先週金曜日に発表された米国11月の雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が+21.1万人となり、予想の+20万人を上回った。また前回10月のNFPは+27.1万人から+29.8万人へ上方修正され、上振れが推計ミスでなかったことが実証された。失業率は2か月連続で5.0%と完全雇用レベルを維持。労働市場のスラック(弛み)は着実に解消されており、今月15・16日のFOMCでの利上げはほぼ確実になったといえよう。
この結果を受けて市場はドル買いで反応したが、インパクトは限定的だった。ドル円は抵抗線の123円台ミドルを抜けられず足踏み状態で終了。ユーロドルも、前日のドラギマジック不発の残滓もあり、1.08ドル台で下げ渋る展開となった。「NFPは予想を上回ったが、FRBの利上げペースを加速させるほどではない」というのが市場の受け止め方だった。
一方10月に前年比+2.5%と6年ぶりの上昇を記録した平均時給は、今回+2.3%と振るわなかった。先週水曜日に公表された米地区連銀報告(ベージュブック)は、「雇用加速は多くの地区で人材派遣業中心」「大半の地区で賃金上昇圧力は熟練職のみ」と指摘していた。労働市場の構造的・不可逆的変化により、賃金が上がりにくい労働環境が構築されている可能性が高い。原油安が加速していることもあり、FRBの二大責務の一つである「物価の安定(インフレ目標2%)」の達成は未だ覚束ない。
今年5月にイエレンFRB議長が年内利上げの可能性を示唆して以来、市場は12月利上げに徐々に照準を合わせてきた。そして来週のFOMCではそれが現実のものとなり、FRBの悲願であった金融政策の正常化が達成される公算が大きい。イエレン議長のシナリオ通りに事が進んでおり、FRBはドル高を加速させることなく利上げを市場に織り込ませることに成功しつつある。一方、インフレ加速の心配がないため、FRBは追加利上げを急ぐ必要がない。ドルが今年の高値(ドル円125.86円、ユーロドル1.0463ドル)を抜けていくシナリオは描きにくいと筆者が考える理由はここにある。
11月の雇用統計は新たなドル買いの起爆剤にはならなかった。来週のFOMCでの利上げは織り込まれている。そして市場はすでにクリスマス休暇モードに突入しており、積み上がった円ショートやユーロショートのポジションは来週にかけて巻き戻される公算が大きい。今週は「材料出尽くしの先取り」でドルが反落するリスクを想定して臨むべきだろう。
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