「超長期トレードの仕掛け人」ゆったり為替 13000文字インタビュー「脱サラトレーダーが定義する、FX世界弱肉強食の構図」

聞き手:鹿内武蔵(編集部)

大学時代は株に夢中。でも勝った記憶はなし

鹿内 改めて、専業トレーダーになる前にされていたことと、専業トレーダーになったきっかけを教えてください。たしか、サラリーマンだったとか。

ゆったり為替 今は専業トレーダーではなく、トレーダー兼ライターと名乗っています。というのは、文章を書いたりサイトを運営したり、インタビューを受けたりでも報酬を得ているので、専業ではないんですね。ちなみに、今だけかもしれませんが、最近の収入は仮想通貨の方が多いんですよ。

鹿内 トレード以外の収入も多いんですね。

ゆったり為替 質問からはそれますけど、FXは機関投資家とかスーパートレーダーがいっぱいいますけど、少なくとも2017年までにおいて仮想通貨はまだ素人ばかりなので、勝ちやすいんです。

鹿内 ぬるく感じると。

ゆったり為替 ぬるいというのはいいすぎですけど勝ちやすいです。

鹿内 仮想通貨FXですか?

ゆったり為替 いや、現物です。というのは、証拠金取引は約定拒否が多々あるからです。

鹿内 スプレッドが広すぎません?

ゆったり為替 ビットコインはまあまあやりやすいですね。FXでも仮想通貨でも、あちこち会社訪問をして話を聞くんですけど、コインチェックさんだけは質問に対してほとんど答えてくれませんでした。なんで答えてくれないのかなと考えていたら、先日の事件があって、これは隠してることがあったのかなと(笑)

鹿内 別の会社さんの説明会に参加させてもらったとき、ゆったり為替さんはその会社の社長にもガンガン質問していました。

ゆったり為替 ええ。気になること、あと、個人投資家が知りたいことはどんどん質問します。

さて、話が飛んでしまいましたね。トレーダーになる前に何をしていたかというと、独立行政法人にいました。FXとは全く関係のない業界です。

鹿内 大学では何を専攻されていたんですか?

ゆったり為替 政治ですね。でも、実は経済の方が好きだったんですけど。なので大学に入ってすぐ株を始めました。

鹿内 資金源は?

ゆったり為替 アルバイトですね。当時はバブルが終わって価格が高いころだったので、アルバイトのお金ではなかなか買えませんでした。あまり覚えていませんが、低位株のミニ株をやっていたと思います。6345のアイチコーポレーションをたくさん取引した記憶はあります。

鹿内 そのころ、株をやる学生は多かったんですか?

ゆったり為替 ブームではなかったですね。お金がかかったので。今は手数料が安くなっていますが、当時は購入代金の1%が手数料というのがデフォルトだったと記憶しています。100万円の株で1万円。で、インターネットの取引が出てきたころで、手数料の○割引!といっても、7千円とか8千円。

鹿内 1%のリターンを得ないと赤字ですね。

ゆったり為替 今は数百円とかですから、圧倒的に安くなってます。

鹿内 学生時代に株をやるって、どういう目的意識があったんですか?

ゆったり為替 お金が好きだったからです! 経済も好きだったんで国家公務員一種も取ったんですけど、面接でうまくいかなくて。そこで途方に暮れていたら、独立行政法人に拾ってもらいました。

鹿内 いまFX業界で活躍されているトレーダーさんが、どんな経緯で活躍されているかというのは、皆さん違っていて、とても興味深いです。それで、大学時代の株の成績はどうでした?

ゆったり為替 勝った記憶がないです。

鹿内 資金を飛ばしてしまったのですか?

ゆったり為替 そもそも額が小さいので、株での負けはたかが知れています。額でいえば、FXの方が圧倒的に負けました。

鹿内 株とFX以外の投資はしましたか?

