FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2016年12月26日号
先週開催された日銀金融政策決定会合後の記者会見で、黒田総裁は「為替相場、現在の状況は円安というより米ドル高。現在の円の水準は驚くようなものではなく、今年2月と同じ。円安、現時点で行き過ぎとか弊害あるとの見通しはない」などと発言し、事実上現在の円安を容認する姿勢を見せた。実際米ドル/円相場は過去1か月半で15円超の上昇と近年にない急激なペースで円安・米ドル高が進行し、多くの人が円安と認識する120円に接近しているが、総裁がその点に全く触れなかったのはむしろ驚きであった。
日銀としては、円高という最大のデフレリスクが後退した現在、内心ほっとしているところであろう。ここで余計なことを言って円安・株高の好循環に水を差したくないというというのが本音ではないか。昨年は黒田総裁が124円で円安牽制を発し、125円が「黒田シーリング」となった(実際昨年の高値は125円だった)が、まだまだ警戒レベルには程遠いとみてよさそうだ。
もう一つ重要なことは、トランプ新大統領が現在の円安・米ドル高にさほど懸念を持っていないと思われることだ。というのは、もしもトランプ氏が円安進行に不快感を持っているとすれば、黒田総裁からかかる発言は出てくるはずはないからだ(むしろご機嫌取りで“円安のペースが速く注視している”などと述べるだろう)。
選挙前のトランプ氏の発言は保護貿易色が強く、円高・米ドル安志向との見方が強かったが、当選後は意外にも同氏から為替に関する発言は聞こえてこない。実利に聡い商売人のトランプ氏のことだ。世界中の富や技術を米国に集中させ、「強いアメリカ再び」を実現するためには、狭い産業界の利益にしかならない米ドル安ではなく、米ドル高を志向するほうが有利だということを理解したのではないだろうか。
多くの識者は「トランプ新大統領が就任すれば円安は終わる」と唱えているが、筆者はトランプ新政権が米国金利上昇と株高の結果生じる米ドル高を静観する「逆ビナイン・ネグレクト政策」をとってくるのではないかと考えている。(注:ビナイン・ネグレクトは通常米国が米ドル安を放置することを指す)
海外市場はクリスマス休暇が明けて今日から本格的に取引を再開する。日本は正月明けまで休暇ムードが続くが、トランプラリー第2章に乗り遅れないようにしたい。
なお本稿を持ちまして当レポートは年内最終となります。次回の更新は新年1月16日となります。今年1年間ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。
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