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スタイル別により、実際に取引の過程をみることで攻略法を学んでいきます。第1回目のスキャルピングに続き、今回はデイトレードの実践攻略法です。取引例を見ながら、ポジションをもつ前の準備や、ポジションのエントリーの仕方、そして、利食いと損切りのタイミングなどを具体的に示していきます。

最強FX基礎講座 第31回:岡安盛男
最強FX基礎講座 第31回:岡安盛男

スタイル別により、実際に取引の過程をみることで攻略法を学んでいきます。第1回目のスキャルピングに続き、今回はデイトレードの実践攻略法です。取引例を見ながら、ポジションをもつ前の準備や、ポジションのエントリーの仕方、そして、利食いと損切りのタイミングなどを具体的に示していきます。

■デイトレードを始めるための基本

オーバーナイトのポジションを持たない
デイトレードは短期売買を中心とした取引ですが、スキャルピングのような数ポイントを狙うものではなく、数十ポイントから100ポイント以上の鞘を狙う取引です。
また、基本的にポジションは次の日に繰り越さない、いわゆるオーバーナイトポジションはもたないようにします。オーバーナイトポジションをもつと、精神的な負担がかかるため、他の仕事などしている方にとっては、ポジションが気になって眠れないといったことも起こります。
また、夜中に予想しないような事件が起きて、大きな損失を被るということもなくなります。その代わり、夜中に大きな利益を得ることもなくなります。スキャルピングの場合は、相場感とかファンダメンタルズなどの知識はほとんど必要ありませんでした。
しかし、デイトレードでは、ファンダメンタルズやテクニカル分析などいろいろな知識が必要になります。かといって最初からそれらの知識がなければ取引ができないかといえば、そういうわけではありません。ただし、取引を行うときに絶対に覚えておきたいことは、損切りのレベルを必ず前もって決めておくということです。また、資金配分も含め自己資金の管理を必ず行うことが重要です。

■デイトレードの心構え

どんなに小さな利益でも、最終的に生き残ることが大切です。これはデイトレードに限ったことではありませんが、FXトレードでは一発勝負は禁物です。最初は損失回数が多く出るかもしれませんが、何度か取引をするうちに必ず勝てる日があります。
毎回大きな利益を得ようとせずに、コツコツとどんなに小さくても良いので、利益を積み重ねていくことです。それを長く続けていけば、必ずどこかでチャンスは巡ってきます。そのときこそ短時間で大きく利益を得るときです。そのチャンス到来のときのために、毎日、地道な取引をするという覚悟をして始めましょう。

■チャートをみることで相場観をもつ

相場観というのは、プロだけがもっているわけではありません。毎日のように相場をみていれば、それなりに相場観は湧いてくるものです。しかし、1日中相場をみていられない人は、チャートを見ることでそのギャップを埋めることができます。
取引を始める前には必ず、短期から中期、そして、長期のチャートを見るようにします。デイトレードで長期チャートといえば、日足チャートになります。中期チャートは時間足や30分足程度のものを指します。短期足は5分足や10分足などで、24時間を一目でみることができるものです。
この3つのチャートを眺めることで、一通りの流れを頭に入れておきます。そして、自分が見ていられなかった時間帯にはどんなニュースや動きがあったのかを、時系列で、5分足などの短いチャートと照らし合わせてみていくようにします。
それを見終わったら、再び中期の時間足などをみていけば、いっそう相場の流れがつかめるようになります。このルーティンを繰り返すことで、プロと同じような相場観ができ上がっていくはずです。

