今回はMT4特集ということで、私も原稿を書かせていただくこととなりました。ここでは、マーケティングや流通経済的な視点から、MT4について語ってみたいと思います。
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- MT4って何?:杉本貴秀
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今回はMT4特集ということで、私も原稿を書かせていただくこととなりました。本誌の多くの執筆者は、プロのトレーダーの方やシステム製作者など、技術的に非常に詳しい方が多いと思われます。そこで、MT4に関する使い方やプログラミングの方法などは、私以外の方が書いておられる内容を参照していただくこととして、他の執筆人の方々にお任せしてしまいます(笑)。
ここでは、マーケティングや流通経済的な視点から、MT4について語ってみたいと思います。トレードツールの王さま『MT4』
『MT4って何?』という素朴な質問への答えとしては、『FXを投資対象とし、インターネットを利用して取引する際のプラットフォームである』というのが一般的な回答でしょう。
さらに噛み砕けば、取引の実行を代行してくれる機能(手動・自動)や、取引ルールの設定(テクニカル指標などを組み合わせたロジックの作成)とその検証(過去のデータによって有効性を検証)などの諸機能が装備されています。
ざっくりと大別すれば、取引実行機能とロジック作成&組み込み機能、の2つが搭載されているのがMT4なのです。ここまでは大丈夫ですか?
日本国内においては、右記のような機能が搭載されているトレードツールがそれぞれ各証券会社ごとに製作されているため、プログラム言語や使い方なども統一したルールが存在せず、技術的な仕様などもバラバラの状態です。
よって、トレードツールを利用される投資家の方にとっては、取引する証券会社ごとに違うツールを使わなければならない状況にあり、また、それぞれコストもかかるという嬉しくない状況にあります。
これはかつての電気製品などでメーカーごとに違う仕様やルールにもとづいて競争が行われ、それによって消費者に混乱や無駄を生じさせた歴史と同じ経過を辿っているわけです。ビデオ業界におけるベータとVHSの戦いや、家庭用ゲーム機において繰り広げられた激烈な戦いを思い起こされる方も多いでしょう。このような統一基準なしのバラバラな開発競争が、トレードツール業界においても同様に発生しているのです。
これらは日本人の国民性の問題でもあるのでしょうか……。もう少しユーザーの利便性や、業界共通の効率化を考えてもらえるとありがたいのですが。
一方、世界的には、証券会社の違いを超えて広く普及しているトレードツールがあります。そのなかでもっとも投資家に支持され利用されているのが『MT4』なのです。投資家にとっては利便性が高く、利用するためのコストも無料というのが大きなメリットです。また、ユーザーが多いということが、利用者間のさまざまな情報交換を促し、問題点の解決やより有効な使い方などの情報をユーザー間で簡単にやり取りできることによって、さらに、ユーザーを増やしているという好循環を生んでいるのです。ロジック開発者側からのMT4のメリット
そして、さらに大きなポイントがあります。それはロジックを開発する側から見ると、使ってもらえるユーザーが多いほど、開発意欲も高まりますし、ビジネスとしても利益が上がる可能性が高いわけです。
よって、トレードツールの利用者数がロジック開発者から見た潜在的顧客となります。そういう視点で見ると、世界中でもっとも利用者の多いMT4用にロジックを開発することが、もっともビジネスチャンスが大きくなるというのが道理です。
このような理由で、世界中の優秀なロジック開発者たちが、MT4を前提としたロジック開発を行い、世界中の投資家の方々に完成したロジックを提供しているのです。
1ユーザーとしての投資家にとってみれば、狭い特定の範囲内でしか使えないトレードツールを利用するよりも、世界的に広く流通しているトレードツールであるMT4を使ったほうが、その上で稼動させるEA(自動売買プログラムやロジック)も広く世界中から選べるということになります。膨大な選択肢のなかから優秀なロジックやシステムを選んで簡便に使うことが可能となるのです。これは投資家にとってはもっとも大きなメリットかもしれません。
技術的な難しい議論はわかりませんが、ユーザーとしてMT4を使っている立場からすると、さまざまなトレードツールにおける明確な差はほとんど感じられません。むしろ、機能が多すぎて使いにくいトレードツールもあるぐらいですから。理系の開発者ではない私にとっては、自動売買をする際のシステムの比較検討の容易さや、利用できる選択肢の多さをもっとも重視します。
その点において、MT4はダントツの優位性をもっているのです。システムのパフォーマンスもMT4を使ってデータ抽出してあれば、比較検討は簡単ですし、検証のバックグランドとなっている環境も同じなわけですから、信頼性も高まります。
ビデオ業界において技術的に優れていたベータ側が破れ、ユーザーのニーズにマッチしていたVHSが結果的に勝利したという現実と同じ構図が、このトレードツール業界でも起こっているのです。
技術的に優れていることと、市場においてユーザーに受け入れられることはイコールではありません。むしろ、ユーザーに受け入れられた製品が、市場を席巻し、広く普及する優れた製品になるのです。ユーザー視点から見るマーケティングにおける本質が、また、実際のビジネス界において証明された事例であるといえるでしょう。
このような流れを受けて、最近やっと日本の証券会社・FX会社においてもMT4を導入する会社が増えてきました。そして、これからは激増するでしょう。ユーザーにとっては、さらに選択肢が増える素晴らしい状況であると私は歓迎します。

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