ゆったり為替 いろいろやりました。思いつくままにいうと、eワラント、CFD全般、国債先物、投資信託、外貨預金、外債現物。不動産はやらなかったです。レンタル倉庫は手付金30万円を払った段階でやめました。やっていないものを探す方が難しいかな。

鹿内 その中でFXが残ったのは、相性が良かったからですか?

ゆったり為替 好きじゃないと続かないですよね。たまたまFXが好きだったんです。もちろん経済や政治も嫌いじゃなかったですが。

鹿内 FXを攻略してやろうという挑戦欲はあったんですか? あるいは、もっとお金を増やしたいという金銭欲。そして、お金が増えたり減ったりするカタルシスがたまらないとか。

ゆったり為替 パチンコとか競馬は好きじゃないんです。でも麻雀は大好き。毎日のようにやっている時期もありましたよ。

1000万円の損失に耐えられる資金力

鹿内 どんな経緯でFXに出会ったんですか?

ゆったり為替 株でずっと負けていて、でも将来は給料で生活するのではなく、ずっと大きなお金を稼いで、悠々自適に暮らすことを目指していました。

鹿内 その目標はいつごろから抱いていましたか?

ゆったり為替 学生のころも思っていましたし、より強く思うようになったのが就職してすぐです。同期には数年で会社を辞めると公言していました。結局は十数年いましたが。実際にはなかなか勝てなかったですね。

最初に作った口座は、2004年ごろのセントラル短資FXとインヴァスト証券です。とあるブロガーさんの影響です。あの時期、他の多くのブログがイケイケで煽りまくりだったのですが、私が読んでいたブログだけは、煽りつつも抑え気味のトーンでFXをプッシュしていたんですよね。そこに好感を持ちました。

そのころは円安相場だったんで、確かに勝っているんです。2007年のサブプライムローン問題でドル円が怪しくなってきたんですけど、イケイケドンドンでロングのポジションを持っていれば、ドル円でも一日に1万通貨あたり100円以上もらえた時代なんで、ずーっとロングでがんばってました。

鹿内 強引なホールドですね。

ゆったり為替 そうです。で、気付いたら含み損が大きくなりすぎて、数百万円を損切りして終了。しばらくはドン底のメンタルでした。

鹿内 失礼ながら、よく聞く失敗談ですね。FX攻略.comは、リーマンショックの少し前の2008年夏に創刊されました。初期は、スワップを狙う方法を解説した記事が多かったです。秋以降一気になくなりましたが。

ゆったり為替 なお、2007年くらいに働き過ぎで倒れました。巨大損切りの時期とはずれていますが、3か月の休養を取って、仕事のことを考えずに自由に過ごせと医者にいわれました。このとき改めて、会社に頼らずに自分で生きていくしかないと決心しました。それなら、何で生きようかと考えて、たどりついた結論がFXです。その時点では、負け続きのトレーダーだったんですけど、そこから勉強を始めて、2010年、2011年くらいには勝てるようになりました。

鹿内 ついに開花したわけですね。

ゆったり為替 それでも、たまたま地合いが良くて勝てるようになったのかもしれないので、すぐに会社を辞めずに、一年間だけ本当に勝てるかを試し、確信を持って2013年夏に退職しました。

鹿内 専業トレーダーの誕生です。

ゆったり為替 ただ、順調に勝っていたかというとそうでもなくて、2015年1月のスイスフランショックで1000万円失うこともありました。ただ、一般的に1000万円やられると痛いと思うんですけど、逆説的に1000万円負けて致命傷になるなら、専業は無理ですね。

鹿内 かすり傷ですか。

ゆったり為替 さすがにかすり傷はいいすぎですけど、1000万円飛ばしても、まあしょうがないかという感じでないとしんどいですね。例えば、1000万円が原資で、年に400万円稼ごうとすると、年利40%です。これに税金や社会保障を加味すると、それ以上の利回りを出さなくちゃならない。でも、40%ってとてつもなく難しいですよね。ただ、10%を10年間続けるのはできると思うんです。でも、40%を10年間というのは、スーパートレーダーでも難しいですよ。そう考えると、元手が必要です。年利5%でも生活できますよという資本力が。

