FXライフ♪はじめよう|第5回ゲスト 齊藤トモラニ

FXライフ♪はじめよう|第5回ゲスト 齊藤トモラニ

女性トレーダーへのロングインタビュー企画第5回は、老舗のFXスクール講師として多くの受講生を送り出してきた、齊藤トモラニさんをお迎えしました。初心者時代の勉強法や勝っているとき、負けているときの心構えなど、トレーダー目線の良いお話をたくさん聞くことができました。

200万→40万に。最初の大失敗を乗り越えて

編集部 FXを始めたのはいつごろですか?

トモラニ 2006年8月です。もともと2002年くらいから株をやっていたんですが、2006年1月にライブドアショックがあって。これからの時代は株が難しくなるかもしれない、他の投資も探し始めなきゃ、と思っていたときに出会ったのがFXでした。

編集部 FXの存在が世間に認知され始めた時期ですね。

トモラニ ネット上にたくさん広告が出るようになって、1万通貨での取引がやっと可能になったくらいの時期ですね。当時、旅行会社に勤めていたので、仕事柄ドル円の値動きを毎朝チェックしていたんです。為替なら自分にもできそうだと思ったのがスタートです。

編集部 株の経験はFXにも生かせそうですね。

トモラニ ところが、そううまくもいかなくて。株のくせがついていたせいで、最初は大負けしてしまいました。株をやっているときに「高くなれば売り、安くなれば買う」くせがついていたんです。その頃の為替って基本上がっていたから、「上がってる=売らなきゃ」と思うと買えなかったんです。買っていれば後々利益になったとは思うんですけどね。

あとは、ロットの間違いとか、売り買いの間違いとか、気づいたらポジションを入れたまま放置してたりとか、初心者に起こり得る失敗は全部経験しました。

結局うまく立ち回れないまま、200万円の証拠金が半月後には40万円になってました(笑)

編集部 その負けから、師匠である杉田勝さんとの出会いにつながるわけですね。

トモラニ 「これ以上負けて痛い授業料が発生するよりも習った方が効率的だ」と考え、FXの師匠を探すことにしました。で、もともと購読だけはしていた師匠のメルマガを開いたら、為替の話だったんです。それからセミナーを受講して、この師匠について行くことにしました。

当時は「とにかく習えば上手くなる」と思っていました。株をやっていたときも師匠を見つけてうまくいった経験があったので。でも、習うこと自体は義務教育でいう小学校のようなもの。そこから自分のトレードスタイルをどう確立し利益を出していくか、何を積み上げていくかが大事なんだと分かるまで、しばらくかかりました。

仕事と寝る時間以外チャートと会話

編集部 どのようにFXを勉強していったんですか?

トモラニ 自分がやりたいスタイルに合わせて、勉強方法を工夫することにしました。為替のやり方って大まかにファンダメンタルズ分析とテクニカル分析に分かれますが、大切なのは自分の相場観を作ること。テクニカルをベースにファンダメンタルズとか、大きな流れはファンダメンタルズで見るとか、やり方はいろいろありますよね。

私はファンダメンタルズを重視しないタイプ。自分の性格や生活パターンで考えた結果、そうなりました。長期トレードをする方ならファンダメンタルズは重要ですが、スキャルピングみたいな短期トレードをする人がファンダメンタルズを重視するかっていったら、しない方がいいですよね。

私は長くポジションを持ち続けるよりも、一日数時間のデイトレードでやる方が合っていると思っています。

「これを持ち続ければ200pipsになるかもしれないけれど、その前に100pipsの時点で利益確定した方が楽しいぞ」というタイプ。15分足~1時間足でトレードしています。

編集部 他に、初心者時代にやっていた勉強方法はありますか?

