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昨年のレバレッジ50倍規制をものともせず、巷ではFXのブームが続いている。そして、ついにレバレッジ25倍となり、証拠金が倍必要となってしまった。そこでにわかに注目されるのが、証拠金が1万通貨の10分の1という1000通貨取引だ。

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特別企画・1000通貨を取り扱っているFX会社:綾木望
特別企画・1000通貨を取り扱っているFX会社:綾木望

昨年のレバレッジ50倍規制をものともせず、巷ではFXのブームが続いている。
そして、ついにレバレッジ25倍となり、証拠金が倍必要となってしまった。逆にいえば、今までと同じ元手で利益が半分しか得られないことになる。
そこでにわかに注目されるのが、証拠金が1万通貨の10分の1という1000通貨取引だ。そして、この1000通貨取引には小額だという以外に、これまで気づかなかったいろいろなメリットがある。それも含めて注目の1000通貨取引を徹底紹介してみよう。

■取引証拠金が倍必要に

FXをしている人には取引会社から事前にメールが届いているだろう。8月からのレバレッジ規制が従来の50倍から25倍になることで、取引保証金が変わるという案内だ。レバレッジが50倍から25倍に半減するということは、1万通貨での取引の場合、逆に必要証拠金は倍になるということになる。
たとえば、USドルと日本円の場合、1ドルが80円というレートなら、従来は1万通貨を購入するのに80万円必要で、レバレッジが50倍なら80万円÷50で約1万6000円が証拠金となっていた。しかし、25倍なら80万円÷25で、証拠金はいきなり倍の3万2000円となる。それは利食いのスケールにも大きく影響してくる。従来3万2000円で「ドル/円」を2枚売買していた人は、たとえば、ワントレードで1枚10Pipsずつの合計20Pipsの利益が出れば、1600円の利益となっていた。
しかし、3万2000円で1枚しか売買できないとなると、ワントレードで1枚10Pipsの利益、つまり、800円と利益は従来の半減となる。非常に雑ないい方だが、デイトレードの場合なら、1日トレードしても利益は従来の半分ということになる。
いまさらながらレバレッジが50倍から25倍という規制は、ある意味でがく然とする事実ということになる。
レバレッジの違いとロスカットレベルここで、表の1と2を見てもらおう。

図1

表1は、1万通貨単位のみに絞ってレバレッジ50倍と25倍の違いを比較してみた。わかりやすくするために、1USドルを100円としている。買いの取引とした。
相場変動で1USドルが100円から98.50円と97.20円に下がったという想定にした結果を表示している。
取引証拠金は、レバレッジ50倍の場合が10万円と2万円、25倍の場合は10万円と4万円とした。証拠金維持率は30%から50%までの3段階を表示してみた。
表1を見るとわかるが、1万通貨の場合は、レバレッジ50倍なら約1.5円の変動で、たちまち30%のロスカットラインを割り込んでしまう。しかし、25倍なら97.20円までなら30%を割らないことになる。単純にレバレッジが半分なら、ロスカットのリスクは半分ほどになるというのがよくわかるはずだ。確かに、金融庁などがおっしゃるギャンブル性は、レバレッジ50倍と25倍では大きく違うというのは、数字上の論理としては間違いないことになる。
しかし、現実の金融の世界は理論だけで動かないのは読者の皆さんのほうがよくご存知のはずだ。問題は、レバレッジが50倍だろうが、25倍だろうが、たとえば、アメリカの経済指標が想定以上に動いていたとか、スペインの国債がデフォルトになりそうとかいうときの「ユーロ/USドル」の滑り方がはんぱじゃないということだ。
そのときのスプレッドの広がりを実際に目の前のボードで見たことのない人にはわからないだろう。注文したのはいいが、まるでとんでもない価格で約定して、今度は急に逆方向に大きく動き出したときは、「お前はもう死んでいる」どころじゃない。しかも、スプレッド固定をうたっている会社は固定だからこそ、スプレッドが広がっているときはまず約定しないなんて悲惨なことになる。
そのあたりを改善しないで、レバレッジのことしかいわないお役所の人たちには、ぜひ一度、トレードをしていただきたい。