鹿内 1億円必要ですね。

ゆったり為替 1億円あれば、私のような超長期の放置トレードでも十分回していけますね。まあそれをトレーダーと呼んで良いのか分かりませんが。なので、お金があまりない人の場合は、給料をメインにしながらFXで少しずつ増やすのが良いですね。一気に増やすのは難しいです。増やせても、継続するのは難しいです。

なお、仮想通貨は2017年に一気に増やすチャンスがありましたが、同じやり方がもう一度通用するかというと、たぶん無理です。

負の連鎖に陥る手法の高値掴み

鹿内 これまでに取り組んだFXの手法の中で、うまくいかなかったものを教えてください。

ゆったり為替 2004年ごろから、ウェブや本に載っている手法はほとんど試しました。でも、ある時期に勝てても、長期的に勝てるものは基本的にありませんでした。でもそれは当然で、どんなに優秀な手法でも、勝てる時期と勝てない時期があります。で、その手法が勝てると騒がれている時期って、その手法で勝てる期間の頂点なんです。で、その後は次第に調子が悪くなって当然もう勝てないので、また次に話題になっている手法を探して飛びつく。完全にカモですよね。

鹿内 手法の高値づかみですね。手法にも賞味期限があると。

ゆったり為替 ありますね。使えないといわれている時期こそ、その手法の優位性が復活しつつあるタイミングかもしれない。それと、スキャルピングもけっこうしましたよ。

鹿内 意外ですね。どうでした?

ゆったり為替 疲れます。働いていて、残業して家に帰って、よしやるぞとカチカチやって、勝てないとだるいですよね。

鹿内 テクニカル分析は、いろいろなものを試しましたか?

ゆったり為替 MT4を当時使っていたんですが、MT4で再現できるトレード手法だと、10年継続して勝てないと感じました。数年はうまくいっても、難しくなる時期が来ます。でもどうせやるなら10年、15年と継続して勝てるパターンが欲しかったんですが、それがMT4で見つけられなかったです。もちろん、私が試した手法や、パラメーター調整が悪かったのかもしれません。それからは、MT4ではなく、エクセルでの分析に移行しました。

鹿内 エクセルですか。ある程度パソコンに強くないとできないですよね。

ゆったり為替 前職でエクセルを使っていたので、そんなに苦労しませんでした。2000年からの日足の四本値をエクセルに入れて、パターンを分析しました。この方法だと、一つのファイルが数十メガになることがあるので、開くのも保存するのも一苦労。さらに、100個分析しても、95個は使えません。さらに突き詰めていくと、実戦で使えるのは1個か2個の手法だけです。あるいは、1個も使えるものがないことも。ただ、今でも当時から生き残っている手法はいくつかありますよ。例えば月曜のデイトレードです。

鹿内 専業トレーダーの平野朋之さんも、何百個も試して、使えるのはほんの一握りだとおっしゃっていました。ところで、その月曜トレードは、今も優位性がありますか?

ゆったり為替 ありますよ。私は、2000年から2017年までバックテストして、10年を一つの範囲として、その中で8年通用しなければ採用しないようにしています。これをクリアすれば、少々のことではそのパターンの優位性は崩れません。2005年から2006年の円安のときも、リーマンショックのときも、全部通用するパターンしか採用しません。

鹿内 その手法は、本誌の「誰でも分かる買い合図」という企画で、改めて取材させてください。

ゆったり為替 分かりました。ちなみにその手法はインターネット上に公開されていて、一年間の運用でちゃんとプラスで終わっています。

鹿内 読者の中には、使える手法なんてないと考える人もいるようです。

ゆったり為替 大きく儲けられるものは、ほとんどないかもしれません。でも、それなりにプラスになるものならあります。

鹿内 長期的に見て、お金が増えれば十分であり、そういったものがたまにある、というのが実態なんですかね。

ゆったり為替 そうなんでしょうね。ただ、使える手法でも、多くの市場参加者に知られたときが手法の寿命となります。

鹿内 その手法の売買を狙う勢力が出てきたり、あるいは手法を使っている人同士の競争になったり。それが、FXの難しいところでもありますね。

ゆったり為替 そういう意味で、手法は公開されたら終わりともいえます。例えば雑誌にある手法が掲載され、それがさまざまなサイトなどで広がって、日本の個人投資家の多くが使用するようになったとしたら、それを機関投資家が狙ってきます。