トモラニ 最初の3か月間は、仕事と寝る時間以外全てをFXに捧げました。とにかくチャートを見続けていました。仕事から帰って寝るまで、毎晩4時間です。5分足チャートを表示させて「上に行くかな? 下に行くかな? あーそっちに行くのね、でもこのライン越えたら上に行くよね」「そろそろ指標発表されるぞ? どっちに行くんだ?」ってずっと話しかけながら(笑)そのときの流れや動きを頭の中に描いていくように意識してました。

チャートを見ていると考える力がつくようになります。基本的な考え方はセミナーで学ぶことができます。でも学んだ基本を自分の中に落とし込んで応用できるレベルに持っていかなければ、勝ちには結びつかないんですよね。

日々動いているチャートを見て、この後どう動いていきそうか、もしくは結果的にどう動いてきたのかを考えることが大切。テクニカル分析は練習あるのみです。

私はテクニカル派なのでテクニカルの話が中心になりますが、ファンダメンタルズも指標の時間や今注目されている事柄には目を向ける必要があります。知っているだけで、損切りや利確の位置も変わってくるはずです。

自分のやり方に合った時間帯に絞ってトレード

編集部 今の生活スタイルやトレードする時間帯について教えてください。

トモラニ 最近は朝7時から9時の間にポジションを入れることが多いです。自分の勝てるパターンが午前中の時間帯に来ることが多いので。会社に行く前に、家のパソコンから会社のパソコンを遠隔で操作して、出社したらチャートの分析をしながらトレードを進める感じでやってます。

朝ポジションを持ったら、大体2時間ぐらいで終わり。たくさんポジションを持たないように心がけてます。

トレードって、自分が勝てるタイミングだけを厳選して利益を出していく方が効率的ですよね。日中はだらだらトレードをせずに、仕事に専念しています。仕事が終わって帰宅しても基本的にトレードはしません。ご飯を食べてお酒を飲んだら寝て一日が終わり(笑)以前は夜中の2時、3時まで起きてトレードしている時期もあったんですが、今は体力的にキツイですし、自分のやり方に合ったチャートの動きが無いのでやらなくなりました。

スタイルを確立したら

編集部 ご自身のスタイルはどのように確立していったのでしょうか。

トモラニ 自分のスタイルが定まるまでは、とにかくいろいろな方法を試していました。自分に合っている方法って自分にしか分からないんですよね。誰かにお勧めされたり決めてもらえるものじゃない。その人にとっては最良の方法でも自分にとって良いかどうかはまた別ですし。「これなら楽しく続けられそう」と思えるやり方が見つかったら、あとはそのやり方に合わせて勉強して、経験を積み重ねていく。楽しめるかどうかって長く続けられるかどうかにもつながる部分なので、大事ですよね。

それと、気をつけなきゃいけないのが自分のやり方が定まった後ですね。うまくいく方法が決まったのならそれをずっとやっていればいいのに、人間は欲が深いんですよ、余計なことに手を出し始めちゃうんです。もっと利益を上げたいと思うなら、自分にとって最良のやり方でポジションを増やせばいいだけなんですけどね。それだけじゃ満足できずによく分からない方向に進みだして、結果的にボロボロになったりしがちです。本当は、「自分はコレ!」と思えるやり方を見つけたら、あとはそれを極めればいいだけなんです。

連敗したら休む 負ける理由は二つだけ

編集部 杉田さんはどんな人ですか?

トモラニ 私の倍近く、30年以上相場の世界を生きているので、とにかく図太いです。特にすごいと思うのは、相場で負けたときの対処の仕方です。勝っても負けてもフラット。負けても全くイライラしないんです。

意図しないパフォーマンスが出たときのチャート分析や情報の精査も鋭いですね。時間をかけてやっています。分析や振り返りの大切さを学ばせてもらってます。

編集部 ちなみに、トモラニさんは負けが続いたときはどうしていますか?

