コロナ禍による世界経済の打撃
2020年は仮想通貨(暗号資産)市場にとって大きな注目を集めた年といえます。この記事を書いている時期はまだ年末ではありませんが、仮想通貨市場は既に飛躍の年といえるほどのパフォーマンスを見せているのです。
2020年2月から世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス。3月中旬には金融市場全体が暴落する状況となりました。しかしながら、その暴落からいち早く反発上昇したのがビットコインでした。各国は経済の立て直しのために大量にドルや円などの法定通貨を発行しています。通貨の発行が増えることで将来的にインフレが懸念される状況となり、ビットコインや金(ゴールド)が買われています。昔から伝統的な資産として保有されてきたゴールドは特に大きな値上がりとなり、2011年ぶりの高値を更新するという注目の出来事となりました。
ビットコインの上昇率は金融資産の中でもトップクラス
ニュースではあまり話題になりませんが、ゴールドや株式市場以上に注目を集めた金融資産がビットコインです。ビットコインは3月の暴落(コロナショック)で約50万円まで値下がりしましたが、そこからいち早く反発し、2020年8月には年内最高値の130万円を記録しました(チャート①)。上昇率は160%にもなり、ゴールドの39%を大きく上回る上昇となりました(表①)。
特に今の若い世代はゴールドよりもビットコインに関心を寄せているという調査結果も出ており、デジタル資産がより身近なものとなっています。
イーサリアムが影響力を持つ
2019年までは、仮想通貨の中でビットコインがダントツで大きな影響力を持っていました。それは価格が他の仮想通貨に比べて上がりやすく、下がりにくいという性質があったからです。ビットコイン以外の仮想通貨は、価格が上がりやすいのと同時に下がりやすいという、もろ刃の剣のような側面があります。それはビットコインに比べて時価総額が少ないので、もっともなことともいえます。
しかしながら、2020年は前号の記事でもお伝えした通り、イーサリアムが仮想通貨市場の中で特に注目されています。イーサリアムは仮想通貨でありながら、スマートコントラクトと呼ばれるプログムを実装したシステムです。
イーサリアムはコロナショックで1万2000円台まで下落したのですが、8月には約4万7000円という価格を記録。年内の上昇率は291%と、かなりのパフォーマンスとなっています(チャート②)。主要な金融資産で比較した場合にはイーサリアムがトップクラスの成績となります。
DeFiバブルの発生
分散型金融システムといわれるDeFi。以前この記事でもご紹介しましたが、2020年7月から特にDeFiを使った銘柄が大きな影響力を持っています。DeFiの中でも取引量が多いのがUniswap(ユニスワップ)で、7月には24時間の取引量が4500万ドル(約48億円)の規模となっており、国内取引所のビットフライヤー(24時間の取引量は約3180万ドル)や、バイナンスUS(約3650万ドル)といった大手の取引所を上回る状況となりました。
これは非常に驚くべきことです。通常の取引所のように人間が運営主体となっているものとは違い、プログラム上で動く分散型取引所のUniswapでこれだけの額が取引されているという事実が浮き彫りになったからです。
今後、DeFiについては銀行のシステムも含めて実用化される可能性があります。DeFi上で仮想通貨の交換、貸し借りなどが巨額の資金で行われるということです。また、これらのシステムの多くがイーサリアムを利用しており、これがイーサリアムの影響力をさらに高めた大きな要因の一つとなっています。
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高いパフォーマンスを発揮する仮想通貨
実はイーサリアムだけでなく、その他の仮想通貨についても2020年7月くらいから大きな価格上昇を見せています。分散型取引所の一つであるカイバーネットワークが発行する同名の仮想通貨は、2020年年初は約20円台という価格で推移をしていましたが、8月にはなんと200円という10倍の価格を記録しているのです。
カイバーネットワークなどの仮想通貨は時価総額でいうと中堅クラスですが、それらがこぞって大きな値上がりとなっており、仮想通貨への投資をしっかりと行っている人の中では2020年はバブルが発生しているという認識を持っている人も少なくありません。2017年のバブル時の価格に比べ、まだ低い水準といえますが、上昇率を見ればチャンスが来ていると分かるはずです。
今後の仮想通貨市場
2020年の仮想通貨市場動向を見ると、今後さらに期待できるのではないかと感じずにはいられません。ビットコインやイーサリアムだけでなく、時価総額がある程度高い仮想通貨の取引量が大きく増えてきているからです。中長期的に仮想通貨などのデジタル資産が影響力を高めていくという見方をしている専門家も少なくありません。今後、仮想通貨が法定通貨の代替資産になるかどうかに注目です。
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※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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