鹿内 米国のタートルズの例がそうですよね。広まりすぎると、それを狙う連中が出てくる。

イチローに刺激され貯金と勉強を同時進行

鹿内 改めまして、専業トレーダーに転身した理由は?

ゆったり為替 給料をもらう生活が嫌になったというのが一番の理由です。朝起きて支度して電車に乗って働いて帰って。そんな生活で給料が年に何百万円。それに対して、2001年にイチロー選手がメジャーリーグに行ったとき、年俸や移籍金が十数億円と報道されていて。

鹿内 イチローと張り合いますか。同世代ですか?

ゆったり為替 同世代ですね。当時、ホワイトカラーの生涯収入が3億円といわれている中、1年間で十数億円ですよ。何だよこの差はと。給料に頼っていてはらちがあかないなと思って悶々としていた時期に、FXと出会ったんです。

鹿内 そのころのFX業界の雰囲気って、どんどんドル円が上がっていくぜ!というイケイケの雰囲気だったんですか? 円安をあおるような。

ゆったり為替 買って保持して、円安の差益とスワップポイントでがっつり儲けようぜイエイ!という雰囲気でした。

鹿内 それが2007年まで続いたんですね。でも、リーマンショックで退場者が続出と。昨年から今年にかけての仮想通貨に似ているかもしれません。僕の友達で2017年末から仮想通貨を始めた人がいるんですが、彼から正月くらいにLINEが来て「来世で会おう」といわれました(笑) 頂点でモナコインを買っていたみたいです。

ゆったり為替 私は5円でモナコインを買って40円で利確しました。8倍に増えて、よっしゃ!と。FXでは、1%の利回りすら難しいのに、8倍まで上がるのってすごいですよね。でも、実際には2000円まで上がりましたが(笑)。

またまた脱線しましたが、専業になった理由は、とにかく多く稼ぎたい。そして自由になりたいという理由でした。朝早く起きて、夜遅くまで働いて、月収数十万円なんて嫌だと。

でも、専業になってみたら、実は収入が不安定でしんどいことを強烈に実感しました。だからリピート系自動売買とスワップ運用、月足トレードに転身して、中長期で安定して稼ぎつつ、いつかドカンとお金が入ってくるように行動しています。その中で、気が向いたらちょこちょこ短いトレードをして。

こういったトレードをしつつ、あとは執筆報酬をいただくスタイルになっています。執筆報酬は、働いた分だけ収入があるので助かります。トレードは、長時間働いた結果が損失だった、というのがあり得ますので。

退職してびっくりしたのが、年金とか社会保険料がものすごく高いことです。退職前に、起業する人に対して注意点を促す本やウェブサイトがあって、そこにはちゃんと計算しろと書いてあります。私はもちろん計算して仕事を辞めたので計算通りなんですけど、その金額が痛いんです。年金保険料と健康保険料で毎月何万円も必要です。それを稼ぐのって大変じゃないですか。

鹿内 超長期トレードに転身できたのって、長年のサラリーマン勤めによって、大きな資金が貯まっていたことも影響がありそうですね。要するに、お金がないと真似できないスタイル。

ゆったり為替 勤めていたころは、ボーナスは全額貯金。社宅に入って、毎月の給料の3〜5割を強制的に貯金していました。だからかなり貯金の比率が高かったです。

鹿内 それは自主的にですか?

