及川:今年は円高が進行するなか、レバレッジ規制などFX市場を取り巻く環境にも大きな変化がもたらされました。「くりっく365」への影響は? 大房:個人的な感触ですが、レバレッジ規制の影響は限定的であったと思います。
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地道な活動で拡大した「くりっく365」市場
及川:今年は円高が進行するなか、レバレッジ規制などFX市場を取り巻く環境にも大きな変化がもたらされました。「くりっく365」への影響は?
大房:個人的な感触ですが、レバレッジ規制の影響は限定的であったと思います。レバレッジが25倍になることで取引の減少、FX市場全体のシュリンクを危惧する声も聞かれましたが、「くりっく365」では、レバレッジ規制の行われた本年8月は前月対比で10%超取引が増え、8月の取引数量は上場来歴代5位という水準でした。
9月・10月は多少減ったものの、それでも出来高は1000万枚超、金額ベースでは10兆円~11兆円規模の売買を維持しています。ただし昨今は、欧州通貨危機等を背景とした、非常にボラティリティの高い相場展開が続いているので、これらのプラス要因がレバレッジ規制のマイナス要因を吸収したという事情もあるかと思います。

及川:2005年の上場以来、口座数も預かり資産も伸びていますね。
大房:上場してから約6年半が経ちますが、口座数・証拠金額ともに右肩上がりの状況が続いています。現在の「くりっく365」の口座数は約43万口座で、預かり証拠金額は約2300億円です。
先日、矢野経済研究所が発表したデータによると、FX市場全体の証拠金残高が約1兆円なので、実にその約4分の1を「くりっく365」でお預かりしていることになります。これまで歩みを止めずに、地道にやってきた結果だと思います。
私たちがとくに大切にしていることは、お客さまの声に耳を傾けることです。そして、そのためにお客さまと接すること。口座数が増え、市場が大きくなったからといって、すべてのプロモーションをオンライン化するのではなく、たとえば、セミナーで全国に足を運ぶことにも大きな意味があると考えています。
会場型セミナーを開催すると、ウェブセミナーなどでは絶対に見えないお客さまの反応が見えるのです。そこで得た要望や意見をサービスに反映させる。そうした草の根的な活動を継続してきたことが、先ほど申し上げた数字につながっているのだと思います。

