「トレンドを制するものは、相場を制す」という言葉を聞いたことはありますか? この連載では、「平均足改良版」というオリジナルなテクニカル指標でトレンドの見方を解説してきました。今回は、他のテクニカル指標と比較して「平均足改良版」のメリットについて解説します。
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- 相場の世界で必要な武器とは? 第4回:平野朋之
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「トレンドを制するものは、相場を制す」という言葉を聞いたことはありますか? この連載では、「平均足改良版」というオリジナルなテクニカル指標でトレンドの見方を解説してきました。今回は、他のテクニカル指標と比較して「平均足改良版」のメリットについて解説します。
移動平均線の特徴
トレンドを把握する際、一般的に使われるテクニカル指標のひとつは「移動平均線」です。「移動平均線」はシンプルかつわかりやすく、ほとんどの投資家が使っているテクニカル指標です。
下記の「ユーロ/円」の15分足チャートでは、移動平均線が上昇中で、ローソク足が移動平均線よりも上に位置しているとき(A)は上昇トレンド、反対に移動平均線が下降中でローソク足が移動平均線よりも下に位置しているとき(B)は下降トレンドと判断します。とてもシンプルです。
しかし、実際にトレードを繰り返していると、このように大きなトレンドに遭遇する確率よりも、「揉み合い」の期間にはまってしまい、トレードが上手くいかないときのほうが多いと感じるかもしれません。
「揉み合い」期間が続いてしまうと、下記のチャートのように買っては負け、売っては負け、このようなことを何度も繰り返すことになってしまいます。もっと厄介なことは、青の四角の箇所(A)のように、ロウソク足が確定するごとに移動平均線の「上」、「下」を何度もまたぎ、この状態が長く続くと損失がみるみるうちに膨らんでしまいます。
このように「移動平均線」はシンプルでわかりやすい反面、「揉み合い」の期間が続くと、使い勝手が悪くなってしまうことがあります。
また「移動平均線」をチャート上に表示する際、何日(本)移動平均が良いのか迷ってしまうこともあります。通常、トレンドを把握するだけなら、チャートソフト上にあらかじめ設定されている期間で問題はないのですが、移動平均線でトレードをしようとすると、期間の設定によって結果が大きく変わってしまいます。 ここでサンプルをみてみましょう。
「ドル/円」の終値がX日「移動平均線」を超えたら買エントリーをしてポジションを保有し、終値が「移動平均線」を下回ったら買いポジションを決済して、売りポジションを保有する単純な検証です。
2005年6月から今年8月までの結果をみてみると、25日移動平均線が約11%の利益率と一番良かったのですが、反対に、利益率が悪かったのは6日移動平均線で、マイナス33%でした。
このように「移動平均線」の日数によってプラスになるものから、マイナスに転じてしまう期間もあり、いったいどうやって期間を決めればよいのか迷ってしまいます。参考までに年度別で、どの「移動平均線」の日数が一番利益が大きかったか調べてみると、
2005年と2006年は、たまたま13日移動平均線が一番でしたが、他の年はまちまちで、37日から2日までと大きな開きがあります。
では【図2】のように、価格が移動平均線の上下をいったりきたりしてしまうとき、どうすれば良いのか考えたことがありました。次の【図5】をみてください。
水色の線が21期間移動平均線です。その上下に数%のライン(赤)を表示して、その上下のライン内に価格が収まっている間はノートレードとして、エントリーを控えるだけでも無駄なエントリーを減らすことができます。【図2】では、21期間の移動平均線を超えたら「買い」、下抜けたら「売り」と繰り返すことになってしまいますが、上下にラインを引くだけでフィルターとしては機能します。これは「エンベロープ」というテクニカル指標ですが、ほとんどのチャートソフトで表示可能ですので試してみてください。
1.終値はどこに位置しているか
しかし、このエンベロープでも、移動平均線の上下何%にラインを引くか?価格が動くときと動かないときでは設定が難しくなる欠点があります。
そこで「平均足改良版」で前回解説をしたことを思い出してください。平均足(改良版)がクローズした時点で確認をすることです。
2.ロウソク足の実体部の長さとくに、終値の位置に注目をします。
次の【図6】は、終値の位置(黒丸)と「平均足改良版」との位置関係を示したものです。上昇トレンドのシグナルは、終値が「平均足改良版」の陽線(青)の実体部の上に位置しているとき、下降トレンドのシグナルは、終値が「平均足改良版」の陰線(赤)の実体部の下に位置しているときに戻りを待って「売りエントリー」をすることになります。(A)の部分では終値が実体部のなかに留まっている状態で、このようなときは、エントリーを避け、「上」「下」どちらかにブレイクするまで待つことになります。
このフィルターの機能を上手に使っていただき、他のテクニカル指標で不足している部分を補ってください。
ブレイクアウトのタイミングのとらえ方
最後に、トレンド中に発生する「押し/戻り」からのブレイクアウトのタイミングについて、そのテクニックを紹介します。チャートは「平均足改良版」に移動平均線を表示させたものです。

上昇トレンドが続き、いったん下げて「押し目」を形成した後、再び上昇すると見込んだとき、どこでエントリーをするかについてのテクニックです。
通常は、前回の高値を上回った時点で「買いエントリー」を行いますが(B)、「平均足改良版」でのブレイクアウトの考え方は、前回の陽線時の「実体部」を上抜けたポイント(A)で「買いエントリー」を行います(「売りエントリー」は反対)。このエントリーの方法は前回の高値を超える前まで待つよりも早く仕掛けることができ、とくに、「中期移動平均線」が上昇中のときはテクニカル上のダマシも少なく有効です。
テクニカル分析は単独で使用するよりも、数種類をチャート上に表示させ使用することで、より良い効果をもたらしてくれます。このケースでは移動平均線との併用ですが、他のテクニカル指標同士の組み合わせで、より強力な「相場の世界で必要な武器」を手に入れることができます。
また次回も、いろいろな「武器」を紹介します。
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