トモラニ 私は連敗したら一度休んで、負けている原因を分析します。負けている理由は2種類しかないんです。自分がいつものルールを守れていないか、相場が変わっているかです。

自分の中でルールに甘くなっているときがまれにあるので気をつけるようにしています。相場が変わっている場合は、どう変わっているのか細かく分析します。損切りの位置を深くとか、エントリーの位置を上げるとか、調整するようにします。

相場の変わり目はルールが効かなくなったりしますが、だからといってルールを変えることはしません。1日くらい待てば大体ルールにあてはまるようになります。

 それと、私は複数の通貨ペアを見ているので、ルールに合っている通貨ペアを見つけてトレードします。

負けたら休むといっても、相場を見なくなるとチャンスを逃してしまいます。いずれトレンドが出たらそこは乗らなきゃいけない。チャンスを逃すと焦って変なトレードをして、もっとひどい方向になりかねないので。

「今は買い?売り?」為替の世界に正解はない

編集部 逆に、連勝したときは?

トモラニ すごく良いトレードをした後は、すごく悪いトレードが来るものだと思ってます。気が大きくなるし、自分が天才だと思っちゃって、必ず調子を崩すんです。

なので、例えば「月◯%」という目標を月初に達成したときは、その後のポジション量を減らします。

編集部 トモラニさんのスクール、「ウィンインベストジャパン」について教えてください。

トモラニ 1回トレードをしてみたけれどなかなかうまくいかない、という経験者向けのスクールです。一応、初心者でも理解できる内容にはなっていますが、ターゲットは経験者です。内容はチャートの読み解き方が中心です。

為替の世界では「今は買いなのか売りなのか」に正解はありません。買いを選んだ人も、売りを選んだ人も、それぞれ正解にするための軸をどう作っていくか、という部分を教えています。

また、受講者の性格やトレードできる時間帯などによって、楽しく長く続けられる方法は変わってきます。本人が楽しんで続けられる方法を見つけてもらうことも重視しています。

編集部 スクールが始まったのはいつですか?

トモラニ 2007年2月14日に開始したので今年でちょうど10年ですね。雰囲気やスタイルは当初から変わっていませんが、どんなところが分からないのか、どんな教え方が良いのかはどんどんブラッシュアップしています。時代の相場に合わせたトレード手法を教えています。

杉田はもともと原油のトレーダーで、ロンドンで先物のヘッジファンドをやっていました。為替の専門ではなく相場のテクニカル分析専門です。そのため、ウィンインベストジャパンはFXの学校というよりテクニカルの学校といえます。私たちが教えたチャートの分析はFXに限らず他にも応用できます。

うまくいくためには楽しく続けるのが一番

編集部 これからFXを始めようと思っている初心者、特に女性のトレーダーさんに向けて、アドバイスをいただけますか。

トモラニ 初めは一日数回、チャートを見る時間を決めて、その時間帯にどう動いたかを繰り返し見ていくことから始めてほしいですね。大切なのはだらだら眺めないこと。考えなしに値動きを目で追っても上達はできません。

その時間にチャートがどう動いたか、何が起こったせいでその動きをしたのかを自分の中で整理してみてください。続けているうちに、朝がこうなら昼はこうなって、夜はこうなる、とパターンが見えてきます。この確率論が自分の中で形成されてきて、「ここを越えたら上がる」といった発想が自然に出てくるレベルを目指しましょう。そうでないとただの博打になってしまいます。

私の個人的な見方になるんですが、女性トレーダーはセミナーで教わったことを忠実に守るので、しっかり勝てる人が多いんです。男性だと教えた内容に独自のルールを加えて失敗しちゃう人もいるので、そうならない堅実さは女性ならではかなと思います。習った知識を素直に実践することは大事にしてほしいですね。

自分のスタイルが定まるまでは、いろいろな方法を試してほしいです。楽しいと思えるやり方を見つけることができたら、それを突き詰めていきましょう。一年でも二年でも長くトレードを続けることで、うまくいくための方程式が見つかります。

※この記事は、FX攻略.com2017年7月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

齊藤トモラニの写真

齊藤トモラニ(さいとう・ともらに)

老舗のFXスクールWin-invest Japan株式会社代表取締役。日々受講生のサポートと助言情報サービス配信を行なっている。各証券会社でのセミナーも数多く手がけ、ひまわり証券、JFXの芳彦の部屋、トレイダーズ証券等でセミナーも行なっている。ひまわり証券では日々のレポートも執筆中。著書はパンローリング社の『FXデイトレード』。