■リスクが小さいのが1000通貨の特質

それはいいとして、次は表2を見て欲しい。

図2

表1が1万通貨のみだったが、表2にはレバレッジ50倍と25倍に加えて、1万通貨と1000通貨の違いを入れている。1万通貨の場合の数字は表1と同じだが、1000通貨の場合は切りがいい単位になるように、証拠金を1万8000円と1万円の2種類とした。
これで、それぞれレバレッジ50倍なら9000USドルと5000USドルほど買えることになる。まずレバレッジ50倍の場合、相場が98.50円まで変動した場合、1万通貨が先ほどいったように、たちまち維持率30%を割るが、1000通貨の場合でも、やはり、30%を割るのだ。
なんだか勘違いしそうになるが、1万通貨と1000通貨は、レバレッジが大きければロスカットのリスクも同じようになるということだ。違うのは取引証拠金が小さくて済むということだ。
では、レバレッジ25倍を見てみよう、USドルが98.50円に下落したときに、たちまちロスカット寸前となった1万通貨単位も維持率63%となっている。しかも1000通貨なら同じ63%だ。1万通貨も1000通貨もロスカットリスクはレバレッジの倍率によるということがよくわかるはずだ。
そして、ドルが97.20円にさらに下落したときに、やっと1万通貨も1000通貨もロスカットラインぎりぎりの30%という証拠金維持率となる。やはり、レバレッジ25倍は50倍の余裕ということになる。
まとめていうと、レバレッジ50倍で1万通貨なら、証拠金が10万円だろうが2万円だろうが、約1.5%の相場変動でたちまちロスカットになるし、それは1000通貨でも同じということだ。
しかし、レバレッジ25倍なら、1000通貨1万6000円、あるいは1万1000円という少ない証拠金でも、97.20円、つまり、約3%の変動まで耐えられるということになる。

■デモトレード感覚でリアルトレードを

もちろん、さっきもいったように、レバレッジが少なくなると、理論的にリスクも小さくなるが、枚数が半分になることで利益のチャンスも単純にいえば半分となる。1000通貨単位のメリットは、確かに利益幅も減るが、少ない証拠金で取引できるということだ。それなら、デメリットをメリットに変える方法をいろいろ考えるのがいいだろう。
そのひとつが、ビギナー向けのもので、「デモトレード」感覚で1000通貨取引を利用することだ。デモトレードというと、どうしても「リアルマネーじゃないと本気でないっすよ」ということが多いが、1000通貨なら、損しても1万通貨の10分の1ということになる。
これなら、実際に自分の資金でリアルトレードができるということになるのだ。損しても1万通貨ほどのことではないという適度な安心感と、予想どおりに動いてくれれば1万通貨ほどではないが、しっかり利食いはできるぞという期待感で、張りのあるトレードができることになる。

■予算と市場に合わせて細かい売買ができるのが1000通貨取引

それだけじゃない1000通貨のメリットは、「ご予算次第できめ細かいトレードができますよ」ということだ。たとえば、表2でレバレッジ25倍なら、1万通貨で1枚買うのに証拠金は4万円となる。2枚買おうと思えば証拠金は倍の8万円になる。この差が大きいといえるだろう。
しかし、1000通貨ならレバレッジ25倍で4000円の証拠金で1USドルが100円なら1000ドル買えるということになる。2万円の証拠金なら5000ドルということになる。さすがに1000ドルなら10Pips抜いても利益100円ということで小額となる。しかし、ここで自分の都合に合わせて1000通貨から数千通貨まで自由に調整できるのがいい。
そして、株なら単位株1000株でなく100株なら買いつけが安くて、数百株ずつわけて買うことが可能になるように、FXでも1000通貨を分散で売買すればいいということになる。たとえば、8000通貨まで買える資金があればまず、3000通貨で買うか売るかして様子を見て、思った方向にいくならあと、3000あるいは5000というふうに買い増し(売り増し)をしていけばいい。
買って上がったが足踏みするようなら、とりあえず3000通貨分を売って、様子を見て、上がるようなら残り5000通貨をホールドする。運悪く下がり始めたら、とりあえず5000全部あるいは3000だけ売るなどとする。そうすると、分散売買ができて、リスクが減らせることになる。
たとえば、半分だけ売って利食っておけば、残りが反対に動き始めても、初期の段階で損切りすれば、全体で利益は確保できることになるし。とにかく、全体が反対方向にもっていかれることはなくなる。
ところが、1万通貨だとそうはいかない。たとえば、1万通貨で10Pipsやられた場合、たちまち1000円のマイナスになる。1000通貨で分散売買すると、合計で数百円程度のロスに過ぎないことになる。

