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    2014年5月19日
    米国長期金利は新たな低下局面に突入か[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は、米国債利回りの急低下を受けて一時約2か月ぶりの安値となる101.32円まで下落した。 米国10年債利回りは一時2.49%と昨年10月以来の水準へ低下。30年債利回りも3.30%付近と昨年6月以来の低水準となった。 米国景気は順調に回復しており、先週発表された景気指標も、生産者物価指数、消費者物価指数が上昇し、新規失業保険申請件数が30万人を下回るなど堅調なものが多かった。 FRBが粛々とQE(債券の買い入れ)縮小を進めていることもあり、本来なら金利は上昇してもおかしくなかった。 しかし、大方の予想に反して金利上昇は起こらず、10年債利回りは逆に3か月以上続いていた2.6〜2.8%のレンジを下抜けてきた。 参加者は長期債ショートのポジションの損切りを余儀なくされ、ヘッジファンドの解約45日ルールとも相まって金利は大きく低下した。 予想外の事態となった時には相場は大きく動く。米国長期金利の低下は当面続く公算が大きいと見るべきだろう。 では、米国景気が回復し、FRBがQEを縮小しているにもかかわらず、金利が上昇しないのはなぜなのか。 それは、FRBの実質ゼロ金利政…
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    2014年5月12日
    米国景気指標に注目!雇用統計の「後遺症」から立ち直れるか[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は、米国雇用統計の「後遺症」で軟調に推移し、一時101.43円と3週間ぶりの安値へ下落した。 なにせ、あれだけの好結果(非農業部門雇用者数+28.8万人、失業率6.3%)にもかかわらず、米国金利もドルも上がらなかったのだから、参加者の失望感は小さくない。 しかも、イエレンFRB議長は先週の講演で、「労働市場の状況は改善が続いたが満足にはほど遠い」と断言し、超金融緩和政策の正当性を切々と訴えた。 ゼロ金利解除の観測ははるかかなたに吹き飛ばされ、最初の利上げは再来年以降との見方すら浮上した。 ドル上昇の道は閉ざされたと悲観した向きも少なくないだろう。 確かに米国雇用統計の詳細を見ると、長期失業者の割合が異常に高く、非自発的パートタイマーが増えた結果、賃金が伸びていないなど、見かけより質が良くないことは確かだ。 労働参加率は1978年以来の歴史的低水準にあり、働き盛りの世代にもかかわらず就労をあきらめた人が多いことを示している。 失業率はすでに旧ガイダンスの6.5%を下回ったが、こうした事情を勘案すると、実質的に8%台で高止まりしているとの見方もある。 雇用に強い思い…
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    2014年5月5日
    米国雇用統計上振れでもドルが売られる理由とは?[雨夜恒一郎]
    先週金曜日に発表された米国4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+28.8万人と予想の+21.8万人を大幅に上回り、2月・3月分も合計3.6万人上方修正された。また失業率は前回の6.7%から6.3%へ急低下し、2008年9月以来の低水準となった。 しかし、この結果にもかかわらず、「米ドル/円」は発表直後に約50ポイント上昇しただけで失速し、2時間後には発表前の水準以下まで売り込まれた。米国債利回りや米国株も同様の動きで、発表直後は上昇したものの、終わってみれば金利低下・株安となった。 その理由は、雇用統計の中身が実はヘッドラインほど強くないという点にある。確かに失業率は驚くべき低下を示したが、これは職探しをあきらめて労働市場から退出した人々が増えたことを反映している面が大きい。4月の労働参加率は前月の63.2%から62.8%へ低下し1978年以来の歴史的低水準に並んでいる。 失業者に占める長期失業者の割合は35.3%と前回の35.8%から改善したものの、相変わらず高い。NFPは大幅に伸びたが、一方では非自発的パートタイマー(フルタイムを希望しながらパートタイム労働を強いられて…
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    2014年4月28日
    GW中は重要イベントが目白押し!相場急変に注意[雨夜恒一郎]