■通貨ペアと時間帯を選ぶ

デイトレードに適した通貨ペアは値動きが活発なもので、それでいて流動性が高いことや、情報量の豊富なことが必須条件になります。流動性が高ければ、それだけ売買のスプレッドが狭くなるため、コストが少なくて済みます。
たとえば、ポンドやユーロなどはデイトレードに適しています。以前は高金利通貨ということから、投資通貨として人気のあった豪ドルも、最近では流動性の高まりから、デイトレード通貨としても人気が高まります。
もちろん、日本人にもっとも人気のあるのが「ドル/円」です。常にテレビや新聞などで、予想なども含め豊富な情報量があることから親しみやすく、また、流動性が高いことからスプレッドが狭い通貨ペアです。
ただし、最近では、日中の値動きが少なくなったことから、人気は徐々に下がってきています。もし、円の取引をしたいのであれば、「ポンド/円」や「ユーロ/円」、そして、「豪ドル/円」などのクロス円の通貨ペアを選んだほうが、むしろ値動きが活発でチャンスが多くなります。
さらに、これらの通貨は掛け算通貨といって、通貨同士のレートを掛け合わせたクロスレートで取引されるために、値動きは通常の倍近い値幅になるため、とくに、お勧めしたい通貨ペアです。スプレッドは対ドルよりもやや広いですが、その分、値動きの大きさがカバーして余りあります。
毎日決まった自分のお気に入りの通貨ペアを取引するのではなく、その日にもっとも勝てるという自信のある通貨ペアを選びましょう。取引前にいろいろなチャートを短期から長期にわたってみてみることで、どの通貨にするかを決めていきます。その選び方は、後ほどの「ポジションをもつタイミング……」の項で詳しくお話しします。
時間帯もできるだけ動きの活発になるときを選びます。朝から夜中までパソコンにしがみついているよりも、できるだけ時間を効率よく使うことも、デイトレーダーにとっては重要です。
この時間帯を狙えば、時間が限定されたサラリーマンの方などでも効率よく取引ができます。

デイトレードに適した時間帯
1.朝の5時(夏時間は4時)にはニュージーランドの指標が発表されるため、その発表時間を狙ってNZドルなどの取引を行う。
2.ゴトウ日(5や10の倍数の日)の東京時間10時手前に銀行の仲値決めを狙って、朝から「ドル/円」の買いが強まることが多いことから、その時間帯を狙う。
3.東京のオプション取引のカットオフタイムが午後3時に決められていることが多いことから、3時丁度に値動きが激しくなることが多い。
4.午後4時頃から欧州勢が参加してくるために、東京勢のポジションの反対の取引をすることが多く、値動きが激しくなる。
5.22時半(夏時間は21時半)には米国の重要な経済指標が発表されるために、その前後は値動きが活発になる。
6.24時はロンドンのフィキシングタイムでもあり、また、ニューヨークのオプションカットオフタイムでもあることからよく動く。

■ポジションをもつタイミングと利食い・損切りのタイミング

ポジションをもつタイミング
取引を始めるときには慎重に入るようにします。できるだけ方向が転換するときを狙って相場に入ることが重要になります。中途半端のレベルで入ると、それこそ損切りを繰り返すことにもなりかねません。そうならないように、どんなときがポジションをもつタイミングなのかを覚えておきましょう。
相場がまず、レンジ相場かトレンド相場かで入り方は変わってきます。

レンジ相場でポジションをもつ
変わり目などでレンジ相場に入ることが多くみられます。レンジ相場に入っていると判断したときには、レンジの上限付近で売りから入り、下限では買いから入るようにします。レンジができるときには、何度か同じような幅で上下を繰り返すため、できるだけ早くレンジ相場を見極めてから、タイミングを狙ってポジションをもつようにします。

図1

そのときにひとつの通貨ペアだけをみていると、タイミングが合わないことがあり、結局、何も取引をしないで終わってしまうこともあります。取引を始めるときには、いろいろな通貨をみて、レンジ内でもみ合いが続いているものを選んで入るようにします。ひとつの通貨ペアにだけこだわらないようにすることで、チャンスを広げます。
また、上下どちらかのレンジを抜けたときも、利益を得る絶好のチャンスになります。レンジを抜けるときというのはスピードが速いことから、出遅れた場合は焦らずに、一呼吸おいて取引を行うようにします。あまり早いスピードで抜けたときというのは、むしろ再びレンジに戻ってくる「往って来い」となることが多く、戻し始めたときを狙ってポジションをもつという方法もあります。

