スワップポイントの仕組みを理解しよう[遠藤寿保]

スワップポイントの仕組みを理解しよう[遠藤寿保]

FXには、為替差益とは別にスワップポイントという二つの通貨の金利差で利益を得る方法があります。FXの魅力の一つに挙げられるスワップポイントですが、どのような状況やタイミングで発生するのか、また仕組みが似ているといわれる外貨預金の金利とは何が違うのか。遠藤寿保さんに解説していただきます。

スワップポイントとは何か?

FXでは、為替差益以外で利益を出す方法があります。それは、スワップポイント(金利差調整分)と呼ばれる2国間の金利差から得られる利益のことです。

FXは通貨の取引であるため、同時に金利の取引も行っています。2国間に金利差があれば、高金利の通貨を買い持ちしていると、金利差調整分のスワップポイントを受け取ることができます(図①)。ただし、売り持ちしている場合は逆に支払うことになります。スワップポイントは、ポジションを保有している間、毎日発生し土日も日数の対象となります。

スワップポイントのイメージ図

受取日はポジションを持った日の2営業日後

スワップポイントは、ポジションを持ってからNYクローズといわれる、その日の締め時間をまたいで保有したときに発生します。この状態のことを「ロールオーバー」といいます。

実際の外国為替取引は「T+2」というルールによって、ポジションを持った日から2営業日後が受渡日となり、そのタイミングでスワップポイントが確定します。ポジションを持って木曜にロールオーバーさせた場合は、2営業日目が月曜日となり、その時点で土日分のスワップポイントが先に発生するため、お得であるなどともいわれています。

外貨預金の金利よりも資金効率が高いのが魅力

スワップポイントは各国通貨の金利差によって発生するため、外貨預金の金利と同様に考えられる場合があります。しかし、いろいろと違いがありますので解説したいと思います。   

まずは資金効率面についてです。外貨預金の場合は預け入れた総金額に対し金利が発生しますが、FXのスワップポイントは取引量に対して発生します。レバレッジを効かせて取引できる分、スワップポイントの方が資金効率は高いといえます。

また、外貨預金の場合は一般的に一定期間の金利は固定されていますが、スワップポイントに関しては固定されているものではなく日々変化します。各国の政策金利動向や対象国の政情不安などによって変動しますので、日々のチェックは必ず行いましょう。

なお為替変動に対するリスク(損失)は、外貨預金もFXも同じですので、金利とスワップポイントで優劣をつけるなら、レバレッジの恩恵を享受できるスワップポイントの方が優れていると考えても良いのではないでしょうか。

税金や手数料も異なる

発生した利益に対する税金にも違いがあります。外貨預金の場合、発生した金利に対して一律20.315%の税金がかかります。この税金は源泉分離課税となっており、実際には20.315%の税金が差し引かれたものが金利となるので、特に確定申告する必要はありません。

しかし、スワップポイントによる収益は「雑所得」となり確定申告が必要になります。ここで気をつけたいのが、スワップポイントの発生はFX業者によって、①決済時に口座に反映される ②毎日口座に反映される−の2種類に分かれることです。

①の場合は、決済するまで税金はかかりません。決済した年にまとめて課税されることになります。②の場合は、対象期間(個人の場合は1月1日〜12月31日)の合計額が課税されます(※所轄の税務署によっては、①の場合でも課税対象となる場合がありますので、詳しくは税務署で確認してください)。

また、大きな違いとして手数料が挙げられます。外貨預金で発生する金利は通常外貨で発生します。そのまま保有するのであれば問題ありませんが、円貨に両替するとした場合、両替手数料が発生します。両替手数料は各銀行によって異なりますが、1円近い手数料がかかる場合が大半です。

これに対して、FXの場合は発生するスワップポイントは円貨にされている場合がほとんどで、その両替手数料も数銭単位となっているため大きな差が出ます。

為替差益とのバランスを考慮することが大切

スワップポイントは、外貨預金にレバレッジを適用できるような仕組みで手数料も安いことから、必ず利益になると考えられがちです。

しかし、金利が高い通貨というのには必ず理由があり、その国の経済が良好である場合は良いのですが、外貨を取り込むために高金利にしている場合や、自国の資本が海外に流れないように高金利にしなくてはならない場合があります。

前者であれば良いのですが、後者の場合は通貨価値自体が不安定な場合もあります。その場合はスワップポイントでは収益を得られても、為替の変動で損失になる場合がありますので注意が必要です。

とはいえ、スワップポイントはFXにおいての有利性の一つです。為替差益とスワップポイントのバランスを考えながらトレードするのが、有効な戦略といえるのではないでしょうか。

※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

遠藤寿保の写真

遠藤寿保(えんどう・としやす)

1998年、ひまわり証券で日本初となるFX事業チームに参加。2007年、FXZERO株式会社取締役を経て、現在YJFX! マーケティング部に所属。98年以降、投資家向けのコンテンツづくりやFXの企画等に携わった経験を生かし、FXエバンジェリストとして、情報配信・FXコラム執筆・セミナー活動等を行っている。

公式サイト:YJFX!

Twitter:https://twitter.com/eva_endo

YouTube:https://www.youtube.com/user/yjfxinc