トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
焦点は9月利上げ実行
先週末、イエレン議長のほか、フィッシャー副議長、ダドリーNY連銀総裁が早期利上げに言及したことで9月利上げの可能性が一気に高まり米ドル/円は一時103円台まで上昇しています。
ジャクソンホールでのイエレン議長の発言内容はほぼ想定通りでしたが、FRBのボードメンバーであるフィッシャー副議長、ダドリーNY連銀総裁と影響力の高い2人が利上げに向けて足並みをそろえたため、マーケットは急速に利上げを織り込み始めています。そして早期利上げのキーワードとなるのが、今週末の米雇用統計です。
FRBメンバーは「次回雇用統計がFOMCの決定に影響」と発言しているように、今回の数字は本当に大きな意味を持つことになります。目安となる数字としては雇用者数変化では節目の20万人(予想18万人)を超えるかがポイントとなり、失業率では現在の4.9%からFRBが求める4.8%を達成できるかが焦点となります。
ただ、振れ幅が大きく、予想の困難な米国雇用統計ですから、出てくる数字の予想よりも発表後のシナリオをイメージしておくことが重要です。仮に雇用者数変化で20万人を超えた場合はマーケットの9月利上げ確率は50%を超え、米ドル/円は105円台が見えてくるでしょう。
一方で、あまり結果が奮わなかったとしても年内12月の利上げは可能性まで捨てきれないため、米ドル/円の下値は底堅くなると考えます。(5月米雇用統計3.8万人のようなネガティブサプライズがなければ、ですが。)
適正なポジション管理を
因みに米雇用統計に注目が集まるなか、本日発表されるADP雇用報告や明日のISM製造業景況指数といった先行指標についてもマーケットはいつも以上に反応することが予想されるため、発表前はポジションを整理するなど注意をしておいてください。
また、黒田日銀総裁がジャクソンホールのシンポジウムで「量、質、金利のいずれも追加緩和の余地は十分にある」と発言したこともあり、短期的な米ドル/円のサポートとなりそうです。米利上げによるドル高と日銀の追加緩和という円安がうまく機能すれば中期的にも米ドル/円は上昇トレンドに転換するでしょう。
ドル円の行方
しかし、本当に米ドル/円の上昇シナリオは描けるのでしょうか。
まず、米早期利上げですが、米大統領選を11月に控えるなか9月の利上げはリスクがともないます。現状ではクリントン氏がポイントでトランプ氏をリードしていますが、トランプリスクを回避するためにもこの9月というタイミングは得策ではないように思っています。
もちろん、イエレン議長をはじめ、ハト派色の強かったメンバーがここにきてタカ派へとスタンスを変えていることは年内利上げがメインシナリオとなりますが、12月に一回というのが落としどころなのではないでしょうか。
また、黒田日銀総裁が「量、質、金利のいずれも追加緩和の余地は十分にある」といつもと同じ発言をしていますが、こちらも口先介入の域を脱していません。いまさら金融政策が限界と言えないのでしょうが、あまり言い過ぎると恒例の失望売りが待っているような気もします。
短期的には米ドル/円はロングの展開ですが、日米の金融政策期待による高値追いには限界があり、大きく値を上げたところが戻り売りの好機と考えています。
ドル円、直近のターゲットは105.00円か?
テクニカル面では上値目標は7月29日の日銀の追加緩和で急落した105.00円付近が日足一目均衡表の雲上限にもなっており、ターゲットとして目標になりやすく、戻り売りポイントとなります。下値は一目均衡表の転換線に差し掛かる101.50円付近がサポートされそうです。
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