リスクオフの再燃!?当面は円買いの好機か[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

リスクオフの再燃

今週はこれといったイベントこそありませんが、米中貿易摩擦やイタリア財政問題、ブレグジットなど不透明要素が多く神経質な展開です。米中貿易は中国が「レアアースの対米輸出を制限することを真剣に検討している」と中国国営紙が伝えるなど米中貿易摩擦激化懸念が再燃しています。

イタリア財政問題は「欧州委員会がイタリアに30億ユーロの制裁金を科す可能性がある」とのことでイタリアは猛反発しています。この問題は毎度毎度で相変わらずな気もしますが、欧州議会選挙で反EUやポピュリスト政党が議席を伸ばすなか、イタリアとEUの対立が深まると最悪EUの結束が疑われるような展開もあり材料として無視できなくなってきました。

ブレグジットもメイ首相の辞任で次期首相が決まるまでは政局になるうえ、ブレグジット党が第一党へ躍進したことで「合意なき離脱」の可能性が高まっているのは間違いないでしょう。さらには南アフリカもラマポーザ政権の閣僚人事とエスコムを巡る問題を背景にランドが売られています。トルコやメキシコといった新興国もファンダメンタルは脆弱なため、いまのマーケットは世界的なリスクオフ相場といえるでしょう。

ドル円は下値模索か

世界的なリスクオフ相場となるため、ドル円、クロス円はどうしても下目線になります。ドル円のターゲットは5月13日の安値109.02円で、ここをブレイクできればストップロスを巻き込んで108円ミドルまでは見てもよさそうです。とはいえ下値攻略も簡単ではありません。109.00円には大きめのオプションが控えているほか、機関投資家も109円前半では丁寧に押し目を拾っていく方針のようです。ショートのプレイヤーは突っ込みすぎてカウンターをもらわないよう慎重さは求められます。ただし、ここからドル円が大きく上昇するシナリオは描きにくく、上がったところで売り場探しというスタンスが有効かもしれません。

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井口喜雄(いぐち・よしお)

トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、主に貴金属や石油製品のコモディティ市場を中心としたカバーディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、「米ドル/円」や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズから見た為替分析に精通している他、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。最近では、みんなのFXの無料オンラインセミナーにも登場し分かりやすい講義内容が好評を得ている。さらにTwitterでは、プロディーラーが相場についてリアルな意見を発信しているので要チェック。

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