EU離脱期限延長でポンドは強気スタンスか[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

ドル円は引き続きレンジを意識

昨夜行われたパウエルFRB議長の議会証言では「貿易交渉など政府の政策に不透明感があり、将来の金融政策の変更は様子見が検討される」、「経済見通しは良好、しかし一部に相反する流れがある」と述べました。発言はこれまでを踏襲した形で、ハト派スタンス継続の流れです。マーケットはややドル売りで反応しましたが、ドル円は110円ミドルで膠着しており、明確な方向感は出せていません。

ここからのイベントとしては本日から行われる米朝首脳会談に注目が集まります。しかし、今回2回目の米朝首脳会談は1回目の会談と違い緊迫感はありません。北朝鮮の非核化を「急いではいない」とトランプ大統領が述べたように大きな進展の可能性は低いと見ています。ドル円はテクニカル的にもレンジ継続と考えており、下値は2月15日の安値110.25円、上値は200日移動平均線の差し掛かる111.30円です。もみ合いがかなり続いているので、上下ブレイク時は注意が必要ですが、このまま方向感が出せないのであればレンジ内でうまく立ち回るしかなさそうです。

「合意なき離脱」懸念が剥落。上値余地を無視できない状況

ドルが明確な方向を示せない一方でマーケットの主役はポンドとなっています。昨日も昨日メイ英首相は「EU離脱期限の延期を検討」との発言を受け、「合意なき離脱」への警戒が緩和されたことで対ドルは1.3287ドル、対円は147.06円まで急騰しました。

メイ英首相は3月12日までにEU離脱案が議会で承認されない場合「合意なき離脱を議会に問う」と表明しており、依然として合意なき離脱への可能性は消えていないものの、マーケットは「合意なき離脱」は難しいという判断をしているようです。これまで「合意なき離脱」を警戒して下落していただけに反発はかなり期待できそうです。もちろん局地的には引き続き要人発言に振らされる展開ですが、マーケットが作ったこの上昇モメンタムには乗りたいところです。できれば下がったところを拾いたいが、このモメンタムであれば割高とはいえ、押し目を待っている状況でないのかもしれません。

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井口喜雄(いぐち・よしお)

トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。

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