■手数料ゼロの意外に大きな恩恵

1000通貨は工夫次第でいろんな使い方があることになるのはわかってもらえたと思う。とにかく、1万通貨と比べると、1000通貨のほうが現実損失は10分の一と小さくなるから、相場の動きを見ながら細かく調整ができることになる。これからFXの取引を始めようとする人や、資産管理を厳正にしたい人は、これをメリットとして大いに活用すべきだろう。
そして、1000通貨の追い風ともいえるのが手数料だ。1000通貨取引でも1万通貨と同じように手数料ゼロというところが多いので、レバレッジが小さくなって、これまでより利益が小さくなっても、回数でカバーすることが可能だということになる。少し前までは、回数を増やすと手数料がかさむというデメリットがあったが、1000通貨取引をやりやすいという環境が整ったことになる。

■レバレッジ規制は大きなお世話か

ところで、ここでレバレッジ規制の動きを振り返ると、一昨年の春に金融庁がFXのレバレッジ倍率の上限を20~30前後にする方針という報道が流れたとたん、投資家や業界に衝撃が走ったことは記憶に新しい。
株の世界には「国策に売りなし」と、国の方針にはさからえないということわざが昔からあるが、その言葉どおり、まさに「国策に逃れる道なし」とでもいおうか、金融庁はその方針を着実に実施してきたのだ。
それまで100倍とか300倍というレバレッジを問題なく使ってた投資家は、ちょっとしたパニックに陥った。規制の発表と同時期に実施されたアンケートでは、アンケートに答えた人の9.5%が20~30倍というレバレッジには反対し、実施されれば21.7%がFX投資をやめると表明した(矢野経済研究所発表)という。100倍、300倍が当たり前という現状では、なぜ政府がレバレッジに介入するのかという反論が渦を巻くように噴出したのだった。
それに対して、与謝野財務大臣(当時)に新聞記者が行政がそこまでやる必要がないという意見の多いなかで、なぜあえてやるのかという質問をしたら、同大臣は、「何百倍という倍率では常に追い証が発生するのに、投資家がそのことを自覚していない。ギャンブル的にならないようにするには、証拠金率が為替変動幅にマッチしていなければいけない。素人が参加するなら、追証の発生率はなるべく低くとっておいたほうが投資家のためだ。業者のためにやっているわけではない」という内容の答えを出した。つまり、素人が危険な投機をやると火傷するから、やめろということだろう。
確かに、株の信用取引の3倍というレバレッジと比べると、FXのレバレッジは25倍でも高いだろうが、参加者を増やして、市場を厚くすることが流動性を高めるために必要なのは、金融商品取引の基礎の基礎だ。しかも、株と比べれば、FXのほうが異常な価格変動はないから、追証発生前にポジションを閉じるという、サーキット・ブレーカーが働きやすいのは事実だ。

■大災害でも健闘したFX業界の安全装置

思い起こせば3月の大震災の後の株、FX市場の大乱高下のときに、株で巨額の追証が発生したが、FXの追証額はその15%程度だったという事実がそれを物語っている。なにしろ、ひまわり証券が株から撤退したのも、追証で多額の立替金が発生したからだ。しかし、FXのほうは利益が出ているし、負担になるほど追証立替金の発生が出てないということで、FX業は問題なく続いている。強制ロスカットなどで追証にならないようにする安全装置が有効に機能しているということになる。
一昨年の7月ころには金融庁は、
「高レバレッジ取引については、相場急変時等にはロスカットが必ずしも適切に機能せず、顧客保護や業者のリスク管理の観点から問題を生じるおそれがあります。これに加え、高レバレッジ取引は、過当投機の問題もあります」
と答えている。
しかし、3月の震災後の相場急変でFX業界はロスカットをしっかり行ったわけだから、すでに金融庁の見解は「時代遅れ」になっていると思わざるを得ない。国は規制対象の業界が頑張って経営基盤を強化し、取引方法を改善する努力にちゃんと目を向けるべきではないだろうか。
つまり、国がいってるギャンブル性が高くて規制をしなければならないというのは、本当は現実的ではないということではないだろうか。というかFX業界のさまざまな取組みについて、ほとんどちゃんと認識してないということではないだろうか。原発事故で安全への国の認識の甘さが顕著になったが、安全なものとそうでないものを判断するための本質的な判断能力に問題があるような気がする。これは私個人の感想だが、同じように思う投資家はたくさんいるはずだ。
とにかく、国が決めたことは粛々と実施されていることになるが、さすがに、いきなりレバ25倍はちょっときついだろうということで、過渡的に昨年の8月にレバが50倍に下げられ、この8月に予定どおり25倍が実施されたことになる。50倍は折り返し点で、ゴールは25倍だったということだ。
「つまんないことになったな」と思う投資家は多いだろうし、少ない元手でできるということでFXを始めようとしてたけど、レバ25じゃなあということで参入をあきらめた人もいそうだ。

