2010年6月7日~2011年3月21日)をご覧下さい。
チャートを見ていただくと、はじめこそ下降トレンドを形成していますが、その後、三角持合いに変化していることがわかります。三角持ち合いとは、高値と安値を結ぶことで三角形の持ち合いトレンドができる状態のことをいいますが、三角持ち合いを形成している上昇トレンドライン付近では、今まで4回ほど反発が確認されています。
約4カ月に渡り形成されている上昇トレンドライン付近では、多くの投資家が買い参戦していることで、買いが買いを呼んでいる状況であることがわかります。このように、信頼度の高いトレンドラインには買いが集まりやすいのです。
しかし、5回目(最後の赤丸の箇所)では、ついに反発することは叶わずに、トレンドラインを下に抜けてきました。トレンドラインを下抜け、買いの根拠が失われたとき、多くのプロトレーダーたちは、トレンドが変わったことを認め、ポジションを決済してきます。
ポジションを決済するためには、今まで買っていたドルを売り、円を買い戻す必要が生じてきます。それに、上昇トレンドラインを下にブレイクとなれば、ショートで参戦するトレーダーが増えてきます。これら2つの売り圧力が働くポイントのため、5円以上も急落しているのです。■勝率が高い、ブレイクアウト戦略
トレンドラインを下にブレイクした後は、どのようなポイントで売買していけばよいのでしょうか?その答えをだすために、【図3】に新たに2本のラインを引いた【図4】を用いながら、最適な売買ポイントの箇所を説明していきます。

新しく引いた2本のトレンドラインは、現時点では2点の高値と安値の箇所でしか結ばれていないため、信頼度は低く、“仮のトレンドライン”と位置づけています。新しく引いたラインは、緑色の丸の箇所を結んだトレンドラインとなります。なお、仮の下降トレンドラインと平行移動させた緑丸の箇所を結んだラインはチャネルラインとなります。
チャネルラインに関してですが、利益確定の目安としても使うことができます。下落の下限は、このチャネルラインまでという想定を【図4】ではもっておくことができます。
次に、売買ポイントとしては、新たに引いた下降トレンドラインと、以前から引いていた上昇トレンドラインが二重に交差するポイントまで値を上げてきたポイントで、ショートを仕掛けられます。【図1】のトレンドブレイクパターン2の左下と同じパターンとなり、このポイントでは絶好の売り場と位置づけることができます。このようなかたちが出現すれば、迷わずにショートをしかけていきましょう。
以上見てきたように、トレンドブレイク戦略を身につければ、大きな利益を生み出すこともたいして難しく感じなくなると思います。その際に気をつけて欲しいことは、そのトレンドが信頼にたるトレンドラインかどうかということです。信頼されているトレンドラインを割り込んだときほど、大きく値を下げるポイントになります。
大きな利益を上げたいと願うトレーダーの方は、ぜひ今後のトレードでブレイクアウト戦略をご活用下さい。タイミングさえ間違わなければ、まるでホームランのように大きな含み益を生み出す売買戦略になることでしょう。