ゆったり為替 私の考えで、働き始める前からその意向でした。学生のころは株で負けていて、お金がないと話にならないと認識していました。なので給料から貯めるしかないということで、お昼は自分で弁当を作って、無駄にお金を使えないので夜は遊びに行かず、貯金とトレードの勉強を並行して行いました。読者の方にもできることだとは思いますが、かなり根性は必要です。遊びに行けないんで、自然とFXの勉強をするようになりました。

鹿内 かなりストイックですね。

ゆったり為替 でも、社会人になって、学生のころより圧倒的に大きなお金を使えるようになって、そこでイケイケになっていたら2007年のサブプライム問題で数百万円失って。そこからまた勉強して復活できました。

鹿内 よく復活しましたよね。

ゆったり為替 普通ならやめていたかもしれませんが、休職した時期が重なって、人生を見直す期間がありました。偶然ですけど、それがあったから、続けられたのかもしれません。

一発も殴られないボクサーなどいない

鹿内 かつて個人投資家への指導をされたことがあるそうですが、今も続けていますか?

ゆったり為替 一応やっていますが、教えてと頼まれて教えた例はあまりないです。会社員時代、FXで稼げるようになって退職すると宣言していたので、同僚たちは本当に勝っていることを知って、教えてよといってきます。こちらとしては教えても良いけど、負けたら損するよと伝えると、「えっ、それならいいや」と皆がいうわけです。

鹿内 投資では当たり前のことなのに。

ゆったり為替 会社勤めをしていて、これまで投資に関心を持っていなかった人で、投資は勝手に資金が増えていくみたいなイメージを持っている人は少なくないですよ。

鹿内 お金が減る可能性を思ってもいないんですね。

ゆったり為替 そう。それで減ることもあると伝えると、半分は去って行く。1か月間働いたらその分を給料でもらえるという枠組に慣れた人は、頑張った上で損することをイメージできないみたいなんです。

鹿内 勝ったり負けたりする世界であると、なかなか想像できないんですね。例えばボクシングなら、勝者はお金も名誉も得られるけど、試合中は相手のパンチを受けることもあります。

ゆったり為替 そうですね。それと、私が貯金や勉強に費やした苦労の話をすると、それは面倒くさいと多くの人がいいます。私にとって良い方法が、皆さんにとって良い方法とは限らない。教えても良いけど、それが通用しない可能性もあるから、そこは自分で勉強してねというと、ほとんどの人が離れます。

あと自分がすごく損をして、そこから勉強して復活できたから、無料で教えるわけにもいかないじゃないですか。当時は1年間の授業で50万円としていました。初めは8時間×2日間の集中講座を行い、それから1か月ごとに成績を送ってもらってチェックする。ときどき一緒に食事をしながらメンタルもチェックする。

鹿内 手取り足取りですね。

ゆったり為替 一日や二日じゃ勝てるようにならないですから。でも、これだけ濃い内容なのに、50万円も取るのかという人は多いです。

鹿内 その価値はある授業ですよね。

ゆったり為替 授業をするなら、今なら100万円です。100万円にしてからは、誰にも教えていません。また、実際に教えたのは数人で、というのも覚悟がない人は私から断っています。なぜなら、大抵の人はFXで勝てないと思っていますから。お金を払ってもらって勝てないのは申し訳ないし、お互いに時間の無駄なので。

鹿内 教えた方はその後、勝てるようになっていますか?

ゆったり為替 半分が勝てるようになっています。一番早い方で、1か月で勝てるようになりました。

鹿内 どんな方だったんですか?

ゆったり為替 とあるFX系サイトのオーナーです。アフィリエイトで稼ぐ一方で、トレードでも勝てるようになりました。

鹿内 どんな素養がありました? 特別な人ですか?

ゆったり為替 50代の一般の人ですよ。投資経験はないですが、サイトを作るにあたっていろいろな情報に触れていたので、それが下地となったのかもしれません。それに私がヒントを加えて、花開いたんです。

鹿内 なるほど。ところで、お金のない人って、すぐに大金を手にしたいがために無理をして、結果的に損切りが遅くなるパターンが多いようです。資金の余裕が、結果的にトレードの上達につながることはありませんか?

