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テクニカル分析

【ボリンジャーバンド】統計学の考えに基づいたテクニカル

相場の流れが視覚的に見える「ボリンジャーバンド」

ボリンジャーバンドはアメリカの投資家ジョン・ボリンジャー氏によって考案されたテクニカル手法。統計学の標準偏差という考え方を用いることで、「相場の変動率」を表します。

こう書くと難しそうですが、実際は視覚的にさまざまな情報が得られるという、非常に初心者向けのものだといえます。

そのベースとなるのは移動平均線です。これを基準として上下に線が加えられ、見た目ではバンド(帯)の形状となります。下図のように、中央には移動平均線(ミドルライン)、その上下に±1、±2、±3σ(シグマ)ラインが描かれます。

なお、考案者は期間の設定を21日としており、これがスタンダードとなっています。したがって、ここでは21日という設定を用いて解説していきます。

収束(スクイーズ)と拡散(エクスパンション)

ボリンジャーバンドは収束(スクイーズ)拡散(エクスパンション)を繰り返す性質があります。

分かりやすくいうと、相場こう着時は狭まり、トレンド発生時は開くといった動きをするのです。

下図では、前半部分がレンジ相場として推移。おおむね一定の値幅間で動いており、バンドは収束しています。

ところが、後半部分では下落の流れが生まれ、バンドが拡散していく様子が見て取れます。

このように、ボリンジャーバンドを用いれば、相場の勢い・変動率というものが一目で見抜けるようになります。そして、そんな性質を、「順張り」「逆張り」トレードの目安として利用することができます。

トレンドの流れに乗る「順張り」の考え方

FXのトレードにおいて、最もシンプルな考え方が順張り手法です。

前述したように、相場に方向性がなくこう着している場合はバンドが収束していますが、それから方向性が生まれるとバンドが開きはじめます。最もわかりやすいパターンとして、こう着状態から1σ、2σラインをブレイクしていく形になれば、トレンドが生まれるサインだと考えることができます。

下図は中盤までこう着している状態が続いていますが、赤丸で囲んだ部分で-1σ、-2σラインがブレイクされたことをきっかけに、明確な下降トレンドが生まれています。

このトレンドに乗るかたちでトレードするという戦略が有効となるわけです。

トレンド発生時に見られる一定の値動きを売買に活かす

売買チャンス① バンドウォーク

トレンド発生時の「バンドウォーク」というパターンも売買チャンスだといわれます。これは主に明確な方向性が生まれている流れにおいて、1σと2σの間で推移している状態を指します。ローソク足が両バンドに沿って歩くような推移を見せることから、こう呼ばれています。

下図では、前半に上昇トレンドが生まれ、それが安定していくとともにバンドウォークが現れる流れとなっています。

売買チャンス② 抵抗としてのミドルライン

あるいは、トレンド発生時においてミドルラインを抵抗と見立てた押し目買い、戻り売りを狙うのも有効です。

安定したトレンドの場合は、バンドウォークだけではなく、ミドルラインが抵抗として機能するケースも多くみられます。下図は下降トレンドにおいて、ミドルラインまで戻っては下げ、戻っては下げを繰り返している様子。

ミドルラインが明らかに抵抗として意識されているパターンであり、ここでの戻り売りが有効になるといえます。

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トレンドの流れに反発する「逆張り」の考え方

その一方、順張りとは対をなす逆張り手法では、±2σラインに注目します。このラインの範囲内には理論上、95.45%の確率でローソク足が収まることになっているので、2σラインに接近するような動きがあった場合は、いずれ平均値の方向へ回帰していくだろう……と考えられるのです。

それなので、+2σラインに接近している場合はショート、-2σラインに接近している場合はロングという、それまでの流れとは逆の動きを予想したトレードを狙うことができます。

上図は、±2σへ接近するたびに、反転していくというパターンが繰り返されている様子です。赤丸で囲った部分において、反転狙いのトレードをすることができます。

ボリンジャーバンドまとめ

ここまで解説してきたように、さまざまな用途があるボリンジャーバンド。その使い勝手の良さから、初心者にもおすすめできるテクニカルだといえます。

  • ・アメリカの投資家ジョン・ボリンジャー氏によって考案されたテクニカル手法
  • ・統計学の標準偏差を使い、「相場の変動率」を表す
  • ・ベースとなるのは移動平均線
  • ・中央には移動平均線(ミドルライン)、その上下に±1、±2、±3σ(シグマ)ライン
  • ・ラインとローソク足の位置関係から、相場の流れを読む
  • ・期間の設定は21日がスタンダード
  • ・収束(スクイーズ)と拡散(エクスパンション)を繰り返す
  • ・相場こう着時は狭まり、トレンド発生時は開く
  • ・こう着状態から±1σ、±2σラインをブレイクしていく形になれば、トレンドが生まれるサイン
  • ・トレンド発生中に1σと2σの間で推移している状態をバンドウォークという
  • ・トレンド発生中はミドルラインが抵抗として機能するケースがある
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