■1万通貨に勝るとも劣らなくなった1000通貨取引

しかし、そこであきらめるのでは、なでしこジャパンに笑われるかもしれない。ものごとには必ず突破口というか、新たな道がある。今回のレバレッジ規制では、その突破口のひとつが1000通貨ということになる。
1000通貨取引は弊誌でもかつて取り上げたが、当時と違うのは、1000通貨取引ができる会社が増えてきたということだ。しかも、かつては1万通貨取引のおまけみたいになってて、1万通貨取引と比べて通貨ペアが少なかったり、モバイル・トレードでのチャートの指標が少なかったりと、結構、不利な面があった。
もちろん、会社としてもメインは1万通貨だから、1000通貨のためにソフトを開発したり、さまざまなコストを増やしたくなかったのはわかる。しかし、最近では様子が違ってきたのだ。
先ほども述べたように、レバレッジ規制の方針が出てから、各社はレバレッジが小さくなってもFXの魅力を損なわないように、新しいサービスの用意や、従来の商品を充実させるなど企業努力をしてきたことになる。
レバレッジ規制が始まる前に、さまざまなFX会社に聞くと、やはり、サービスの充実を目指すというものが圧倒的に多かった。そして、そのサービス拡充の一環として1000通貨取引を開発していった会社も多いことになる。
現在約17社で1000通貨取引ができることになっている。そこで今回、3社を選んで話を聞いてみた。基準はホームページで「1000通貨取引」とすぐわかるように表示している会社を選ばさせてもらった。
その結果、今回は「FXブロードネット」でおなじみのFXトレーディングシステムズ社、7月にODLJAPANとFXCMジャパンが合併してできたFXCMジャパン証券、そして、GFT(グローバル・フォレックス・トレーディング)社の3社を紹介する。
まず3社の1万通貨と1000通貨の主な内容を比較したものを見て欲しい。

図3

企業名、サービス名、各社それぞれ左が1万通貨で、右が1000通貨の主な特徴を表した。今回の3社は1万通貨と1000通貨でサービスの差がない。このあたりに各社の1000通貨への考え方が出ていることになる。

■1万通貨と1000通貨が同時デビューだったFXブロードネット
(FXトレーディングシステムズ社)
http://www.fxtsys.com

業界でいち早く1000通貨の取引を開始したのがここだ。というのは、
「当社は2007年の12月に1万通貨と1000通貨の取引を同時に始めました。というのは、FX業者としては後発ということで、ならば1万通貨と1000通貨のサービスを両方提供しようということになりました。1000通貨取引はあくまでも顧客へのサービスということですね」(FXトレーディングシステムズ・外国為替本部部長鈴木宏明さん)
同社は1万通貨と1000通貨のサービスは、通貨ペア数やトレードシステムなどはまったく同じということだ。
1万通貨がブロードコースという名で、1000通貨がブロードライトコースという名で提供されている。
ところで、今回の25倍規制の前に、顧客が1万通貨から1000通貨へシフトしているという動きはあるのだろうか。
「とくに目立った動きはありません。以前からお客さまの9割ぐらいがレバレッジ25倍ぐらいでやってらっしゃいますから、とくにハイレバレッジでないと困るという感じでもないです」(鈴木さん)
とにかく、1万通貨と1000通貨はサービスに差がないということにサービスの完成度を感じる。他の2社もそこまでサービスを煮詰めてきたということだろう。