ゆったり為替 断定はできませんが、十分に可能性はあるでしょう。

鹿内 お金がないと慌てるし、無茶します。私たちは雑誌以外に、いくつかの投資教育のプログラムを運営していますが、勝てるようになる人はそう多くありません。それがなぜかを追求したいので、どんなタイプの生徒さんが成功しているかを知りたいんです。あとは、ITスキルもありませんか? 例えば、Windowsの基本操作がままならないとか。

ゆったり為替 それはあるでしょう。

鹿内 株は銘柄研究ができれば問題ないと思うんですが、FXはITとつながっている割合が大きいのかなと。株の長期投資なら、パソコンが苦手でも何とかなりますが、FXはパソコンがある程度できないと厳しい。

新弟子でも横綱との対戦を避けられない

鹿内 ぶっちゃけ、なぜ多くのトレーダーが利益を出せないのでしょうか。

ゆったり為替 多くの個人投資家が勝てない理由ですが、ボクシングでも柔道でも、必ず体重制ですよね。また、サッカーでも野球でも、小学校・中学校・高校と段階がありますよね。でも、トレードの場合はそれがない。

鹿内 プロと素人が同じフィールドに立つ。

ゆったり為替 それが一番大きい原因だと思います。私も何とかFXで生活していけますけど、機関投資家やプロが繰り出すパンチをかいくぐりながらどうにか生き残っています。ただ、仮想通貨の分野だと規模が小さくてプロのスーパートレーダーが入ってきていません。だから、FXよりは戦いやすいわけです。

鹿内 株式の新興銘柄のようなイメージでしょうか。

ゆったり為替 個別株だと誰が取引しているか分かりませんが、仮想通貨だと明らかにブームに乗ってきた初心者が多いと思います。

相撲でいうと、序二段から横綱までが一緒の土俵で戦うなら、私は十両にいると思うんです。FXでは十両で何とか稼いでいる状況ですが、仮想通貨では今のところ横綱や大関がいないので、楽に戦えます。

結局、個人投資家がほとんど勝てない理由は、そこにたくさんのプロがいるからです。みんなで机の上にお金を出して、それをプロがごっそり持って行って、残りをその他大勢で奪い合うのが相場なので、そのごっそりの人がいなければ楽ですよね。

鹿内 世界で一つのマーケットというのは、FXの特性ですよね。

ゆったり為替 株の場合は配当金がありますが、FXは交換でしかない。この部分もあって、プロに負ける個人が圧倒的に多くなります。

鹿内 逆にその負ける中から、勝ち組に転じるには、どんな行動や考えが必要ですか?

ゆったり為替 大半の参加者が負けるという前提に立って、そこからどう脱却するか。

鹿内 呂布みたいな豪傑が大暴れしている場なんだと、理解することが重要なんでしょうね。

ゆったり為替 その中で、勝つにはどうするか。運という考え方を採用する人がいるかもしれません。例えば仮想通貨は2017年より前に始めていれば勝てた可能性が高かったわけですから、運も重要な要素です。ただ、運だけではいずれ負けるので、そこからは勉強が必要です。私が教えるときは、損してからが勝負だと話します。

地元のバーでお酒を飲んでいると、出会った人と仕事の話になるじゃないですか。で、トレーダーをやっているという話をすると、軽いノリで「私もやってみたい」となるわけです。そういう人に対しては、「まずは負けましょう」というようにしています。頭で理解するんではなく、実際に負けないと、人はあまり勉強しないんですよね。そして、短期的に答えを求めないことですね。

あと、ウェブサイトの情報を信用するな、マスコミを信用するな。これが大切です。FX攻略.comの連載で、日本にとってひどい災害があって、超円高になったときに買いチャンスがあったと書きました。でもそういう状況になると、マスコミ報道は悲観的になっているので、その雰囲気に飲まれると買いを入れられないんですよ。

