ドルインデックスから見た相場観をご説明し、その後、「ドル/円」「ユーロ/ドル」などの日足のチャートを使用して、相場の流れがどうなっているのかを一緒に考察してゆきたいと考えています。
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- 初心者にもわかりやすい相場展望 第4回:小林芳彦
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皆さま、こんにちは。「初心者にもわかりやすい相場展望」第4回です。
ドルインデックスから見た相場観をご説明し、その後、「ドル/円」「ユーロ/ドル」などの日足のチャートを使用して、相場の流れがどうなっているのかを一緒に考察してゆきたいと考えています。
チャートを参照しながら、実際の値動きを説明していきますので、チャートをより身近に感じていただければ幸いです。ドルインデックスの動き
1月10日を起点としたドルインデックスの強烈なダウントレンドチャネルが5月4日の72.696で終了し、その後、揉み合いに移行したのは前回ご説明したとおりです。4月1日の76.610 を通過する水平な抵抗線と、5月4日の72.696と6月7日の73.506を結んだ支持線に囲まれた上昇三角形(アセンディング・トライアングル)をいったんは下抜けしたものの、再び上昇を開始。9月9日に水平に引いた抵抗線を下から突き破って、10月4日には79.838まで高値を追う展開となりました。
ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、欧州各国の長期債務格下げなどを背景としたユーロ狼狽売りがドルインデックスを押し上げたため、起きた上昇でした。その後、行き過ぎたユーロ悲観論が巻き戻され、ユーロ買いの流れとなったことで、ドルインデックスは反落。いったんは76.610の上昇三角形の抵抗線が支持線に切り替わったところで下落が止まっていましたが、欧州首脳会議でのギリシャ債務交渉進展期待からユーロが買われ、ドルインデックスは下落。
10月27日の首脳会議で、EFSF(欧州金融安定化基金)の規模拡大、保有ギリシャ債のうち50%を自主的に放棄することで銀行団と協議がまとまったことから、74.724までドルインデックスは急落しています。
ところがその後、ギリシャのパパンドレウ首相が上記の首脳会議で合意されたギリシャ支援策について、年明けにも国民投票を実施すると突然発表。否決されれば、ギリシャが破たんするシナリオが想起されたことから「ユーロ/ドル」が急落。インデックス上昇時にまたも76.610の抵抗線でひっかかるも、欧州各国のソブリンリスクに波及、各国の長期国債が売り込まれ、長期金利が急上昇。ギリシャ・イタリアで首相退陣、新首相登場でも債券売りが止まらず、危険水準とされる7%をイタリア国債利回りが突破。スペイン、フランスにまで影響が波及する展開となって、11月17日には78.467までドルインデックスは戻しています。
10月4日以降のドルインデックス下落時には76.610が当初支持線、割れてからは抵抗線として機能。10月27日に74.724まで下落後は、当初抵抗線、上に抜けてからは反落した際に支持線として機能、インデックスが下支えされて上昇に転じたことがよくわかるチャートだと思います。
このように、ひとつの線が支持線から抵抗線へ、また支持線へと切り替わることが繰り返される場合があります。覚えておいてくださいね。
今後の展開としては、欧州のソブリンリスクが解消されず、ユーロからドイツが脱退する可能性まで一部で取りざたされるなど懸念材料が多く、安心してユーロは買えない状態が続くと思われます。
各国の債券売りが止まらず、株式も急落している状態では、欧州通貨はなかなか買いでは攻めることが難しい。決してドルも買える状況ではないですが、相対的には、現状はユーロのほうが弱く、バイアスはドル堅調とみるため、ドルインデックスも揉み合いながら80.000の方向へ上昇するのではないかと考えています。
「ドル/円」の動き
「ドル/円」の長期のチャートは下向きで、トレンドラインはまだドルが下落を続ける展開。
10月31日に財務省・日銀のドル買い介入が行われましたが、75.60レベルから79.55まで急上昇した後は、相場を支えるような隠密指値介入に切り替えたのではないかという噂が聞こえました。当局からの公式発表はまだありません。
ただし、この介入でも80円台まで戻れなかったということは大きな意味をもちます。前回の8月の介入時には80円台前半まで押し上げましたが、介入当時に野田財務相(現首相)が、「日本は水準訂正をするような介入は行わない、介入の回数を多く行わない、特定のターゲット水準はもっていない」といった発言を行っていることから、今回、80円台まで買いあげると、「80円台がターゲット水準なのではないか」といった発言が出てくる可能性があり、80円まで介入しなかったのではないかという憶測があります。
したがって、今後も80円が強い抵抗線となってしまう可能性が出てきている感じがします。79円台で4時間も止まっていたときに徹底して指値介入していたという観測もあり、かなり実需企業のドル売り、ドル買いポジションの利食い売りなどが出て、ドル売り圧力緩和に繋がったと考えています。
ただし、介入後の11月7日付でコリンズ米財務次官補が「最近の為替市場は、無秩序な動きや過度の変動があるとは認識していない。市場が大きく荒れていることがない場合には、市場の力に応じ為替レートが柔軟に動くことを容認するのがG7の約束だ」と介入を強くけん制。10月の介入時でも、各国から理解は得られていなかったことをわざわざ公表した安住財務相は、「日本の介入は過度な動きを止めるのが目的」と発言し、最近の77円割れでも動かない相場では、介入することが難しいことを示唆しています。
ユーロは買えず、ドルも買う材料に欠ける状態で、逃避通貨的な円買いが見られ、チャート的にも「ドル/円」の反発は鈍く、まだ中・長期的な円高が続く可能性が高いと判断します。
75円を割り込み、ドルが史上最安値を更新した場合には、当局の介入の可能性がありますが、仮に介入した場合でも、80円台にまたも届かず、78-79円で止まってしまうようなら、さらに大きくドルが下落するリスクをはらんでいると思います。
「ユーロ/ドル」の動き
先月号でテクニカルに見て「ユーロ/ ドル」の抵抗線が1.3950から1.4080にかけて集中していることをご説明しました。「ユーロ/ドル」のレートは、10月20日には1.3735でしたが、そこから10月27日には1.4248まで抵抗線を突き抜けて大きく上昇しました。
ただし、この反動から11月17日には1.3421まで800ピップス以上下落しています。個人的には、来年、ギリシャがデフォルトする危険性が高いと考えている他、現状、欧州各国の財政基盤を考えるとドイツ以外は総崩れとなっている状態であり、ドイツのユーロ離脱観測、財政基盤の弱い国を欧州から排除する再編観測など、まだ現状では一笑に付すような話でも、現実にギリシャがデフォルトを起こし、ユーロ圏を離脱することになれば、一気に現実味を帯びてくる話だと思っています。
ユーロの長期の方向性は、やはり、下落傾向なのではないかと考えており、目先は1.30を目指す動きが強まると思います。
(コメント作成11月19日、76.92 、1.3520)。

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