■スマートフォン対応は目下開発中

同社は今回の規制について、
「これまでも画面のカスタマイズができるようにしたり、ワンクリックで注文ができるようにしたり、お客さまの要望でテクニカル指標を充実させるなど努めてきましたが、今後また、初心に戻って、新たにサービスを充実させていきたいと考えています。
これからは、従来あったサービスの垣根をどんどん低くして、多くのお客さまが当社のサービスを自由に使っていただけるようにと考えています」(鈴木さん)
ということだが、このようなサービス提供への取組を進める意味で、パソコンで実現した取引ツールの高速化や高機能化をスマートフォンでも生かすために、現在、スマートフォンやiPadなどに対応する便利で高性能の取引システムを鋭意、開発中だ。期待して待とう。

■合併で充実した経営資源を背景に新たなサービスを投入中
(FXCMジャパン証券)
http://fxcm.co.jp/

次はトレーディング・ステーションというシステムでおなじみのFXCMジャパン証券。
同社はFXCMInc.のグループ会社ということになる。欧米ではレバレッジの規制が緩やかだということは有名だが、国際的な背景をもつ同社は、今回の日本のレバレッジ規制についてどう思うのか。
「FXはハイリスクハイリターンというイメージが定着しつつあるなか、今回のレバレッジ規制は、より確立された金融商品として、より多くの投資家(FX潜在層も含めて)にも受け入れられるものと考えております。
FXCMグループ会社である『FXCM香港』ではいち早くレバレッジが20倍まで規制されました。レバレッジが低く設定されたことによって、リスクが大幅に軽減されて、顧客の成績が改善され、顧客ライフサイクルが向上したということです。
FXCMジャパン証券は、レバレッジ25倍規制をうけて今後は、FXを選ばれる金融商品として、他社にない商品を組み合わせながら、独自の路線を展開することで、より投資対象としての商品性が増すと考えています」(カスタマーサービス部長・申徹俊さん)
と、レバレッジ規制には肯定的で、しかも、サービス向上に取り組んでいくということになる。

■両建の片方のポジションは証拠金ゼロに

そして、そのサービスの一環としてスタートさせたものが、7月から始めたMAX方式というものだ。これは簡単にいえば、両建取引での証拠金負担を減少するというものだ。レバレッジ規制への対応としてメリットのあるものだから紹介しておこう。
「両建取引をする際に、以前は買いと売り、すべてのポジションにおいて証拠金が必要でしたが、MAX方式を採用することにより、同一通貨ペアの両建取引においては、取引額の多いいずれかのポジションの証拠金だけが発生することになります」
両建取引は株でも以前からある取引で、たとえば、買いポジションを建てていたら、いきなり動意づいて下げ始めた場合に、戻ることを予想して新たに売りポジションを建てるというもの。買いポジションで損したものを、売りポジションの反対売買で補うというもの。便利なようだが、ネックは新たなポジションを建てるのに別途保証金が必要だった。
しかし、FXCMジャパン証券のMAX方式は、その負担を軽減してくれるということになる。つまり、今回のレバレッジ規制により、各社が新しいサービスを投入してくるので、投資家としては今後有利なサービスの登場をウォッチしていれば、自分が待っていたサービスに出合えるかもしれないということだ。このMAX方式も、よく両建取引するひとには嬉しいサービスに違いない。
ちなみに、同社の1000通貨取引は、昨年の5月24日からスタートしている、1万通貨は2000年代の前半からだから、決して早いサービス開始とはいえない。

■1万通貨でも1000通貨でも同じサービスを

「1000通貨取引を始めたのは、お客さまのお取引の選択肢を増やすためです。たとえば、1万通貨を取引していたお客さまが取引額を増やす際、『取引量を2倍にするにはハードルが高い(2万通貨)』と感じた場合、1000通貨単位での取引ができることによって、1.5万通貨(1.5倍)でのお取引が可能です」
ということだ。
これこそ、さっき述べた証拠金を目一杯有効に使うためのきめ細かい注文方法ということになる。使えるチャンスはしっかり使うためのサービスと考えればいいだろう。
また、1万通貨と1000通貨でのサービスの差などはないのだろうか。
「当社では、すべての機能を1000通貨取引でご利用いただくことができます。通常の1万通貨取引に比べて不利な面はございません。当社は1000通貨単位のお取引でも手数料は無料です。スプレッドも通常の1万通貨と同じです」
ということだ。
また、合併前の6月末時点においては、1000通貨単位から1万通貨までの規模の顧客は全体の約25%ということだ。
同社は、モバイルトレードでもすでにAndroidとiPhoneに対応しているが、パソコンのトレードと比べて差はないのだろうか。
「まったくありません。スマートフォンアプリ(TS for iPhone/Android)のすべての機能を1000通貨単位の取引でご利用いただけます」
ということだ。
そして、同社が売りにしているのがレート操作やストップ狩りがないということだ。いわゆる「くりっく365」や「大証FX」のような取引所取引と同じ約定モデルを採用し、自社のディーリングデスクを介せず、顧客の注文を金融市場に100%通すということになる。金融機関も、顧客の口座状況や注文の種類を見ることができないから、操作も不可能ということだ。
こういう機能がいつの場合でも完璧に作動してくれれば、こんなに嬉しいことはないだろう。頼りにしますよ、FXCMジャパン証券さん!