    今週は日本が大型連休に突入し、市場参加者が少なくなる一方、日銀金融政策決定会合、FOMC、米国4月の雇用統計と重要イベントが目白押し。 例年日本のゴールデンウィーク中には円相場が大きく動くことが多く、要注意の一週間だ。 まず水曜日の日銀金融政策決定会合だが、金融政策は現状維持がほぼ確実だが、同時に発表される経済・物価情勢の展望(展望レポート)の内容に注目が集まる。 政府は4月の月例経済報告で景気の基調判断を1年5か月ぶりに下方修正。増税前の駆け込み需要の反動により弱い動きも見られると指摘した。 展望レポートもそれに沿った内容となれば、追加緩和期待が再燃し、円売りがジワリと強まる可能性がある。 先週金曜日には、消費税引き上げ後初の指標となる4月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)が発表されたが、結果は前年比+2.7%と市場予想の+2.8%を下回った。 前月からの上昇幅は1.7%にとどまり、増税分の2%が完全には転嫁されなかったかたちだ。 円安の動きも止まっているため、2年で2%の物価目標の達成は厳しいといえる。 黒田総裁の楽観的姿勢に変化が生じるかどうかも注目ポイントだ。 水曜日には…
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    2014年4月21日
    次の市場のテーマはGPIFの運用見直し?[雨夜恒一郎]
    先週の「米ドル/円」相場は101円割れを試すこともなく102円台ミドルへ反発。先週の当コラムで懸念材料として挙げたHFT(超高速取引)規制やモメンタム株のバリュエーション調整の懸念もさほど広がらず、日米の株式市場も持ち直しに転じた。 株安連鎖・円独歩高の懸念はひとまず取り越し苦労に終わったようだ。 本日はイースターマンデーで海外主要市場は引き続き休場。今週は、23日から25日にかけてオバマ米大統領の来日が予定されている以外には重要な経済データやイベントはない。 今週末からは飛び石ながら日本の大型連休に入るとあって、ポジションを大きく傾けづらく、101-103円台のボックス圏での推移が続く公算が大きい。次の市場のテーマが定まるまでは、現状レベルを中心に逆張りスタンスで臨むのが賢明だろう。 では、為替市場・円相場の次のテーマは何になるだろうか。ひとつ可能性として挙げるとすれば、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動向だろう。 先週水曜日、日経平均は420円高と今年2番目の上げ幅を記録したが、きっかけとなったのは麻生財務相が「GPIFの動きが6月以降にでてくる。 外国人投資家が動く可…
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    2014年4月14日
    日米株安で「米ドル/円」100円台も!モメンタム株とHFT規制の動向に注目[雨夜恒一郎]
    先週の日経平均は、1万4千円台後半から1万4千円台割れまで1000円あまり下落し、昨年10月以来の安値をつけた。 米国の早期利上げ観測が後退したことによるドル安効果とも相まって、「米ドル/円」は101円台前半と3週間ぶりの安値に沈んでいる。 日経平均の動向は良くも悪くも米国株次第である。 その米国株は、このところ高値からの調整に見舞われており、NYダウは16000ドル割れ目前、ナスダックは2月以来の4000ポイント割れとなった。 米国金利の低下と株安の組み合わせは、強いドル安・円高圧力をもたらす。 今週もこの状況が続くとすれば、「米ドル/円」はさらに下値模索となる可能性が高い。 前回日経平均が14000円台を割り込んだ2月4日には、「米ドル/円」は年初来安値100.76円をつけている。今週はこの水準をめぐる攻防が意識されるだろう。 では、米国株式市場がこれほど下落しているのはなぜだろうか。 米国景気の先行きには明るさが広がっており、企業業績も好調である一方、FRBの早期利上げ観測は後退しており、外部環境は好転しているといえる。 ファンダメンタルズからはなかなか説明しづらい。 そのカギは…
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    2014年4月7日
    労働市場の「質」に注目するFRB[雨夜恒一郎]
