マネースクエアのトラリピで、上手に資産形成をしている長瀬博雅さん。この企画では、長瀬さんに先生役を担ってもらい、トラリピでの運用に悩みを抱える人に、アドバイスをもらいます。
相談者 プロフィール
・内田武さん
・40歳
・独身
・出版社勤務
・年収550万
【資金】
初期は30万円。毎月の給料から2~5万円を足していくつもり
【目的】
裁量トレードに変わる運用手段
【目標】
(最低でも)年に10%の利回り。本音としては、もっと欲張りたい
【FX歴】
8年。今年になって本格的な運用をはじめる。月に200pips獲得を継続的に達成するも、激務で勤務時間にムラもあるため、裁量のデイトレに限界を感じている
【トラリピの知識】
M2Jのサイトにて、基本的な事項は学習済み。『M2JFXバーチャル』を何度か試したことがある(現在はサービス終了)
資金30万円からなら1000通貨単位で
相談者さまはFX歴が8年とのことで、FXの怖さも面白さも経験され、またさまざまなトレード手法を試されたことでしょう。出版社のお仕事が忙しくなり、裁量のデイトレに時間を割くことが難しいようですから、時間も手間も最小限にできるトラリピに魅力を感じる部分は多いはずです。
僕自身も裁量トレードを継続することに限界を感じ始めたときにたどり着いたのがトラリピでした。紆余曲折ありましたが、現在は値動きに一喜一憂することなく、ほったらかしで運用できて助かっています。
初期資金は30万円ということで、お試し的な感覚で取り組んでみたいということかと思います。この資金では、次の条件を満たす設定をお勧めします。
・少ない証拠金で発注できる通貨ペアを選ぶ
・一つの通貨ペアに絞る
・1000通貨単位で仕掛ける
・利益よりもリスク管理を重視する
まずは少ない証拠金で発注できるよう、価格水準が低い「NZドル/円」でシミュレーションしてみましょう。直近1年の値動きを見ると、高値は2015年11月に付けた83円台。また英国が2016年6月に欧州連合(EU)離脱を決めたことで安値69円を付けました。高低差は約14円になります。直近4か月では72円〜77円の比較的狭いレンジで推移していますね。
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資金追加によりリスク耐性向上
「らくトラ運用試算表」にて下記の設定でシミュレーションしてみました。
・買い仕掛け(ロング)
・運用予定額:30万円
・仕掛け幅:70円〜80円
・仕掛ける本数:21本(50銭間隔)
・通貨単位:1000通貨
・利益金額:500円
この設定では、10月25日時点で自動ロスカットが63.21円と計算されました。74円台で推移していますから、自動ロスカットまで10円以上の余裕があります。
時間の経過と共に利益とスワップが蓄積され、自動ロスカットの価格も徐々に下がっていきますので、リスク耐性が高まります。さらに毎月のお給料から2〜5万円を運用資金に追加していければ、比較的余裕を持って運用できるのではないでしょうか。
月足のチャートを見ると、2011年9月から2012年6月まで57円台がサポート帯になっていました。今後もし円高が進んだ場合は57円台が意識されやすいため、57円以下までロスカットされないようにしておくと安心でしょう。
次に意識されやすいのが2009年2月に記録した44円台。「○○ショック」級の経済危機が起こらない限りは、この水準まで円高が進む可能性は低いはずです。ほったらかしで超安全運用に徹するのであれば、44円になってもロスカットされないようにしておけばリスク管理的には万全ではないでしょうか。
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長期的な運用にはリスク管理が重要
運用資金が倍の60万円以上になった段階で、そのときの相場状況を見ながら一旦設定を見直してみても良いかもしれません。最低でも年に10%の利回りを達成することを優先するなら、利益獲得を重視して仕掛け幅を広げたり、仕掛ける本数を増やしたりするのも一案です。
逆に円高局面になり不安定な状態であれば、リスク耐性を高めることを重視して、最初の仕掛けを維持し、ロスカット価格の水準を下げていくことも考えられるでしょう。ロスカットだけは絶対に避けなければいけません。
長い目で運用を続けるためには、最初の1〜2年は利益目標を達成することよりも、リスク管理を徹底した方が良いと経験上思います。相場で生き残ってさえいれば、必ずビッグチャンスが訪れるからです。大きなチャンスをものにすれば、低調な運用成績を一気に挽回することも可能ですから。
今回は「NZドル/円」でシミュレーションしましたが、「豪ドル/円」や「カナダドル/円」も比較的少ない証拠金で発注できますから、検討する価値はあるでしょう。「らくトラ運用試算表」を活用して、さまざまな仕掛けを検証してみてください。
この記事を読まれているときには、11月8日に行われた米大統領選挙の結果は出ていると思います。ヒラリー氏の勝利なら、ある程度市場にも織り込まれているため為替市場も落ち着いた動きになっていることでしょう。しかしトランプ大統領誕生だと先行きの不透明感から、為替市場も不安定な動きになっているかもしれません。
また年内の重要イベントとして、米国が利上げを行うのかどうかが注目されています。もし12月14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを行った場合、ボラティリティが高まりやすくなりそうです。米大統領選挙の結果、そして12月のFOMCの影響を確認してから、トラリピを仕掛け始めることも検討してみてください。
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※この記事は、FX攻略.com2017年1月号を転載したものです
【トラリピ相談室[長瀬博雅]】
・【今回の相談者】出版社勤務40歳独身
・【今回の相談者】専業主婦 36歳 子供二人
・【今回の相談者】30歳 サラリーマン 既婚
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか? でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
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取り上げているFX会社は、金融商品取引業の登録をしている国内FX業者です。口座開設は基本的に無料ですので、まずは気になったところで2〜3つ口座開設してみて、実際に比べてみてはいかがでしょうか。
\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |