「スイス中銀ショック」の余震でリスク回避の動き
先週の為替市場は強烈な暴風雨に見舞われた。先週木曜日、スイス中銀が突然対ユーロでのスイスフランの上限を撤廃すると発表したことを受けて、ユーロスイスはほとんど値がつかないまま1.20フランから一時0.74フラン台まで36%あまり暴落。115円台で推移していたスイス円も、一瞬で160円まで暴騰し、なんと40%もの上昇率を記録したのだ。長く為替相場を見ている筆者もこれほどの大幅かつ急激な値動きは見たことがない。スイス中銀は2011年に対ユーロでのスイスフランの上限を1.20フランに設定し、その防衛のために「無制限」の介入を実施してきたが、安全通貨の筆頭であるスイスフランの需要は根強く、ユーロスイスは1.20フランに張り付いたままだった。一方、投機筋はスイス中銀が1.20フランで無制限に介入してくれると信じてその手前でユーロ買い・スイスフラン売りを繰り返していた。
今回何の前触れもなくその梯子が外されたのだから、暴落するのも無理はない。スイス中銀がいずれ上限撤廃に追い込まれるとの見方もあるにはあったが、つい最近まで中銀当局者が「ユーロスイスの下限防衛は重要な政策手段」と繰り返していただけに、まさかこのタイミングで発表されるとは思っていなかった。まさに青天の霹靂である。今回のスイス中銀の措置は市場との対話も何もなく、巨額の損失を被った市場関係者からは怨嗟の声が上がっているが、今週木曜日のECB理事会を一週間後に控えての苦渋の決断だったことは想像に難くない。ECBが大規模な国債買い入れを決定すれば、もはや介入では持ちこたえられなくなるからだ。逆に言えば、ECB理事会での国債買い入れの決定は、スイス中銀の目から見ても既定路線であり、その結果のユーロ一段安も不可避ということだ。さらに25日のギリシャ総選挙を控えて安全通貨のスイスフランに資金が流入する可能性も小さくない。
スイスフランが瞬時に暴騰したため、逃げ切れなかった者も少なくない。IMM通貨先物では、スイスフランの売り越しが昨年来最高に積み上がっていたし、東欧など周辺国では低利のスイスフラン建てのローンが一般にも普及していた。市場が味わった恐怖感は計り知れず、しばらくは安全通貨へ資金を移す動きが続くだろう。スイスフランが「敗戦処理」で買われることにより、ユーロは相対的に売られやすくなる。またスイスフランに次ぐ安全通貨である円にも、スイスフランと比べた割安感から買いが入る可能性が高い。ユーロドル、ユーロ円、ドル円、いずれも売り目線で臨みたい。
今回の「スイス中銀ショック」は、ファンダメンタルズに即しない介入は効果がないこと、そして無理な政策を続ければいつかツケが回ってくることを証明した事例であり、後世に語り継がれることになるだろう。
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