1999年10月、それまで横並びだった株式売買の取引委託手数料が自由化され、インターネットを活用することで、手数料の違いやサービスの差別化などを打ち出す新しいスタイルの証券会社が登場した。
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- 激動のFX業界を支える金融・ITの潮流 第1回:藤野宙志
- 激動のFX業界を支える金融・ITの潮流 第1回:藤野宙志

■拡大したインターネットトレードと競争激化
1999年10月、それまで横並びだった株式売買の取引委託手数料が自由化され、インターネットを活用することで、手数料の違いやサービスの差別化などを打ち出す新しいスタイルの証券会社が登場した。
あれから、今年で12年目を迎えている。その間、ITバブルの崩壊、リーマンショックなど、激しい競争や統廃合の結果、2011年6月現在の主要な証券会社は、大手ネット証券5社(SBI証券、カブドットコム証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券)、新興ネット証券3社(岡三オンライン証券、GMOクリック証券、野村ジョイ〔野村證券のネット事業の一つ〕)、大手総合証券4社(SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券)となり、今も投資家にとって利便性の高いさまざまな投資分析ツールの提供や、手数料の見直しなど、サービスレベルの向上と、顧客の獲得を目指して激しい競争を繰り広げている。
ほぼときを同じくして、FX(外国為替証拠金取引)は1998年に外為法(外国為替及び外国貿易法)の改正を機に、ダイワフューチャーズ(現・ひまわり証券)、豊商事などが取扱いを開始。
同じくインターネットの普及により、その後も数多くの商品先物会社、証券会社、FX専業業者、銀行などが参入。2011年6月現在の店頭FXと取引所FXを合わせたインターネットFX取扱い業者は、約90社にのぼるが、近年はレバレッジの上限規制、信用力の確保、リスク管理の徹底、大手の参入、アフィリエイト広告に対する規制の強化など、厳しい対応が求められており、さらに淘汰は進むといわれている。■なぜ、いま、相次ぐ統廃合、押し寄せる業界再編の波
2010年は、スプレッド競争やレバレッジ規制(最大50倍)による出来高の減少など、収益悪化に伴う影響で、アイフォレックス、サクセット、ドリームバイザーファイナンシャルが廃業、その他に合併・営業譲渡により、オリックス証券、三菱商事フューチャーズ、EMCOM証券、ユニマット証券、FXZEROといった企業の商号が消えた。 2011年に入っても、8月1日のさらなるレバレッジ規制(最大25倍)後の状況を見据え、事業の選択と集中による統廃合の発表が相次いでいる。

■投資家に支持されるFXサービスを実現、システム戦略が要に
投資家が取引するために、インターネットへアクセスする手段も多様化しており、従来のPCに加え、携帯電話やスマートフォンの利用者の普及と、相次ぐ新機種の登場に伴い、取扱い業者がカバーすべき取引チャネルの範囲は飛躍的に拡大している。
とくに、ノートPCの代替となりつつあるスマートフォンへの対応は、ITリテラシーの高い優良な投資家層を獲得するため、待ったなしの最優先課題となっている。
その結果、複数のFX取引サービスと取引チャネルを組み合わせて提供することで、投資家ニーズにタイムリーに応えられる一方、膨らんだシステムの管理やコストが取扱い業者に重い負担となっている。
投資家へのサービス向上のためのシステム投資とはいえ、経営が立ちいかなくなってしまっては元も子もない。限られた投資予算と人的リソースをどのよう配分し、優先をつけて対応を図るか、常に先を読んだシステム戦略と機動的な事業シナリオが描けるかどうかが、今後の生き残りの要となるだろう。
■FX業界における取引システム供給ベンダーも競争の時代へ
当初は電話取引でスタートしたFX取引も、海外のホワイトラベル業者(CMC Markets、GFT、IG Markets、Saxo Bank)が提供するインターネット取引システムをそのまま提供を受ける形態、国内の同業他社(FXプライム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ)から提供を受ける形態、そして、自社で新規にシステムを開発して、サービスの差別化を図る形態などへと進化し、業者間の激しい競争の結果、FX取引システム提供ベンダーも大幅に増えて、競争の時代に突入している。

投資家の売買システムに対する率直な声や、要望にスピーディに応え、進化するテクノロジーを活用して、新たなFX取引サービスの構築と提供を目指し、押し寄せる業界再編の波を乗り越え、取扱い業者と取引システム供給ベンダーが一丸となって技術革新していくことで、FX業界がさらに発展していくことを願いたい。