あとは英語ができた方が良いです。私の情報源は主に海外なんですが、日本と海外では報道が違うんです。一番は、日本の大手新聞と海外の報道の差。例えば国際会議に日本の首相が参加して、その会議では日本にはAという問題がある、Bという問題がある、でもCという期待もあるというように、結論は出ないものなんですよね。で、今後の活動に期待しようね、という形で終わる。

でも日本の新聞を見ると、Aという問題がある、Bという問題がある、以上。問題点しか書かない例があります。日本の新聞しか読まないと、日本の政府がダメじゃんという印象になるけど、そういった会議のサイトを見ると、きちんとCの部分まで書いてある。だから、マスコミ一社の報道を鵜呑みにするのは良くない。いくつも読んで、なおかつ主催の公式発表を見て、本人の発言やツイッターを見て、総合的に考える必要があります。

でも、そこまでやると時間がかかりますよね。英語ができて、時間があることが条件になってしまうので。

鹿内 たくさんの情報を整理するのは大変だけど、大事ですよね。

ゆったり為替 私は新聞を読まず、インターネットが中心です。また、CNNやBBC、ヤフーニュースも見ています。あとは、FX会社が流すニュースも良いですね。私はセントラル短資FXのクイックチャート・トレードプラスで、毎朝ヘッドラインニュースを見て、気になるものがあったら、その元の情報を見るようにしています。

鹿内 セントラル短資FXのニュースが充実しているんですね。

ゆったり為替 はい。それとチャートが使いやすいです。あとはヒロセ通商も使いやすいです。

鹿内 チャートが使いやすいというのは、どのあたりがですか?

ゆったり為替 私は移動平均線さえ使わず、見るのは月足、週足、日足だけです。こういう使い方だと、セントラル短資FXは見やすいです。ただ、インジケーターを使う人は、他のチャートの方が良いのかもしれません。

鹿内 ローソク足が、見やすいのですか?

ゆったり為替 はい。視認性が良いんです。

参加者それぞれがスリル&エンタメ状態

鹿内 なぜ、短期トレードはこんなに人気があるんでしょうか?

ゆったり為替 ギャンブル的で楽しいからじゃないですか。私にとってはストレスがたまりますが。リピート系自動売買や、私が採用している月足トレードは、負けがほぼないんです。週足・月足を使ったデイトレードもあるんですけど、勝率がとても高いです。月足・週足のサポレジは、日足ベースとは強さのレベルが違うんですよね。

それに比べて短期トレードで細かい値動きを追いかけるのは、損切りも多くなるのでストレスがたまります。短期トレードに人気がありすぎるのは、アフィリエイトサイトがそれを煽るからでしょうね。FX会社は短期トレードをたくさんしてもらった方が手数料で儲かりますし、アフィリエイターからすればネタが多くて記事を書きやすいのが短期です。昨日の相場、今日のチャート、明日の経済指標というように。でも、私のような月足トレードだと、2014年9月に書いたドル円予想が、まだ決着してないです(笑)。変化が乏しいので、ブログ記事が書けないんですよね。

鹿内 FX会社側も、短期の記事を書いてもらいたがっているのかもしれませんね。

ゆったり為替 私の書いているブログのように、さあ答えは5年後!なんて、求められてないですよね(笑)。つい最近書いた豪ドルNZドルの記事は2014年からのサポレジの話になっています。

