デモ取引のすすめ[中里エリカ]

どこのFX会社のシステムも、日本でFX取引が開始されたころからは考えもつかないほど、非常に高機能で使いやすさも抜群になってきた。FX取引がスタートしたころは、取引システムとチャートシステムがバラバラなんてことはザラ。今では全く想像できないが、例えば120円15−18銭でビッドとオファーを出した場合、それが5秒とか8秒とかホールドされて、レートの下に出てくる帯が何秒かを表していた…なんていうこともあった。

どんなに相場が動いても、ホールドされたレートで取引になるというのは、刻一刻と相場の流れが変わる外国為替のマーケットの中ではあり得ない。実際相場が動いていれば直後に利益を出しやすいということもあったが、今は昔。最近はむしろ非常に早くレートが切り替わるし、特にチャートのカスタマイズ機能は各社とも大幅にアップしてきた。

FX会社としては、それを投資家に使ってほしいという気持ちが強く、何よりもシステムの使い勝手を味わってほしい。この切実な気持ちは、どのFX会社にもあると思う。デモ取引であれば入金も不要で、どんなに大きな取引もできる。各社ともいろいろな持ち味があるので、まずはそれを体験して慣れてきたら口座開設をし、実際の取引に挑んでほしい。しかしながら、他の国に比べると日本ではあまりデモ取引が行われておらず、本番取引から始める投資家も多いようだ。

FX会社に所属する私の個人的な気持ちでいうと、もちろん自社で口座開設してもらいたいけれど、その前に「正しく取引してほしい」「間違った操作方法で大事な資金を失ってほしくない」「分からないことがあったらどんどん聞いてほしい」という気持ちがある。

デモ取引では本番さながらの環境でいろいろと試せるので、実際の取引でどれだけ使いやすいか、もしくは使いづらいか分かるし、自分とそのシステムとの相性も分かる。システムの基本的な使い方は、各社のおおよその利用期限である30日もかからずにマスターできるだろう(中にはデモ取引の期間を延長できるFX会社もある)。

なおデモ取引を、例えばMT4でEAの検証に使う人もいるだろうが、あくまでも操作方法を習得するのに使っていただきたい。基本的に取引の手法を覚えるものではないと考えている。

デモ取引では気も大きくなるし、生活が懸かってくるわけでもない。当然、デモ取引のコンテストで1位を取った人が必ずしもトレードがうまいとは限らない。デモ取引はあくまでもデモ取引なのである。

※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです

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中里エリカ(なかざとえりか)

サクソバンク証券株式会社マーケティング部長。大学卒業後、為替ブローカー会社、外資系銀行にて為替及びデリバティブのインターバンクでのトレーディング業務に従事。勤務していた会社が子会社として「オリエント・トラディションFX」(現在の外為どっとコム)を設立したのをきっかけに、長年FX取引に携わっている。その後DMM.com証券、フォレックス・ドットコムジャパン、アルパリジャパン、デューカスコピー・ジャパンなどを経て現職。

公式サイト:サクソバンク証券