■世界的に人気のあるツールDealBook(R)360が使える
(GFT東京支店)
http://gftforex.co.jp/

そして、最後がGFT東京支店だ。アメリカに本社のあるGFTは、世界100カ国以上の顧客と取引し、そのトレーディングツールDealBook(R)360といえば、85種類の指標が使えるということで、プロの間でも評判が高い。しかも、通貨ペアは129で、ルーブルも取引可能というから、「ハラショー」だ。そして、GFT東京支店ではなんとこのDealBook(R)360が1000通貨でも無料で使えるというのだから、これは嬉しい。
レバレッジ規制後のサービスについて、同社はどう考えるのか。
「まずメインツールDealBook(R)360のバージョンアップを予定しています。それから、カスタマーサポートの充実で、専門スタッフが為替取引やソフトの使い方をマンツーマンでサポートします。
その他にも、さまざまな分析ツールや、アナリストのコメント等の情報を提供するなど、充実したお取引環境の提供に努めています。これからも、さまざまな新サービスの提供を予定しております」(日本マーケティング部)

■ツールの使用方法を丁寧に指導

同社のサポートはとても親切で、私の知り合いは無料のデモトレードなのに担当者から何度も電話があって、丁寧にツールの使い方を教えてくれたと喜んでいた。ビギナーにとっては有難いシステムだ。
同社が1000通貨取引を始めたのは昨年の7月だ。サービス開始の理由は、
「お客さまからの要望が多かったことです。129種類の多種多様な通貨ペアでの1000通貨取引を可能にすることで、より幅広いお客さまにGFTをお使いいただくためです」(日本マーケティング部)
そして、1000通貨取引は1万通貨と比べて、スプレッド、スワップポイント等も含め、他のコースとまったく同じ条件で取引が可能となっている。しかも、マイナーな通貨ペアでの取引も可能ということだ。

■初回入金10万円も納得

ある意味コアなFXファンにはたまらないサービスではないだろうか。ただ、初回入金が10万円と他社より高いが、サービスの内容とか信頼性、通貨ペアの多様さから考えると妥当だといえよう。また、同社でもレバレッジ規制実施に向けて1000通貨へのシフトなど、とくに目立った動きはないという。
そして、スマートフォンへの対応だが、DealBook(R)Mobileで対応している。操作性、機能面でのパソコンとの違いはない。ただ、現状では英語版しかないので、自信のある方はチャレンジして欲しい。あるいは、合コンでそっとスマホを取り出して、「おお、ルーブルが動意づいてるな」なんてやってみたい人もいるかもしれない。

■新しいサービスの登場をウオッチして、有利なトレードに結びつけよう

とにかく、昨年レバレッジ50倍規制が始まったとき、わけ知り顔の一部の経済誌では、今にもFX業者がバタバタと倒れるように書き煽った。
しかし、投資家は冷静で、各社は必死で企業努力をしてきた。その結果、バタバタ倒産するようなことはなく、むしろ新しい魅力的なサービスがどんどん登場してきた。今回取り上げた1000通貨もサービスとしては非常に魅力的だし、使い勝手がいい。なによりも、ビギナーが大損をしないでトレードに慣れるための有効な手段といえよう。
今回のレバ25倍も、やはり、投資家は冷静なようで、決まった条件化で自分に合ったトレードをしようとしているようだ。FX会社も今後、さらにいろいろな新しいサービスを提供してくるだろうから、常に注意していれば、自分のトレード環境が向上するようなサービスを選ぶことができるはず。そうなると、業界全体が逆風を順風に変えることができるはずだ。

図4
雑誌「FX攻略.com」本誌の購入
 

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