鹿内 長期的な視点に立ち、しっかり分析された有益な情報よりも、刹那的に消費される記事が検索上位になる、グーグルの基準も影響しているんでしょうか。

ゆったり為替 そうかもしれませんが、仮に私の長期の記事が検索上位に来ても、読者受けはしないんじゃないかな。気長すぎます。

鹿内 皆さん、結論が性急なんですよね。どこかでスリルやエンターテインメントを求めている。

ゆったり為替 そういう意味で、今の仮想通貨はスリルとエンターテインメントを前面に押し出しているので、初心者がたくさん参入していますよね。

精神力と資金管理が重要。手法の重要度はかなり低い

鹿内 多くの個人投資家がテクニカル分析が好きで、ファンダメンタルズ分析が嫌いという傾向があります。私たちは、この両者とどういう付き合いをしていくべきでしょうか。

ゆったり為替 一般的にいわれていますが、長期になるほどファンダメンタルズが効きます。また、経済学者はテクニカル分析は価値がないと断定する。でも、その経済学者が投資で稼いでいるかというと、またそれは別の話になります。

短期トレードになるほど、テクニカル分析に頼らざるを得ません。ただ、超長期でもテクニカルが不要かといえばそうではありません。

というか、勝てるパターンさえ知ってしまえばどうにでもなります。必要な能力を比率で表現しますと、精神力55%と資金管理25%、手法20%です。全体の半分以上が精神、残りの半分以上が資金管理、最後に残るのが手法という意味です。

鹿内 でも、優れた手法さえ手に入れれば勝てるという風潮がありますよね。

ゆったり為替 手法から入ると勝てないですよ。手法だけを追い求めると、高い確率で退場します。

鹿内 新規で入ってくる人の多くが退場してしまう構図だと、いずれ業界は衰退しますよね。

ゆったり為替 日本のFX業界はジリ貧かもしれません。

鹿内 ところで、交流のあるトレーダーさんはいますか?

ゆったり為替 そもそも交流を持ちたくないんです。トレーダーって癖が強い人が多くありませんか? 普通の会社員とは性質が違って、私を含めて一匹狼みたいな人が多いです。それぞれが自分の手法に信念や自負を持っているので、意見交換をしても交わらない(笑)。それに知識がすごいので、自分の手法を話したら吸収されてしまう。

鹿内 なるほど。プロは群れないわけですね。ところで、レバレッジが10倍に規制される話はどう思いますか?

ゆったり為替 しかたないですね。我々は与えられた条件下で立ち回るかしかないので。レバ50倍のときも、50倍かよといいながらやりくりしましたから。何も規制がない状態から10倍になるよりも、もともと25倍だったところから10倍になるので、今回はダメージは小さいです。それに私、長期トレードですし。

鹿内 業界全体としては、どういう影響がありそうですか?

ゆったり為替 業界全体の売上減少により、ドル円のスプレッド0.3銭を維持できなくなるのではと思っています。

鹿内 短期ユーザーにとっては影響が大きいですね。

ゆったり為替 日本の投資家の中には、海外FXに行ってしまう人もいるかもしれませんね。また、仮想通貨メインになり、FXに戻ってこない人もいるでしょう。どちらにせよ、スプレッドが広くならざるを得ないと思うので、短期トレーダーへの影響は確かに大きいです。

鹿内 スマホ開発やサポート体制が悪化する可能性もありませんか?

ゆったり為替 スマホユーザーが増えているといいますが、取引額は圧倒的にパソコンの方が多いとも聞いています。なので、スマホで取引できる環境を終了するところも出てくるかもしれませんね。

(インタビュー日:2018年2月13日)

※この記事は、FX攻略.com2018年5月号の記事を転載・再編集したものです

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ゆったり為替の写真

ゆったり為替(ゆったりかわせ)

FXで生計を立てている個人投資家。取引回数が極めて少ない「ゆったりトレード派」。FXで大成功を収めることを目指して、勉強をする毎日。あらゆるFX会社の口座を保有し、業界内の様々なサービスに精通。

公式サイト:FXゆったりトレード派

鹿内武蔵の写真

鹿内武蔵(しかうちむさし)

株式会社tcl代表取締役。2008年のFX攻略.com創刊時から編集部に在籍、本誌と公式サイトの運営に携わる。取材や記事執筆の他、トレーダーとしてFXの運用も日々行っている。好きなテクニカルは平均足、好きな手法はブレイクアウト。

公式サイト:株式会社tcl

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