レンジ相場での利食いと損切りのタイミング
損切りのタイミングは、レンジが抜けたときに速やかに行います。ただし、過去のレンジの動きから、そのレンジをはみ出したときの幅をあらかじめチェックしておきます。その幅程度のノリシロを置いておくことで、騙しを少なくすることができます。
利食いのタイミングは損切りのときとは違い、あらかじめ決めたとしても、そのときの勢いなどを見ながら利食いを遅らせます。もし、レンジ付近に近づいても、そのときの勢いがあればレンジをブレークする可能性が高まり、そのままポジションをもち続ければ、利益を拡大することができます。

トレンド時にポジションをもつトレンドができ始めたときには、そのトレンド方向に沿ったポジションをもつことが基本になります。ただし、短期的にはトレンドと反対のポジションをもつこともあります。トレンドといっても、期間によってそのトレンドも異なるため、長期・中期・短期の3つのチャートをみていくようにします。

図2

たとえば、日足チャートで上昇トレンドを示しているときに、時間足では下降トレンド、そして、5分足では上昇トレンドになっているということがあります。そのようなときには、長期トレンドに沿ってポジションをもつことが基本になりますが、デイトレードでは、5分足をベースに取引をすることになるので、一概にそうともいえません。
ただし、長期トレンドに逆らったポジションのときには、なるべく手仕舞いを早くするほうがリスクは低くなります。ポジションをもつもっとも信頼の高いときというのは、長期のトレンドに対し中期と短期が反対の方向に向かって長期トレンドラインに跳ね返されたポイントです。そこでは順張りのポジションをもつようにします。

損切りのタイミング
損切りは、長期トレンドラインを割り込んだときになります。とくに、長期トレンドラインと反対サイドのラインを割り込んだときには、速やかにポジションを切るようにします。
逆に、長期トレンドラインと同じ方向であれば、そのトレンドに沿ったポジションにドテン(途転)を行うという判断もあります。

■実践デイトレード

図3

米国雇用統計発表を控えた「ポンド/円」の取引を行いました。前日から「ポンド/円」は134円台から133円付近でのレンジ取引が続いていました。とくに、134円20銭付近の上値が重く何度も跳ね返されていました。

16時から18時の取引
欧州市場の始まる16時過ぎから取引を始めました。東京市場の「ポンド/円」は133円20銭付近でもみ合いが続き、雇用統計前ということで慎重な取引が続きました。
134円20銭付近で欧州勢がポンドの売りから入ってきたことで、一緒に売りから入りました。
134円05銭で10万ポンドが売れ、その後20分あまりで133円80銭まで下落し、もみ合いに入ったので、133円85銭で買い戻しました。その間30分で20銭の利益が出ました。
レンジの下限までは下げきれなかったことや、雇用統計を前に、取り敢えずポジションは早く閉じるようにしました。

21時から23時の取引
すでに発表前からショートカバーが強まり、134円70銭付近まで上昇していました。少し買い過ぎているように思えたので、雇用統計の始まる前に注文を出しておくことにしました。
この2週間で「ポンド/円」の高値が135円前半で何度も跳ね返されていたことから、レンジの上限とみて、135円で売りを5万ポンド出して、同時にロスカット注文を直近高値の135円40銭に置きました。
これが見事に成功し、発表後に135円20銭まで上昇した後に、134円35銭まで下落しました。その後もみ合いが始まったことから、134円60銭で買い戻すことにしました。結局、この20分ぐらいの取引で60銭の利益が出ました。

取引結果
(134円05銭-133円85銭)×10万ポンド=2万円
(135円-134円60銭)×5万ポンド=2万円
この日の損益プラス4万円
時間の効率がとてもよくできた日でした。レンジの上限を意識して売り注文を出したことが、この日の勝利を導いたことになります。

このように、動く時間帯を狙ってレンジの上限や下限を利用しながらデイトレを行います。トレンド取引の説明はいずれご紹介したいと思います。

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