    先週金曜日に発表された米国3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+19.2万人と堅調な伸びを示した。 予想中心の+20万人には届かなかったものの、1月と2月の数字が計3.7万人上方修正されたことを考慮すれば実質的には23万人近い雇用増だ。 労働市場が寒波の影響から脱しつつあることを裏付ける結果といえる。 しかし、この結果にもかかわらず、米国債利回りは低下し、「米ドル/円」も104円付近から103.20円まで急反落した。 市場は今回の数字でFRBの金融緩和スタンスが影響を受けることはないと踏んだようだ。 その伏線は3月31日に行われたイエレンFRB議長の講演にある。 労働経済学の権威であるイエレン議長はこの日の講演で、「米国の労働市場のたるみは依然として存在する」と述べ、労働市場の「量」ではなく「質」が問題であることを指摘した。 議長が懸念すべき点として挙げたのは、 (1)賃金が上昇していない (2)非自発的なパートタイム労働者が多い (3)長期失業者の割合が高い(4)労働参加率が低下している という4点である。 フルタイムを希望しているにもかかわらずパートタイム雇用に甘んじている者が7…
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    2014年4月2日
    欧州中銀理事会に向けて[松崎美子]
    木曜日の欧州中央銀行(ECB)金融政策理事会とドラギ総裁定例記者会見について、まとめてみたいと思います。 ECB理事会とドラギ総裁記者会見 3月の理事会では、ウクライナ情勢の悪化を受け、ロシアからのエネルギー供給に頼る欧州の景気減速懸念と、相変わらず1%を下回るディス・インフレの影響を受け、ECBのマイナス金利導入予想が高まりました。しかしECBは全てを据え置き決定。 今月の理事会では、3月ほどマイナス金利導入予想は高まっておりませんが、今週月曜日に発表された3月分消費者物価指数(HICP)速報値が、予想の+0.6%を下回り+0.5%という4年ぶりの低レベルまで落ちてしまったことがきっかけとなり、「今度こそは、マイナス金利導入か?」という議論が出始めています。 とりあえず、現在のユーロを取り巻く環境を調べるため、いくつかのチャートを自分で作成してみました。左側に並べた5つのチャートは、《マイナス金利も含めた追加緩和策導入》をサポートする内容のもの、右側の3つのチャートは、《今月も据え置き》と思わせるものです。 追加緩和導入か? 消費者物価指数(HICP) 3月分速報値は+0.5%となり…
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    2014年3月31日
    今週は米国雇用統計に注目!早期利上げ期待の剥落に注意[雨夜恒一郎]
    3月18・19日に行われたFOMC後の会見でイエレンFRB議長は、QE(量的緩和)終了は今秋になるとの見方を改めて示したうえで、「かなりの期間低金利維持」はおそらく半年程度を意味すると述べた。 毎回のFOMCで100億ドルずつQEを縮小していけば、今年10月に終了するため、市場はそこから半年後の来年春には最初の利上げがあると受け止めた。 米国長短金利は一時急上昇し、「米ドル/円」も101円から102円台後半へリバウンドした。しかし、イエレン議長の会見内容をよく読むと、来春利上げ開始の期待は早計であることがわかる。 議長は会見の冒頭で、長期失業者が失業者全体に占める割合が依然高く、労働参加率も低下していることを強く懸念している。 この会合でFOMCは緩和解除の基準となる失業率の基準値6.5%を撤廃し、今後はより広範囲の情報を考慮することを決めたが、それは雇用市場の回復が確認される前に失業率が基準値に達し、FOMCが望まない形で利上げ期待が高まるのを防ぐことに狙いがある。 そして、イエレン議長は「現在の軌道において、利上げ開始が適切となるのは来秋と見込んでいる」とも述べている。 来秋となる…
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    2014年3月24日
    人民元急落で恩恵を受ける通貨は?[雨夜恒一郎]
    先週の人民元相場は対ドルで一時6.237元と約13か月ぶりの安値をつけた。年初の高値6.03元から比べて3.4%あまりの下落である。 昨年までは、中国の大規模な貿易黒字や欧米の元安批判を背景に人民元はじりじりと上昇していくというのが大方の見方であり、1ドル=6元割れも時間の問題と見られていた。 人民元相場にいったい何が起こっているのだろうか。 人民元が明白に下落し始めたきっかけは2月18日の中国人民銀行通貨政策会合である。 以来、人民銀行は連日市場で人民元「売り」介入を実施し、変動幅を1%から2%に拡大するとのうわさが流れた。そして、3月1日には正式に人民元の一日あたりの変動幅を2倍に広げることを発表し、うわさは現実となった。 中国当局は何を意図しているのか真相はわからないが、今後予想される自由変動相場へ移行を見据えての「地ならし」という見方が有力だ。 これまで人民元相場の上昇が続くという前提で投機的な資金が流入した結果、人民元相場は2010年以来ほぼ一本調子で10%あまり上昇してきた。 投機筋に「罰」を与えることで、「今後は上下双方向に動くことが常態化する」(人民銀の易綱副総裁)との…