アジア3通貨の上場
及川:8月から新たに「中国人民元/円」「韓国ウォン/円」「インドルピー/円」の3通貨ペアが上場しました。これもお客さまの要望によるものですか。
大房:そのとおりです。セミナーを開催するときには必ずアンケートをとるのですが、「くりっく365で取引したい通貨は?」という質問に対して回答が多かったのが、今回上場した3通貨ペアでした。
なかでも中国人民元は、ずいぶん身近な通貨となってきたことから、従来から要望が多かった通貨です。日本でも中国株を取り扱う証券会社は増えてきています。中国人民元を単に投機的に売買するだけではなく、中国株のリスクヘッジのために売買することも可能です。ドルやユーロに比べると流通量が少ないですが、「中国人民元/円」でも安定したレートを供給できています。
及川:現在、「新アジア通貨上場記念セミナー」を全国各地で開催されていますね。
大房:札幌、名古屋、京都、広島、福岡で開催したセミナーはお陰さまで大好評でした。2012年1月には「新アジア通貨上場記念セミナー」の締めとして、神戸でのセミナー開催が決まっています。中国経済に詳しい専門家が中国人民元の今後の動向について話しますので、ぜひ多くの方に参加していただきたいです。
今後はさらに開催地域を広げ、日本全国の投資家へ「くりっく365」の周知を図っていきたいと考えています。もちろん、東京・大阪での大規模セミナーも予定しています。
及川:今後も通貨ペアは増やす予定ですか。
大房:アジア3通貨ペアが加わり、現在取引できる通貨ペア数は26通貨ペアとなりました。ただ、それで満足せず、投資家の皆さまのニーズがあるようであれば、今後も新しい通貨ペアを導入していきたいと思います。たとえば、ロシアや東南アジア、中東の通貨なども面白いかもしれませんね。
取引所と店頭の垣根を越えて、FXを外貨投資のスタンダードへ
及川:2012年1月1日からは、店頭FXの税制が「くりっく365」と一本化されます。店頭FXでも税率が一律20%となりますが、この点についてどのようにお考えですか。
大房:店頭FXも税制優遇を受けるわけですから、広い意味で、FXの投資家にとってはプラスの税制改正です。これにより、店頭取引のほうに多少お客さまが移られたとしても、FX市場全体が縮小するわけではありません。
取引所取引と店頭取引のどちらがどうこうということではなく、これからは双方が補完し合うかたちでFX市場全体を活性化していくべきではないでしょうか。FXの裾野を広げること、それを何よりも推し進めたいです。上場10年目を迎える3年後には、FXが日本の外貨投資のスタンダードになるようにしたいですね。
取引所取引と店頭取引にはそれぞれに良いところがあります。「くりっく365」取扱業者のなかにも、店頭取引を併用して魅力的なサービスを展開している会社がたくさんあります。取引システムに特長があったり、魅力的なスプレッドを提供していたり。一方、「くりっく365」にも、取引所取引ならではのメリットが税制面以外にもたくさんあります。
約定力の高さと取扱業者選定の厳しい基準
大房:たとえば、価格提供に関しては完全マーケットメイク方式を導入しており、世界有数の金融機関6社(マーケットメイカー)が、お客さまに常に公正かつ健全で有利な価格をご提供しています。「くりっく365」の、スリッページのない約定力の高さに注目されている投資家も多いようです。スプレッドが狭くても、約定時にわずかでもすべってしまえば、実質的に取引コストが増加するということを理解している投資家が増えているということだと思います。
また、万が一取扱業者が破綻したとしても、お客さまのポジションを別の取扱業者に移管することができます。無理にポジションをクローズしなくても、そのまま移管できるというのは、投資家にとっては魅力的であると思います。もちろん、お客さまの証拠金は取引所のほうで全額お預かりし、分別保管してありますので安心です。「くりっく365」の取扱業者は、資本金3億円以上、純資産額20億円、自己資本規制比率200%という私どもの定めた厳しい資格基準を満たした会社ですので、安心してお取引いただけます。
及川:信頼や安心を買うと考えれば、手数料がかかったとしても、トータルコストは安いのかもしれません。
大房:そのとおりです。「くりっく365」は取引所取引なので、店頭取引のように手数料をゼロ円にすることはできません。ただ、手数料がゼロ円で、スプレッドがどんなに狭くても、スリッページなどして希望通りの価格で約定しなければ意味はありません。
たとえば1万通貨で1銭すべったら、それは100円の手数料に相当します。その点、「くりっく365」では、レートの提示に加えて、そのレートに存在する流動性(マーケットメイカーの提示数量)もありのまま、リアルタイムで提供していますので、どの価格でどれくらいの数量が約定可能なのかわかり、非常に透明性が高いといえます。ただし、レートや数量は刻々と変化していますので注意が必要です。
システムトレードができる取引環境も
及川:約定力が高いということは、システムトレードにも向いていますね。
大房:まだ認知度は低いかもしれませんが、すでに「くりっく365」の取扱業者のうち、数社がシステムトレードのできる取引環境を用意しています。たとえば、FXトレーディングシステムズでは「くりっく365」で自動売買が行えるプラットフォームをリリースしていますし、岡三オンライン証券ではExcel上でマーケット情報の表示や各種注文が可能となっています。また、トレイダーズ証券ではAPIの仕様を公開しており、お客さま各自が自由に売買システムを作成することができるようになっています。
価格が透明なので、「くりっく365」はシステムトレードと非常に相性がいいはずです。将来的には、マーケットメーカーも現在の6社から増える可能性がありますので、さらに、安定した取引環境をご提供できると思います。
「くりっく365」市場の裾野を広げ、投資家の使い勝手のよい市場づくりに邁進
及川:他に力を入れていることや、今後の施策について教えてください。
大房:8月より法人のレバレッジを最大150倍にしました。また、来年には取次業者の国内取次スキームを構築する予定です。取引所の資格基準をクリアできず、「くりっく365」に直接参加できない地方の証券会社などに、23社ある取扱業者のどこかと取次契約を締結してもらい、「くりっく365」につなげるような環境を整えていきたいと考えています。
個人投資家の皆さまに関連することでは、「ユーロ/ドル」の情報提供に注力しています。売買データをご覧になればわかる通り、「くりっく365」では対円取引の占める割合が大きいです。一方、世界で一番取引されている「ユーロ/ドル」の取引高が少ないので、マーケットレポートをはじめとした「ユーロ/ドル」に関する情報コンテンツを前面に押し出し、「ユーロ/ドル」の取引に親しんでもらえればと思います。
引き続き、「くりっく365」市場の裾野を広げ、投資家の皆さまにとってより使い勝手のよい市場づくりに取組んでいきたいと考えています。
及川:今日はありがとうございました。

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